どこかに行きたい

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大菩薩嶺

今まで登った山はだいたいは『○○山』または『☆☆岳』だった。例外として『霧ヶ峰』『美ヶ原』はあった。しかしこれらは高原。そして今回登る山は『大菩薩嶺』。
嶺?
どんな意味があるのかちょっとだけ調べてみた。嶺という字は山の領と書く。領の意味は『襟首』だったり『ひざまずく』だったりなので山頂より一段低い意味を持つのだという。なので嶺は山頂より低い部分、いわば肩の辺りだそうだ。

ふーんそうなんだ…としか言えないけど、嶺という字、なんかカッコイイ。そういや『高嶺の花』ってこの字だったよなたしか。『ダイボサツレイ』という響きもええな。オジサン気に入った!

駐車場と思わしき場所には深夜に到着した。冬山でも混むときがあると聞いたので あえて深夜到着にしたのだが、自分の車以外は停まっていない。仕方ないので仮眠をとる。
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だがしかし、あまりの寒さに目が覚める。目の前の電光掲示板の示す気温は氷点下3℃。
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7時に起きようかと思っていたが、寒くて眠れないので早めに起きて仕度を始める。

冬で無ければ、もっと登山口ギリギリまで車で行けるのだが、残念ながら冬季閉鎖だ。
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午前6時半、出発。
誰もいない道路を歩いていく。
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少し歩くと冬季閉鎖のゲートに到着。
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そしてすぐ脇に駐車場があった。あちゃー15分歩く位損しちゃった。ま、いいか。停めたとこもちゃんとした駐車場だったし、こっちの駐車場凍結してるし。
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メジャーなルートはこのゲートを越えて行くのだが、思うところあって丸川峠経由で向かう事にした。
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雪なのか、霜なのか…。うっすら白く積もった林道を登っていく。
自分、真冬の装備は持っていない。秋までの服装に1枚2枚足して着ている。それでダメならさらに着込めるように予備の上着を持ってきている。そしてとうとうダメなら早期撤退をしよう。絶対に無理しない、そう決めてきた。
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麓の気温は-3℃。天気予報じゃ山頂は-10℃くらいまで下がるとの事。稜線などに出て、強風でもふいていた場合、この服装でどこまで耐えられるかわからない。
いっそのことスキーウェアでも着てくれば最強なんだけど 動きづらそうだしアホみたいなのでやめた。

車が通れるくらいの幅の道はここまで。これより先は登山道になります。
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落ち葉が積もったよく見る登山道だ。
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木々の間から向かいの山が見える。山間から登った朝日に照らされている。
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両側がわりと切れ落ちた痩せ尾根もあった。
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山頂付近の木々が真っ白なんだけど、やっぱ異世界なのだろうか。
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そういや、寒くない。あれ?暑いんだけど。
寒い寒い、寒いはずだと思い込んでいたんだけど、我に返ってみれば思いっきり暑い。ウインドブレーカを脱ぎ、ネックウォーマーを剥ぎ、二重の手袋もインナーのみにしたのだが、まだ暑い。最終的にはニット帽も脱いで恥ずかしい頭を晒して歩いた。

気温が低いので吐く息が白くなりそうなのだが、乾燥しているのか白い息が出ない。

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霜なのか雪なのかわからないが新しく積もった後に初めて歩くのはオレだ。オレ以外の足跡は無い。

…と、言いたいところだが、オレよりかちょっと前に歩いていたと思われる足跡が出てきた。まあ、人間じゃないんだけどね。何の生き物なのかな~?
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鹿かな?
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そう思っていれば静寂な山に突然変わった音が響く。『ト』と『コ』の中間の様な音でコココココココと、高速で繰り返す。鳴き声?なんの?
何の音かわからないとハッキリ言って恐怖だ。ちょっとだけ戦慄が走る。
そしてカーブの先が見えない状態で、もんのすごい近くでこの声なのか音が聞こえた。

(うわ!やっべー、5メートル以内にいる)

心臓がバクバク高速に鼓動している。まずい事に極細の登山道で両側が切れ落ちている。何かが飛び出してきたらビックリして滑落しそうだし、助けてくれる人もいない。
気配を消して耳を澄まし、どこに何がいるのかそれがいったい何なのか知る為に五感すべてをフル動員した。(味覚はなにに使うんだよ…)

視界の上~~の方に何か動く気配。見上げると鳥が動いている。まさか、コイツ?
ハトよりちょっと小さめであんまり見たこと無い。動きがトリッキーだ。(鳥だけに)
もーしかしたらキツツキか?さっきの声の様な連続音ってつついてる音なのか?

気配を殺して上目でその鳥を見つめ、心の中で(つつけーつつけー)と念じていた。


コッ…ココッ…

ココココココココココココココ!


おまえかーーい!


思わず声を上げて、さらに手を振り上げてツッコミを入れた。
くだらん緊張して体力を30分ぶんくらい消耗しちゃったわ。キツツキの音として聞けば木をつついてる音に聞こえるが、それがわからないと本気で何の音かわからない。
動物番組でたまに聞く野生動物の警戒している鳴き声にも聞こえたからだ。
ま、言い訳なんだけどね。だれかに見られてたら笑われたんだろうなぁ。

8時20分、丸川荘に到着。
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木々についた霧氷が針の様でキレイだった。
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その先の上り坂で霧氷の向こうから太陽に照らされて幻想的な景色でうっとりした。
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丸川荘を越えたあたりから空気がキンと締まってきた。山の空気が本気を出してきたようだ。上り坂で体はちょっと暑いが耳が痛くなってきた。ニット帽を再び出して、耳を寂しい頭と共に隠した。
積もっている雪も厚みを増してきたが、靴のグリップがよく効いて滑る気配が無い。軽アイゼンを持ってきたが必要は無さそうだ。ありがたい。
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空気がメチャメチャ乾燥しているので喉が渇く。肩ベルトに付いているボトルホルダーからお茶のペットを外して飲んだ。

うわー凍ってるー!

お茶ペットの中身にシャーベット状の氷が混じっていた。スンゲェな、歩いているからチャプチャプしてるはずなんだけどそれでも凍るなんて。しかも保冷バッグ状なので外気の寒さから守ってくれてるハズなのに。

ペットボトルを指でペコペコ押すと内側の氷の膜がパラパラ剥がれてお茶の中に落ちて行く。そして一度ボトルを逆さまにして元に戻すとボトルの内側に付いたお茶がゆっくりと凍っていくのがわかる。

…ってか、どんだけ気温が低いんだよ

動いて体温が上がってるからわからないだけで、実はもんのすごい寒いんだろう。予報どおり氷点下10℃くらいなのか? でも陽も出て無風なので体感温度が思ったより高めだ。
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by moriyart | 2016-01-18 23:34 | 大菩薩嶺