2018年 06月 05日
その2(荒船山)
6時過ぎ『艫岩展望台』へ到着。
艫岩展望台の場所は、あの絶壁群のこの辺りと聞いた。
誰もいない。仕方ないので台の上にカメラを置いてセルフで撮った。
オレの肩の向こうに見える山は『浅間山』。
いつか絶対行きたいんだけど、今も活発に活動する火山で、たしか入山規制されてるんだよね。残念。
崖までギリギリな場所まで近づいていく。
一歩、もう一歩…もうちょい行けそう、半歩。こえぇ。
『クレヨンしんちゃん』作者、臼井さんはここから墜落したんだとか。うん、300%命が無いね。
他には腹這いで縁まで行って撮影しようとして墜落した御老人や、母子の謎の墜落など、何件か事故が起きている。
裾野が無いから下の地面までの高度感が凄い。まるで空を飛んでいるかの様。崖下を漂う空気が左から右へ流れている様な感じがわかる。
澄んだ朝の空気がキンとしている。
空気が山を乗り越える時に雲ができている。そこまで湿って無いので滝雲になりきれない。
眼下を走る国道245号線に、ゴマ粒の様な車が血液の様に流れている。
さて、ここはまだ目的地じゃない。山頂を目指しますかね。
艫岩から先の道は真っ平ら。
テーブルマウンテンで上が平たいから起伏がほとんど無い。高原の様で超キモチいい。
時々もやが出る。まあ標高的には雲と言った方がいいのかな。
木々の間から漏れる陽光が、白く霞んだ空気に幾筋もの光線を作って幻想的だ。
あまりの気持ちよさにナゼか足取り軽くスピードが上がる。普通なら逆にゆっくり歩きそうだが、なんかわからないけどうれしくて早歩き。
ルンルン気分で歩いていれば、ちょっと遠くで ガサッ と何かの気配。
登山道からずいぶん離れた場所での草むらの音は熊を連想して一気に戦慄が走る。
息を殺し、気配を消して目をやると、鹿がこっちを見ていた。かなり大きい。
なーんだ鹿か。と安心してカメラを構えると、そのしぐさに驚き、逃げていく。
ぴょーんぴょーんとクマザサの中を跳ねていく。クマザサの下がどんな地形になっているのかわからないから、鹿だって足をグラしそうなのに…。そもそも鹿という生き物は、足をグラすことが無いのかな。だとしたら羨ましいかぎりだ。
クリンソウの群生地があった。
これがクリンソウなのかわからないけど、たくさん咲いていた。
群生地は、特にロープで囲んであるわけでも無いのでギリギリまで近づけるどころではなく、群生地のど真ん中まで入れそうだ。
なんだか踏み荒らしてしまいそうでかわいそうなので、近づかずに遠巻きに眺めてヨシとした。
うほー!気持ちいいー♡
早い時間の入山だったので、ほとんど他の人に逢わない。さっき一人抜かれたくらいなもんだ。この気持ちよさを誰かと共有したいってのもあるけど、独り占めってのもアリなのか。
平らな道って疲れなくていいね。山ばっか登っててなんだか忘れてたよ。じゃ、木道の整備された景勝地も考えてみようかな。んー尾瀬とか?
…と、思ったら、突然の上り坂。しかもちょっと急。
え?え?なんだこの楽しい雰囲気ぶち壊しの急坂は。
まあ、最高地へ向かってんだから、テーブル大地のどこかは高くなってるのは当然である。
6時45分、荒船山の最高地点『経塚山』へ到着。1423m
ここが荒船山の船首部分なんだそう。あー確かに船首ってクイッて上にとんがってるもんね。
いや…空母ならそうなってちゃダメじゃん。それだと飛行機ドカーンじゃん。平らじゃなきゃダメじゃん。
くだらんことをいちいち考えて突っ込んでいた。
祠があったので賽銭を入れ、手を合わせて入山のお礼を言った。
そしてやっぱり誰もいないのでセルフで写真を撮った。
カメラを置く高い場所が無いのでローアングルになってしまった。
山頂はちょっとせまいかな。大人数で来てあまり ごせっぽく滞在できなさそう。木々が茂っているから展望も良くないしね。
では、来た道を戻りますか。
艫岩展望台まで戻ってきた。
父娘が休んでいた。女の子がいろいろな山のポーズをして、父が写真を撮っている。
何歳くらい?けっこうちっちゃいかも。あどけない表情と、カワイイ山のポーズを見ていたら自然とオレの表情も緩んでしまった。
オレ的にはニッコリだったつもりだけど、傍から見たオレの顔は、たぶんかなり気持ち悪かったに違いない。事案発生だ事案。(失礼な!)
下山路を軽快に下っていく。
途中、幾組かの人達とすれ違う。この人達が艫岩に到着するのは10時くらいとかかな。やっぱそうだなぁ、これくらいのタイミングで登り始める山なんだろうね、きっと。
ややご高齢な夫婦とすれ違った時に、少し話をした。その話の中ででご婦人がオレに聞いてきた。
『なんだか少しボーッとしてる様ですが、景色は見られたのでしょうか?』
うるせぇええ!ボーっとした顔は生まれつきだわ!
と、心の中で絶叫したあと ハッと気が付き、答えた。
『少し霞んでますが、浅間山はしっかり見えますよ(ニッコリ)』
あぶねぇ、”ボーっとしてる”とは”霞んでる”って意味で聞いたんだね。
よく考えれば、いや…よく考えなくてもそういう意味でご婦人が言ったのは当然なんだけどさ。気持ちに余裕が無いていうのか、空気が薄かったせいなのか、それとも…
いやオレが馬鹿なんだね。
8時30分、下山完了。
車が増えていて、今到着した車もある。これからまだ増えるのかな。
車に乗り、移動して『神津牧場』まで来た。
駐車場の近くの囲まれた場所にヤギがいた。
200メートルほど歩いて売店まで来た。
そこで山バッジとソフトクリームを買った。
このバッジのデザインは荒船山のモノなのか神津牧場のモノなのかわからん。ってか、牧場要素多めだなぁ。
開店直後でほとんどお客さんがいないので、一人さみしくベンチに座ってソフトクリームを食べていた。ボーっと眺めていると従業員のかたが、忙しそうに掃除や準備をしている。
ソフトクリームをたいらげ、牧場を後にした。
来た道を戻れば無駄な距離を移動することは無いんだけど、荒船山の艫岩をもう一度見たかったので、わざわざ国道まで下りてきた。
荒船山が見えるポイントに車を停め、見上げる。
でっけぇ…。
写真だとどうしても大したことない写り方をするんだけど、実際目の当たりにするとその岩壁のデカさに圧倒される。
蒼く霞んでいる。
艫岩は北側に面しているので日陰になるのだが、その日陰が蒼い。青い日陰ができるなんてバカでかい証拠だ。
口を半開きにしながら見上げ、『はえー…』と声を出した。やっぱこの山すごいわ。
視線を横にやると、去年登った妙義山が見えた。
遠く離れているのにドデカく、荒々しい山容が霞んで見える。
去年、あんな所に登ったんだ。すげぇっちゃぁすげぇなぁ…。
車に乗り込み、次なる山へ出発した。
.
艫岩展望台の場所は、あの絶壁群のこの辺りと聞いた。
誰もいない。仕方ないので台の上にカメラを置いてセルフで撮った。
オレの肩の向こうに見える山は『浅間山』。
いつか絶対行きたいんだけど、今も活発に活動する火山で、たしか入山規制されてるんだよね。残念。
崖までギリギリな場所まで近づいていく。
一歩、もう一歩…もうちょい行けそう、半歩。こえぇ。
『クレヨンしんちゃん』作者、臼井さんはここから墜落したんだとか。うん、300%命が無いね。
他には腹這いで縁まで行って撮影しようとして墜落した御老人や、母子の謎の墜落など、何件か事故が起きている。
裾野が無いから下の地面までの高度感が凄い。まるで空を飛んでいるかの様。崖下を漂う空気が左から右へ流れている様な感じがわかる。
澄んだ朝の空気がキンとしている。
空気が山を乗り越える時に雲ができている。そこまで湿って無いので滝雲になりきれない。
眼下を走る国道245号線に、ゴマ粒の様な車が血液の様に流れている。
さて、ここはまだ目的地じゃない。山頂を目指しますかね。
艫岩から先の道は真っ平ら。
テーブルマウンテンで上が平たいから起伏がほとんど無い。高原の様で超キモチいい。
時々もやが出る。まあ標高的には雲と言った方がいいのかな。
木々の間から漏れる陽光が、白く霞んだ空気に幾筋もの光線を作って幻想的だ。
あまりの気持ちよさにナゼか足取り軽くスピードが上がる。普通なら逆にゆっくり歩きそうだが、なんかわからないけどうれしくて早歩き。
ルンルン気分で歩いていれば、ちょっと遠くで ガサッ と何かの気配。
登山道からずいぶん離れた場所での草むらの音は熊を連想して一気に戦慄が走る。
息を殺し、気配を消して目をやると、鹿がこっちを見ていた。かなり大きい。
なーんだ鹿か。と安心してカメラを構えると、そのしぐさに驚き、逃げていく。
ぴょーんぴょーんとクマザサの中を跳ねていく。クマザサの下がどんな地形になっているのかわからないから、鹿だって足をグラしそうなのに…。そもそも鹿という生き物は、足をグラすことが無いのかな。だとしたら羨ましいかぎりだ。
クリンソウの群生地があった。
これがクリンソウなのかわからないけど、たくさん咲いていた。
群生地は、特にロープで囲んであるわけでも無いのでギリギリまで近づけるどころではなく、群生地のど真ん中まで入れそうだ。
なんだか踏み荒らしてしまいそうでかわいそうなので、近づかずに遠巻きに眺めてヨシとした。
うほー!気持ちいいー♡
早い時間の入山だったので、ほとんど他の人に逢わない。さっき一人抜かれたくらいなもんだ。この気持ちよさを誰かと共有したいってのもあるけど、独り占めってのもアリなのか。
平らな道って疲れなくていいね。山ばっか登っててなんだか忘れてたよ。じゃ、木道の整備された景勝地も考えてみようかな。んー尾瀬とか?
…と、思ったら、突然の上り坂。しかもちょっと急。
え?え?なんだこの楽しい雰囲気ぶち壊しの急坂は。
まあ、最高地へ向かってんだから、テーブル大地のどこかは高くなってるのは当然である。
6時45分、荒船山の最高地点『経塚山』へ到着。1423m
ここが荒船山の船首部分なんだそう。あー確かに船首ってクイッて上にとんがってるもんね。
いや…空母ならそうなってちゃダメじゃん。それだと飛行機ドカーンじゃん。平らじゃなきゃダメじゃん。
くだらんことをいちいち考えて突っ込んでいた。
祠があったので賽銭を入れ、手を合わせて入山のお礼を言った。
そしてやっぱり誰もいないのでセルフで写真を撮った。
カメラを置く高い場所が無いのでローアングルになってしまった。
山頂はちょっとせまいかな。大人数で来てあまり ごせっぽく滞在できなさそう。木々が茂っているから展望も良くないしね。
では、来た道を戻りますか。
艫岩展望台まで戻ってきた。
父娘が休んでいた。女の子がいろいろな山のポーズをして、父が写真を撮っている。
何歳くらい?けっこうちっちゃいかも。あどけない表情と、カワイイ山のポーズを見ていたら自然とオレの表情も緩んでしまった。
オレ的にはニッコリだったつもりだけど、傍から見たオレの顔は、たぶんかなり気持ち悪かったに違いない。事案発生だ事案。(失礼な!)
下山路を軽快に下っていく。
途中、幾組かの人達とすれ違う。この人達が艫岩に到着するのは10時くらいとかかな。やっぱそうだなぁ、これくらいのタイミングで登り始める山なんだろうね、きっと。
ややご高齢な夫婦とすれ違った時に、少し話をした。その話の中ででご婦人がオレに聞いてきた。
『なんだか少しボーッとしてる様ですが、景色は見られたのでしょうか?』
うるせぇええ!ボーっとした顔は生まれつきだわ!
と、心の中で絶叫したあと ハッと気が付き、答えた。
『少し霞んでますが、浅間山はしっかり見えますよ(ニッコリ)』
あぶねぇ、”ボーっとしてる”とは”霞んでる”って意味で聞いたんだね。
よく考えれば、いや…よく考えなくてもそういう意味でご婦人が言ったのは当然なんだけどさ。気持ちに余裕が無いていうのか、空気が薄かったせいなのか、それとも…
いやオレが馬鹿なんだね。
8時30分、下山完了。
車が増えていて、今到着した車もある。これからまだ増えるのかな。
車に乗り、移動して『神津牧場』まで来た。
駐車場の近くの囲まれた場所にヤギがいた。
200メートルほど歩いて売店まで来た。
そこで山バッジとソフトクリームを買った。
このバッジのデザインは荒船山のモノなのか神津牧場のモノなのかわからん。ってか、牧場要素多めだなぁ。
開店直後でほとんどお客さんがいないので、一人さみしくベンチに座ってソフトクリームを食べていた。ボーっと眺めていると従業員のかたが、忙しそうに掃除や準備をしている。
ソフトクリームをたいらげ、牧場を後にした。
来た道を戻れば無駄な距離を移動することは無いんだけど、荒船山の艫岩をもう一度見たかったので、わざわざ国道まで下りてきた。
荒船山が見えるポイントに車を停め、見上げる。
でっけぇ…。
写真だとどうしても大したことない写り方をするんだけど、実際目の当たりにするとその岩壁のデカさに圧倒される。
蒼く霞んでいる。
艫岩は北側に面しているので日陰になるのだが、その日陰が蒼い。青い日陰ができるなんてバカでかい証拠だ。
口を半開きにしながら見上げ、『はえー…』と声を出した。やっぱこの山すごいわ。
視線を横にやると、去年登った妙義山が見えた。
遠く離れているのにドデカく、荒々しい山容が霞んで見える。
去年、あんな所に登ったんだ。すげぇっちゃぁすげぇなぁ…。
車に乗り込み、次なる山へ出発した。
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by moriyart
| 2018-06-05 18:23
| 荒船山