どこかに行きたい

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その3(戸隠山・高妻山)

暑い…
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蒸し暑くて堪える。不快指数が高くて汗が止まらない。持ってきたポカリはとっくに飲み干してしまったので、二本目のペットボトルのお茶を飲んでいる。
汗と一緒に塩やミネラルが身体から出て行ってしまう。お茶ではそれらを補給できないので行動食のクラッカーを食べた。
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避難小屋の中で少しだけ休憩させてもらった。濡れてなくて土っぽいところでないので久しぶりにドッカリと腰を下ろして休めたような気がする。


足元を見ると何か動いている。
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カエルがいた。
たぶんヒキガエルの一種だろうと思うけど、けっこう大きい。そういやヒキガエルって地元であんまり見ないなあ。トノサマやアマガエルばかりかも。



実は足の裏が少し痛くなっている。濡れた笹の道を歩いているうちにズボンが濡れ、靴下も濡れ、靴の中まで浸透して暑さで蒸れてふやけてやわらくなって靴擦れが起きたらしい。
この先まだ数時間の行程があるので少し心配だ。おまけにポツポツと雨が降り出した。
あたりは濃いガスに覆われ始めている。予報より少し降るのが早い。さすが山の天気はわからん。この時期の午後の天気って雷雨になったりする。悲しいかな予報では今日は雷が発生する恐れがあると聞いている。

とたんに不安になってきた。
足裏痛いし、雨降ってきたし、雷鳴ったら隠れる場所無いし、飲料水のストックが大幅に少ないし。

『撤退』

さっきからずっと頭の中をこの文字が浮かんでいる。
なんかヤバいかも…これ以上状況が悪くなる前に引き返した方がいいかもしれない。
でもここまで来たからもったいないし…。

~というのがグルグル頭の中で回っていた。

そんな事を思っていたら右足のふくらはぎが張るというか、痙攣するというか経験したこと無いヘンな違和感が出てきた。
これってもしかして…
汗はもうずっとだらだら出続けてるが、補給しているのは真水なので体の中の塩分やミネラルが薄まってしまってこうなってしまうって 何かで読んだことがある。
まあ素人だからわからないけど。

持ってきた行動食は甘いものばかりで、塩っぽいものはラーメンとカリカリ梅のにぎりしかない。雨の中ラーメンは作れないので山頂で食べる予定だったにぎりを出して歩きながら食べた。
立ち止まっている時間すら惜しかった。←余裕無さすぎ
少し気分が悪いので軽くえづきながら無理やり食べた。←もう帰れよ

にぎりを飲み込んでしばらく歩いていると、梅干しの塩やクエン酸が効いたのか、はたまたただのプラシーボ効果なのかはわからないけど、ふくらはぎの違和感が消えた。←気のせいだったんだよ
(遠雷が聞こえたら即引き返そう)
そう決めてパラパラ雨が降る中を歩いて行った。このころからやっと一人二人と他の人に逢う様になった。
他の人達は高妻山のみを目指して登ってきたので、すでに山頂を踏んで降りてくる人ばかりだ。戸隠山経由で来た人はどうやらオレだけの様。朝、駐車場に止まっていたもう二台の人達はきっと戸隠山で引き返したんだろう。

なだらかだった登山道も遠くから見た高妻山の形からの予想を裏切らなく、山頂に近づくほど急傾斜になってバテバテの体にさらに鞭を打つ。

そしてやっと、岩だらけだが平らっぽい場所まで出た。
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何かが祭ってあるし、ここは山頂に違いない。
と、さっきオレを追い抜いて行ったトレランの兄ちゃんが前から来た。
『疲れたぁ~!こんなに登るのが大変だったのは久しぶりですよ~!』
そう兄ちゃんに語ったら、
『山頂はもうちょっと先ですよ』と。

ええええええ!
身体はもう『到着モード』になっていたのでドッと疲れが押し寄せて両膝に手をついて馬跳びのかっこうでゼーゼー息をした。
それでもあと少しらしいので大きな岩のガレ場を慎重に歩いて行く。

ちょっと先の小高い所に木の柱の様のモノが見えた。
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12時10分、高妻山に到着。
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6時間かかった。ホンットに辛かった。不安で不安でしょうがなかった。
雨は上がったがガスガスで展望は皆無。人もいないので やっぱり岩の上にカメラを置いてセルフで撮った。
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山の形からしてきっと360度の大展望だと思うんだけど、ガッスガスのモックモク。ちょっと残念な山頂になりました。
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今は雨は止んでいるけど、すぐ降るかもしれないし、雷なんて鳴ろうものなら隠れる場所も無いので名残惜しいが、すぐ下山を開始した。もうちょっと休みたかったなー。


下りはずっと足裏の靴擦れをかばいながら歩いて行った。まっすぐ下ると痛い時はカニ歩きで。
道のりもだらだらと長いので、悪化するわ飽きたやらで下山をまだかまだかと心待ちにするようになった。
ついにしとしと雨が降り出した。木々の葉や笹に当たる雨が『サーッ』と音を立てる。
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どうせ汗でずぶ濡れだし、そのまま濡れながら下りて行った。
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やっと里まで下りてきたら、道を川が横切っている。
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他に道は無いので飛び越えるか、足を浸けて渡るしかない。そういやトレランの兄ちゃんが往路で『川に入ったから かえって靴が奇麗になりました(笑)』って言ってたのはここだったのか。
では飛び越えてみますかね。川を飛び越えるというと、過去の甲武信ヶ岳での惨劇を思い出す。
あの”仰向けにひっくり返って岩に尻を強打”という悪夢が再び訪れるのかと心配したが、アッサリ飛び越えることができた。

牧場へ出た。
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もう一安心だ。だけど足裏が痛くてたまらん。それでももう人里に下りてきてるので何かあっても遭難することは無い。そんな安心感があった。

牧場内を歩いていると道の先にショベルカーがいて何やら道に何かをしているようだ。
近づくうちにわかってきた。道を川が横切っていて橋の様なものが無くなっている。配管なども押しつぶされていてそれもどけている。
ショベルカーの兄ちゃんがこっちを見たので、頭の上に両手でバッテンを作って”通ってはダメなのか?”と、アイコンタクトで聞く。

ショベルカーから兄ちゃんが降りてきた。話を聞くと昨日の夜に豪雨が降り、鉄砲水が起きて道が破壊されたようだ。
『ここは渡れないの?』と聞くと、『ここの狭くなっている所なら行けると思います』と。
見ると幅は2メートルくらいある。
気持ち的にショベルカーに乗せてくれるか、バケットに乗っけて対岸まで運んでくれたらうれしいなと甘すぎる期待をしたが、どうやら最後の最後に頑張らないといけないようだ。

ゴーゴーと勢いよく流れる川の幅はとても飛び越えられる幅ではない。もう下山したし、靴の中は濡れてるし、恐れるものも無いので 踏切りの右足も着地の左足も水中になる様に飛び越えた。
それでも思ったより濡れの被害は無かった。

牧場の中には馬がいた。
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オートキャンプ場も盛況していた。

売店で戸隠山と高妻山の山バッジを買った。
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キャンプ場から駐車場までバスに乗って行こうと思ったが、一時間に一本らしく、今からだと30分以上待つので歩いて行った。所要時間だいたい20分。
途中、足裏のあまりの痛みにバスに乗らなかったのを死ぬほど後悔した。

そして16時過ぎ、なんとか駐車場へ帰ってきた。
11時間ってちょっと無茶し過ぎた。疲れた…ホント疲れたよ…。
風呂に入りたい…。









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by moriyart | 2017-07-29 11:38 | 戸隠山・高妻山