どこかに行きたい

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妙義山

人間とは一つの刺激に慣れてしまうと次なる刺激を探していき、どんどんエスカレートしていったりもすることがある。

以前、『戸隠山』に登って鎖場とナイフリッジからなるその山に、『もう怖いからこういう山は登らない』と誓ったのだが、”喉元過ぎれば熱さ忘れる”なのか、似たような山を探したりもした。
そして見つけたのが この『妙義山』なのであった。
この山を登るのを10月に照準を合わせていたが、度重なる台風で延期になっていく。各山域での初雪の便りを聞くたびに、もう今年は登れないかもしれないと焦ったりもした。

スケジュールの調整をかけてなんとか11月の連休初日に行けそうになり準備をする。
そんな中、実家の親から電話があって、出てみると、

『山に行くのか!行くなよ、行くなよ、やめろよ!

いつもに増して強めの『行くなよコール』をいただきました。いきなりなんだよ急に…今回ばかりそんなに言われるとちょっと心配になってきたわ。
山へ出発の見送りの時も、いつもより激しく息子くんが泣いた。もうわんわんと…。

みんなどうしたんだよー、なんかコワイじゃんよー

でもまあ、その泣き顔を目に焼き付けて、安全運転、安全山行で行ってきますわ。

向かう先は群馬県。長野県から抜けていくからそんなにはかからないけど、遠いっちゃ遠い。眠たいわけじゃないけど、ぼーっとしながら運転していれば、LINE電話で珍しい人から着信。友達のかーしゅなだった。
オレが山に向かう途中にナゼかいつも かーしゅながLINEで騒ぎだす。オレからなんか変な電波が出てるのだろうか。
話を聞いてると今、500mlのビールを6缶飲んで上機嫌だ。ってか3リットルも呑んだのかよ…。もうオマエがビールの容器そのものじゃんか…。

それから一時間、通話しながら運転して群馬まで向かう。もちろんハンズフリーですよ、ハイ。
『ところでなんで群馬へ向かってん…え?山なんて登ってんの?知らんかったわ』
はい、公言してないから知らないとは思うけど、もう5年経ちますんですのですです…。
退屈な移動時間もバカ話で眠くならずに済んで、ある意味ありがたかった。


深夜に『道の駅みょうぎ』に到着。
きっと寒くなるハズなので、厚着をしてから座席に丸くなって寝た。


5時のアラームで目覚め、支度をして6時前に車を出た。
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目の前には『白雲山』。妙義山の山々の一つだ。
実は妙義山とは、富岡市、安中市、下仁田市の3市にまたがる白雲山、金洞山、金鶏山などを合わせた総称のことであり、厳密に言うと『妙義山』と名指しされる山は存在しない。
とりあえず今からはこの白雲山を目指して登る。

妙義神社の鳥居の前に来た。
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鳥居の前で出発前の最終準備のザックのベルトを締めたりしていたら、すぐ横の土産屋の電気が灯り、カーテンがシャッと開く。
おかあさんが顔をのぞかせて、オレの顔を見て何かを言った後、店の奥に入っていった。少しすると手に紙を持って出てきた。
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妙義山全体のパンフレット兼地図だった。
通行止め区間を教えてくれたり、登山道の状態を教えてくれた。とても丁寧で優しい話し方をするおかあさんだった。客でもない通りすがりの不審人物モドキに あたたかい声をかけてくれるなんてうれしかった。礼を言って地図をもらった。

鳥居の向こうに見える参道。
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上り坂で商店が連なっている。今は早朝なのでどこもやっていないが、帰ってくる頃にはにぎやかになっていそうだ。

神社の中を進む。
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わりと大きくて広い。神社だけを散策するのでも、充分に観光になりそうだ。
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昔ながらの階段をそのままにしているそうで、ゆがみや傾斜もあえてそのままにしているのだとか。

神社横の登山口に来た。
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気を付けていきます。

しばらくは里山の様な土の山。
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土の感触がやわらかい。

木々の間から太陽が顔を出した。
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寒いかと思って上着を着てきたが、暑くなってきたので脱いでしばらく歩いていたけど、それでもまだ暑いので長袖のシャツから半袖にチェンジした。季節柄半袖なんていらないと思ったけど、わざわざ持ってきてよかったよ。

いちばん最初の鎖場出現。
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傾斜は緩いが、結構長い。わりと滑るので鎖に頼って登っていく。

しばらく登ると尾根っぽい所に出た。
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左右に分かれていて、左へ行くと『大の字』らしい。

なにやら岩と鎖が見えてきた。
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なかなかの高さだ。
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でっぱりが少なくて手足をかけるところが乏しいのでやっぱり鎖に頼る。

大岩を登りきると、岩の上に『大の字』があった。
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山のふもとから見た大の字は小さくみえるが、実際はかなり大きかった。

岩の上から真正面に見える街は、富岡市?下仁田町?どっちだろう。
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富岡製糸場見えるかな、下仁田ネギ食べたいな。

後続のパーティが登ってきて狭い岩の上がにぎやかになった。
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もうひとパーティがこっちに向かってくるのが見えたので岩を下り、先へ進んだ。

7時、『奥の院』に到着。
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この洞窟の奥に石仏が祭られてあって、修行者がここで山籠もりしたとか。中に少しだけ入って覗いてみた。薄暗くて苔むしていた。噂によるとここはパワースポットらしい。

その奥の院の真横には30メートルほどの垂直な鎖場がある。
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オレが奥の院の洞窟に入っているうちに後続のカップルが登り始めていたので、登る様子を見上げてながめていた。
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ハーネス付けてる。
ハーネス必須の山なのかと一瞬焦ったが、事前調査では付けてない人も多かったのでたぶん大丈夫でしょう。…たぶん。

ほぼ垂直な30メートルの壁を登ると途中から水平に移動する。絶壁の途中で真横に移動って…なんか想像を絶してて凄い。
2013年にはここで43歳の男性が転落して亡くなっている。こりゃ確かに死ぬわ。
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絶壁の鎖場を登る時、つい壁に対して体を垂直ぎみに登りたくなる。
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こうすると腕の力で体を引っ張り上げることになるので、長い鎖場でかなりの数がある妙義山では腕が疲れきってしまうだろう。さらに最後に鎖場の大ボス『鷹戻し』があるので、大ボスの時に疲れ切ってしまった状態では力尽きて倒されてしまうのは必至だ。

誰かの山行記事で読んだ『できるかぎり足で登る』のを実践してみた。
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体重を足で支える。こうすると確かに腕は楽なんだけど、壁面に足を掛ける場所が無い場合、足首をおもいっきり曲げることになる。足首をガッチリ固定されたトレッキングシューズでは思うような足運びができず、なおかつ靴の中で踵や足の甲が当たってすごく痛い。でもしかたないのでガンバル。

ここは地下足袋が最適なのかもしれないね。






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by moriyart | 2017-11-11 10:37 | 妙義山