どこかに行きたい

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その3(鳳凰三山)

二日目。
4時前から外が騒がしい。ツアー客がひっきりなしに外トイレに出入りしているので扉の閉まるバタバタという音がうるさい。仕方ないがちょっと早いけど起きた。

テントの中はひどい散らかり様だ。
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朝飯は昨日のおでんの残り汁にうどんを入れて名古屋風うどんに。ウインナーと生卵を割り入れてボリュームを出した。
所詮おでん用の汁なので やっぱりうどんに合わない。ちょっと薄めだ。まあ朝だからコレでちょうどいいのかな。
最後は八丁味噌の汁を一気飲み。うー…ちょっとキツイわ。

4時。ツアーの団体が出発する。早ぇーな!日の出までずいぶん時間があるのに。早立ちして距離でも稼ぎたいのかな。
そう思うとなんか自分も急き立てられて急いで仕度を始めた。

さっきまであんなに混んでいたトイレもツアー客がいなくなれば待っている人もいない。余裕で入室。

…!
トイレットペーパーが残りわずかだ。ストックも無い。大量のツアー客が使い果たしてしまったようだ。日の出前で山荘も開いてないし女子トイレから持ってくるわけにもいかないし、自分のテントまで取りに帰るのはダルいし。
そんなことで寝ぼけているせいもあってそのまま続行。用を足した後、ここまで短くペーパーを切ったのは人生今まで無いくらいに 短く、それは短く切り取って使う。それを慎重にそれはそれは慎重に使った。ヘッデンの灯りを頼りに事故が起きぬように丁寧に丁寧に丁寧に作業した。凄まじい緊張。ペーパーが無くなるのが先か、大事故が起きるのが先か。
すべての意識が指先のみに集中する。この緊張、きっと大キレットを歩く以上なものに違いない。ペーパーの幅がまるでナイフリッジ。

…勝った。
ペーパーを使いきったと同時に綺麗に仕上げる事が出来た。大きなため息をひとつ。
扉の前に待っている人に これから訃報を伝えなければならない。『紙亡くなったよ』と。


早朝の激闘を終え、身支度を整える。ふと不安になったので山荘に向かった。入口から中をのぞけば、暗い食堂でヘッデンを頭に店主が食堂のテーブルを拭いていた。ノックして扉を開ける。それに気が付いた店主は口に指を立てて『しー』のポーズをした。
『テントを張ったまま山に登ってきてもいいか』の問いに『本当はアレだけど今日は空いてるからいいよ』と許可をもらった。のでさっそく準備。

サブザックに必要なものだけを詰めて身軽な体で出発。午前5時。当たり前だが真っ暗だ。
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30分ほど歩いて気が付いたのだが、指から血が出ていた。
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どこかに当てた記憶も無いし擦った感覚も無い。
あ…あれか、乾燥パックリかな。歳はとりたくないなぁ。

稜線に出た。今日は風が穏やかだ。ありがたい。富士山が見える。
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そして5時40分頃、朝日を浴びた。
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5時50分、薬師岳小屋に到着。このあたりは花崗岩で地面が白い。甲斐駒を思い出す。
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そして6時ちょうど、鳳凰三山のひとつ、『薬師岳』に到着。
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広い!開けてて見晴らしがいい。
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稜線の先に次の山、『観音岳』が見える。広くてなだらかで超快適な尾根が続く。こりゃサイコーだわ。
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尾根からは常に白峰三山が見えている。日本標高No.2の北岳だ。
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こう見るとけっこう険しいけど、2年前よく日帰りで登ったもんだ。『日帰りが困難なのを知らない』ってすげぇなぁ。あの時はホント無謀だったわ。
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by moriyart | 2015-10-08 23:22 | 鳳凰三山