どこかに行きたい

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その5(式根島)

『松が下 雅湯』に到着。
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地元の人らしき おっちゃんとおばちゃん3人入っていた。
オレは二つある大きな露天の誰も入ってない方に恐る恐る入ってみた。
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あったけぇ~

思わず声が出た。3月でもさすがに夕方は寒い。湯加減もちょうどいいのでうれしくてウキウキしてくる。こんなにワクワクウキウキしたのは久しぶりだ。なんかこう、うれしすぎてゾワゾワする。誰かわかってくれこの感覚。
『そっちゃぁ熱くないかえ』
地元のおっちゃんが聞いてきた。観光客にも警戒せずに話しかけてくれる。風呂みたいにあったかい雰囲気にさらに気分が良くなった。
しばらく入っていたんだけど、沈みゆく太陽に夕飯が食べれなくなりそうな不安を覚え、温泉から上がった。
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…残念ながら温水シャワーというものが無い。ここの温泉は『硫化鉄泉』で錆水の様な色をしている。白いタオルや水着は茶色く染まってしまう。だからどうしてもシャワーを浴びたい。意を決してハンドルを回して冷水を被る。
『おっふぁっ』
ヘンな声が出た。あたり前だが水が冷たい。呼吸困難になりそうだった。それでもなりきに浴びるのもアレなので頭をゴシゴシやったり水着のゴムを広げて股間を冷水アタックしたりした。
なんだか 温まったのか冷めたのかどっちだかわかんないや。
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キャンプ場に三たび帰ってきた。もう17時20分。やべーやべー、御日様もうちょっと待ってくれぃ。
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すぐに炊飯開始。風が無いからアルコールストーブで挑戦してみた。アルコールストーブって火加減が調節できないからうまく炊けるかわからんけど。何事も挑戦。
コッヘルが沸騰するまでバーベキューする方の準備をした。持参してきたウイスキーを飲みながら。(またかよ)

『みかん余ってるんですが、食べます?』

そう声がかかったので顔を上げると、みかんを差し出している兄ちゃんの姿があった。隣のテントの3人が帰ってきていた。なるほど、テント二つで人は3人か。
あ、この兄ちゃん、キャンプ場へ向かって歩いてる時に島の真ん中ですれ違って挨拶くれた人だ。すぐにわかった。

軽く話した。声をかけてきた兄ちゃんはここへ何日か連泊していたそう。島をいくつか渡り歩いて途中で知り合った若者二人組と途中から一緒に行動しているのだとか。
いつも夕食後に温泉に入りに行くので、よかったら一緒に行きましょうと誘ってくれた。
ちょうどその時コッヘルからごはんの汁が噴出し始めて、火力を落とせないので持ち上げたり忙しい時だったので、対応が意識半分で申し訳なかった。

ごはんが蒸らしに入った段階でオレの今宵の宴が始まった。
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手のひらほどしかない極小グリルを持ってきたので小さなバーベキューをした。
写真はフランクフルトではなくソーセージ。いかに小さいかわかる。
高さも地上20センチも無いのでウ〇コ座りで割りばしでチマチマつついて焼く。
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アルコールストーブで火力調整ができない中、奇跡的にごはんが上手に焚けた。テキトーにやってもうまくいくもんなんだな。ありがてぇ。
去年の大島はカレー。今年はBBQ。もし今度があるならば何にしよう。
…揚げ物? 無理だわ。
焼いて食べている本人は幸せそうだが、傍から見るとしゃがんで背中を丸めながら地上ギリギリで焼ける肉をいじくってるさみしいオッサンにしか見えないだろう。
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そのうち真っ暗になった。
下から炭の炎に照らされた肉は、生の場所がピンクに透けるので食べごろがひと目でわかる。不思議な光景だった。

隣のソロのおっちゃんは、たぶんサッと食べれる何かで済ませて早々にテントの中に入ってしまった。
三人組の若者はいまだに中央のかまどで盛大にバーベキューをしている。燃料を現地調達しているらしく、枯れ枝を集めて燃やしている。
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片付けと洗い物をして、やることが無くなったんだけど、まだ腹と酔いに余裕があったのでもう少しだけ酒を飲んでいた。コップを持ってくるのを忘れたので代わりにシェラカップで呑んだんだけど、かえってキャンプらしい雰囲気が出て良かった。
キャンプ場と海がものすごい近いので時々海まで行って十五夜一歩手前の明るい月夜の海の景色をながめていた。大きな岩礁の上に生えている松の葉に、月の光が反射して光っている。明日の夜は十五夜だ。

戻ってきてかまどの方を見たら、若者三人組がまだ盛り上がっていた。さすが若者だなぁと感心しながらテントに入った。

寝袋に入ってスマホをポチポチいじっていたら、テントの外から呼びかけるような声が聞こえる。何回か聞こえるうちに、”これってオレに言ってるのか!”と理解し、飛び起きて返事をした。温泉に行く誘いだった。

若者三人と一緒に温泉に向かう。 あれ?もう一人のソロのおっちゃんは?と思ったけどなんとなく聞かなかった。

脱衣所はあれどとても小さい。二人が限界だ。なのでオレは外で盛大に素っ裸になって水着に着替えた。真っ暗だし、いいや。

温泉に浸かりながらいろいろと話をした。声をかけてくれた兄ちゃんは28歳。二人組の若者は大学生なんだとか。神津島で知り合って仲良くなってから兄ちゃんの式根島推しでみんなで移動してきたんだそう。
今までオレ以外もここに来て、そして帰って行ったらしい。何回かメンバーが入れ替わったりしてたのだそうだ。
みんな若いんだけど、しっかりしている。オレみたいにオドオドしてなくて、なんていうかみなぎる自信みたいな何かを感じた。それが若さなのか。なんか羨ましかった。

この三人の話題の中にちょこちょこ出てくる人物があった。ここ式根島の地元のおいちゃんらしいが、どうやら強烈な個性を持ってるっぽい。話を聞きながらどんな人か想像していた。

ゆっくり温まったあと、例の冷水シャワーを浴びて出た。相変わらず呼吸困難になりそうな冷たさだ。若者たちはもう慣れていて普通に浴びていた。

キャンプ場へ向かう道で明日の事をちょっと話した。
明日は式根島の『村民文化祭』があるのでそこに行くらしい。自分も島を廻って、時間があったら行くよと言った。各々自分のテントに入って寝袋に入った。

波の音が心地よくて一瞬で寝てしまった。






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by moriyart | 2017-03-18 17:55 | 式根島