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どこかに行きたい

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その3(ジャンダルム・前穂)

13時ちょうど『穂高岳山荘』に到着
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疲れたー!がんばったー!ヘトヘトだー!
とりあえずテントを張らないと。山荘で受付をした。ひととおり説明を聞いてから幕営許可証を預かってテン場に向かう。ここのテン場は段々畑みたいだ。ひと区画がけっこうというよりかなり狭い。山岳部が使うような大型テントはまず無理な広さだ。
それでもそこそこな広さで横が通路な”まあまあな物件”を見つけ、テントを幕営した。
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奥穂を真正面に見る最高のロケーションだった。なんかうれしくてゾクゾクしてきた。
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今到着したガッチリ兄ちゃんがオレのテントの近くをウロウロして物件探しをしている。オレの区画の隣で考え込んだ後、別の区画にいる人に『ここ空いてます?』と聞いていた。
どうやらその兄ちゃんはツェルトらしい。ツェルトは風に弱いので風の通り道には幕営したくないようだ。
オレのテントの横は遮るものが無い高台。風の通り道になりそうな場所だ。

オレの隣に帰ってきた。良物件が無かったらしい。そうだなぁ、まず風を遮る場所とか立地条件のいいとこから埋まっていくからなぁ。
兄ちゃんは張り縄をたくさん出し、なにやら加工をして固定する場所を増やしていた。
ツェルトでウルトラライト化するも、それゆえ苦労もあるんだなぁ。 オレはテントでいいかな。メンドーだし。
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今13時45分。
テント幕営し終わったら、やっぱアレでしょう。山荘に行って前穂のバッジと おビール様を買った。
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ロング缶があったので迷わずソレ。水晶・黒部五郎あたりはロング缶は無かったのでうれしい限りだ。
涸沢を見下ろせるデッキの上にあぐらをかいてプシュっと開缶、ゴクっと快感。あー超うめぇ!
離れた隣にオフでここに来た消防署員(他人同士の会話で知った)もビールを飲んでいた。ファイヤーマンも山好きなんだね。オレも山への情熱の炎がメラメラと…すみません、消火してください。

デッキから奥穂を見上げる。
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ここは梯子やすれ違いで混む場所だが、今は比較的空いている。

反対側を見上げると涸沢岳。
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天気も良さそうだからあとで登ってみるか。
缶を捨てさせてもらってサンダルから登山靴に履き替え、カメラとスマホだけ持って涸沢岳に向かった。


近いのであっという間に着いた。
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最初は晴れていたが、いつの間にか雲に覆われ、ガスガスになった。

14時40分涸沢岳に到着(一応)
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3,110mで日本で8番目に高い山だ。 …のワリにはなんかアッサリしてるんだよなぁ、ここ。隣の奥穂の印象が強すぎて、ついでっぽい雰囲気になっちゃってるのかな。いい山なんだけどね。
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さて、下りるか…と思う頃にはガスが濃くなった。

テントに戻ってリラックス着に着替えた後、夕飯まで寝袋に潜ってひと眠り。電波が届くのでスマホをポチポチいじっていたけど、いつの間にか寝ていた。

夕方に目を覚まして夕食タイム。
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…の前に晩酌タイム。テン泊装備背負ってザイテン登るから食料もカリカリモノだけで鍋や食器などもやめたのにワインだけは一生懸命担いできた。
豚肉のジャーキーを食べながらワインをラッパ飲みで呑んだ。(もはや病的なのん兵衛だな)

今までのアルファ米の食料はお湯を入れてから15分待つが、最近モンベルから出たヤツは3分でできるからありがたい。味は…あ、いやなんでもない。

夕飯を食べ終わった頃にはテン場がガスに覆われ、景色が見れなくなった。歯を磨いてテントに入った。ここの標高は3000メートルくらいで寒いので上着を着て寝袋に入った。

どれくらい時間がたっただろうか、近くにいる人の会話から『おお、ジャンがみえるな』と聞こえた。
なに!ガスが晴れたのか?今飛び出すと、その言葉に誘われて出てきたみたいでなんかイヤ(別にいいじゃん、その通りだし)

ゆっくりと外に出て、白々しくふぁ~…と伸びをしたあと後ろを振り返るとガスが晴れ、奥穂の後ろの影からジャンダルムが見えている。
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今日はこんなに晴れてるけど、晴れの予報は今日までで、明日の予報は曇りなんだよね。だからジャンダルムの姿をこうやって見れるのは たぶんこれが最後なんだろうなぁと思った。しみじみと。
そもそも明日登れるのだろうか。死亡事故も多いし、オレの人生も今日が最後かも…とアホな事を考えていた。やっぱ夜って変な事考えるなぁ。
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テントに戻って寝袋に入った。今晩は冷えるかもと心配したが、意外とそうでもなく快適に眠れた。

真夜中。目を開けると天井というかテント全体がボヤっと明るい。まるで発光している様だ。誰かがヘッデンで照らしているのかと思ったけど、チラチラ光が動かないから(ああ、これって月光か)と理解した。
満月じゃないと思ったけど、かなり明るいようだ。と、いうことは今は晴れているのか。外に出れば月明かりに照らされた穂高連峰が幻想的に浮かび上がってそうだが、メンドーだし寒そうだったので寝袋に潜った。

今思えば見ておけばよかったなぁ。もったいなかったなぁ。




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by moriyart | 2017-09-16 14:03 | ジャンダルム・前穂高岳