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どこかに行きたい

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(その6)北岳

幸い下り道は得意なので、人が居ない なだらかな下りは駆けていく。ザックの中の食器とバーナーが当たってカチャカチャ濁った音がする。これなら熊避け鈴が不要だ。
この時間、登ってくる人はたくさんいる。時間的に夕方に山荘に到着してそのまま宿泊だろう。そしてこの山は若者ばかりいる。たまたまなのかわからないが御歳を召したかたはあんまりいない。
…と思っていたら前方から小さな女の子が登ってくる。足を止めてお父さんに『お子さん、お幾つですか?』と聞いてみれば五歳なんだと。
ひえー!驚いた。(んしょ!んしょ!)みたいな登り方なんだけど元気いっぱいだ。すごいですねー!と褒めればお父さんも少し得意顔。ここはたくましい人がいっぱいいる山だ。
『お気をつけてぇー』と互いに言った後にも駆けだす。その後も下っている人には全く逢わない。時折到着する分岐点に書いてある所要時間を確認しては まだまだ時間が足りないと落胆し、エッサホイサ駆けていく。10kgの荷物をまとって6時間歩いた後に3時間くらい走るなんて地元の平野だったら死んでもやらないのに よくもまあ…必死ってすごいもんである。だって、もしバスに乗り遅れたら、真っ暗夜道を20km以上林道歩いて駐車場に向かうか、山荘に泊るか、一人で7500円支払ってタクシーを呼ぶか その3択しかないからである。どれもまっぴらゴメンだ。

そういやさっきから後ろの方から人が走ってくる音が聞こえる様になった。振り返って見てみれば100メートルくらい後ろを走ってくるオッチャンがいる。おお!これは絶対に同士だ。仲間がいるってものすごく心強い。では走りましょう。単純計算で5時間分の道のりを3時間以下にするって事なので速歩きで済むはずがない。たまに到着する道の指標に書いてある所要時間を確認して まだ足りない!と奮起して駆けていく。
そのうち、駆けている人がもう一人増えた。青服ガッチリ髭兄ちゃんだ。だが青服髭兄ちゃんは足がどうかなったらしく『お先にどうぞ』と脱落した。
自分も立ち止まって少し休むと膝がガクガクブルブル痙攣している。おお!膝が笑ってる。…笑ってるっていうか、大爆笑じゃん。こりゃ帰ったら1週間くらい休ませてやらんとマズそうだな。
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by moriyart | 2013-09-23 21:35 | 北岳