どこかに行きたい

moriyart.exblog.jp

その2(笠ヶ岳)

もうすぐ到着というところで石に書いてある言葉で励まされた。
e0284726_22165810.jpg

それを過ぎると笠ヶ岳のテン場に到着。13時。出発から8時間半。
e0284726_22171560.jpg

幕営しているテントはゼロ! 好きな場所選びたい放題だ。幕営可能数はそんなに多くないのだが、エリアが広い。
e0284726_22173361.jpg

ま・さ・か オレはここで今晩一人なのか?
いやいや、そんなことはないだろうね。
そう思いながらここから歩いて10分の『笠ヶ岳山荘』へ行ってテン泊の代金を納めた。
e0284726_22182889.jpg

テントを設営し、8時間半も歩いてヘトヘトなのでテントの中で横になった。そしてそのうち寝てしまった。

15時過ぎ、それでも今日中に一度山頂へ登っておこうと重い腰を上げた。
ときどき、オレのテントの横を登山者が通り過ぎて行くのだが、テン泊では無く、小屋泊まりらしい。

テン場から山荘までけっこう遠い。10分くらいかかる。当然トイレも10分ガマンしないといけない。

山荘脇にはタンクが。ここの飲み水は雨水である。おなかの弱いオレは煮沸が必要かな。
e0284726_22185053.jpg

超ガッスガスな山頂までの道を一人さみしくテクテク登っていく。周りには誰もいない。そらそうだなー。
e0284726_2219344.jpg

e0284726_22194729.jpg

e0284726_2220922.jpg

e0284726_22202589.jpg



15時40分、笠ヶ岳山頂へ寂しく到着。
e0284726_2222041.jpg

だーれも居まへん。ガッスガスで展望もゼロ。それでも証明写真だけは撮ろうと思うが、後続の人はいない。
雰囲気的にたぶん1時間待っても来なそうなので、岩の上にデジカメを置き、セルフタイマーで撮った。ゆえにポーズが不自然。
e0284726_22221078.jpg

e0284726_22221917.jpg

山頂のほこらでお参りをして山荘まで下山。山荘で笠ヶ岳の『山バッジ』とビールを買った。
e0284726_2223691.jpg

テン場まで戻った来た。もしかしたらテントだらけになってたらどうしよう…と思ったが、オレのテントのみポッツーンだった。
e0284726_22233034.jpg

もう16時半だし、おそらく今晩はオレのテント一張りのみになりそうだ。山荘まで徒歩10分かかるのでオレ以外の ひと気は無い。 だだっ広い稜線上のテン場に一人きり。

盛り上がってまいりました!


さみしがり屋さんや怖がり屋さんなら発狂モノかもしれない。怖くないのか?と聞かれれば怖いかもしれないが、それと同じくらいワクワクしてきた。よーし!この独りっきりの状況を楽しんでやる!


景気づけに一杯。
岩に腰掛けて山荘で買ってきたビールを呑み、ジャイアントコーンのつまみを食べる。
そして湯を沸かして二つに折ってきたパスタを二人前投入した。
e0284726_22254351.jpg

剱岳のテン場で近くの人が あの時食べていた『山盛りきのこパスタ』が目に焼き付いてどうしても離れず、絶対自分も食べようと決めていた。
職場の給食の無い日に試験的に作ってみたが、きのこソースがワリと大味で2人分だと飽きてしまった。
なので今回は『たらこソース』にしてみた。ガスの節約の為に麺は茹で時間3分のヤツ。

標高が2700メートルくらいで沸点が低そうなので1分多めに茹でた。皿に上げ、すばやくソースをからめてきざみ海苔をまぶす。環境を考えて湯を捨てずにそのまま中華スープの素を入れて別の食器によそう。

背中を丸めて 頬が膨れるくらいに口に押し込む。無言でうんうんうんうんとうなずいてモグモグする。心の中で(おいしーおいしーおいしー)と繰り返していた。
高地で涼しく、みるみる冷めていく。早食い人間なのだが、それでも最後は麺が冷たくなっていた。

麺を茹でてソースと絡めるだけで、よく考えなくてもインスタントラーメンと何ら変わらない。それでも『インスタントじゃない感』がしたので自己満足とした。 また食べよっと。
満足満足。片づけて歯を磨き、誰もいないテン場はさみしいので日没と共に寝ようと早めに明日の仕度をした。
日が沈み、あたりが暗くなったのを見てから寝袋に入った。



しばらく経った。坂のずっと上の山荘から女性の『うわぁ!キレイ!』の声で目が覚めた。ここから山荘までずいぶん離れているのだが、さすが女性の声はよく通る。
e0284726_22272114.jpg

外に出て空を見上げると満天の星空。いつの間にかガスが晴れたらしい。標高が高いから地元じゃ見えない等級の星まで見える様だ。天の川の色の濃いこと。こりゃ見事だ。
e0284726_22262394.jpg

でも寒い。
再びガスも出てきたのでテントの中に逃げ込んだ。



…目が冴えた。
近くでオバサンぽい高めな声で『あおっあおっ!』と聞こえた。まあ、鳥だろうけど人っぽく聞こえたのでちょっと気味が悪い。風も無く、無音になると耳鳴りがするくらい静寂なので逆に気になってしまう。
遮るものが全く無い2700メートルくらいの稜線上で ここにはオレ一人きり。熊にでも襲われりゃなすがままなんだろうなぁ。 ここの山ってなんか『出る』ってウワサあったっけかな? そうしているうちにランタンが電池切れを起こして突然消灯。ちょっとオカルティで一瞬鳥肌が立った。びっくりしたぁ。
いろいろ考えてたら眠れなくなった。

仕方がないのでラジオを取り出し、テキトーに選局して聞いていた。
最初は流す様に聞いていたのだが、そのうちパーソナリティが超毒舌なので聞き入ってしまう。誰なんだろうとしばらく聞いていたら『有吉』だった。
めちゃくちゃおもしろくて腹を抱えて笑ってしまった。最初はヒーヒー声を殺していたのだが、最後はゲラゲラ声を上げてしまった。夜10時、真っ暗なテン場に響く不気味な笑い声。もし山荘まで声が届いていたのなら真っ暗なテン場から笑い声が聞こえる超心霊現象と勘違いされたかもしれない。


…テン場のオカルト話って たまに聞くけど、謎を解明すれば こういう事かもしれない。




いつの間にか寝ていた(まだ続くのかよ)
耳からイヤホンが外れていた。チューニングがズレたのか、サーとノイズの音がする。あんまり覚えてないけど午前2時くらいだろうか。
寒い!
寝袋の中の足先が我慢できないくらい冷たい。足先を交互に腿に当てたりさすったりしてなんとか温めようとしたのだが、いかんせん寒い。Tシャツにタイツだったのだが ダウンとヤッケズボンを着て再び寝袋に潜った。
ふと、外はどんなんだろうと寝袋から出てフライシートのファスナーに手をかけたら シートに何か硬いツブツブが付いている。

氷だコレ、凍ってんじゃんYO!

結露がみんな凍っていた。どおりで寒いわけだわ。気温が寝袋の保温能力の限界値を超えてる。もう1グレード寒冷用じゃないとキビしいな。


外はどれくらいだろうと わざわざ寒い所へ出た。
e0284726_22274457.jpg

相変わらず満天の星空。今度は冬の星座になっていた。しばらくながめていたが、きりが無いので、
『よし、流れ星を見t…』(シャッ☆)
言い切る前に星が流れた。
『ほんじゃ、もう一個流れたら寝r…』(シュッ☆)
低地じゃ見えない弱い明るさのヤツも見えるのでけっこうひっきりなしに流れる。すごい数。
『キリないや。あと一個流れたら寝よう』


(待つこと3分)


さみぃ! 流れないけどもう寝る!
こんなもんである。
 
 
 
 
 
 
 
 
[PR]
by moriyart | 2015-09-18 22:38 | 笠ヶ岳