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どこかに行きたい

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カテゴリ:燕岳( 6 )

その6(燕岳)

記 録

活動時間:7時間56分
活動距離:10.86km
高低差:1,313m
累積標高上り/下り
1,454m / 1,433m
カロリー:2459kcal
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感 想

やはり北アルプスは別格だった。(前にもおんなじこと書いたな)
その山の姿もすばらしいが、山頂から見える景色もスバラシ過ぎる。
山頂で誰かと軽く話すと必ず『すばらしい』『来て良かった』の言葉が出てくる。ホントにそのとおりだ。静岡から麓までの道のりのダルさと、麓から山頂までの苦しさを一瞬で帳消しにしてくれる力が、この景色にはある。自力で歩いてきたからこそ感動もひとしおなんだろう。

この山の『合戦尾根』は北アルプスの『三大急登』と言われている。
登ってみた感想は、『うーんそこまででもないかなぁ…』だった。もっとキツい急登は別の山にあったような気もするし。 まあ、急登って聞いてたから構えすぎてたのかもしれないしね。どっちにしろ楽じゃないのは確かかな。

最初の計画では、12時間以上行動して大天井岳まで行って帰ってくる予定だった。
トレランやスピードハイクで慣れている人じゃなきゃできない(というかやらない)無茶をやろうとしていたことに少し反省をした。怪我をするか、膝を悪くしそうだし、疲れて集中力が途切れて事故でも起こせば『それ見たことか』と口をそろえて皆に言われるのは火を見るより明らかなのである。

断念した直後は残念な気持ちでいっぱいだったが、北燕岳山頂からの景色をボーっと見ていたら『やめてよかった』と心の底から思えた。時間に余裕ができたから山頂でゆっくりできたしね。山荘も含めて山頂付近でこんなにもゆっくり滞在したのって、もしかしたら『北岳』以来かも。合戦小屋のスイカも食べたし。
今度はテントを担いでゆっくり来たいかな。大天井はその時か、または常念岳とセットで行こう。せめてあと10年はこの趣味を続けたいから いつかのお楽しみとしてだいじに温めておきます。


あー…ホントは今回が大天井と燕のセットのテン泊だったんだよなぁ…。今期の計画ではね。

今年はそんな年なのか…まあしゃーない。

※これは とある球団マスコットのフリップ芸をもじったモノです。『 』はフリップに書かれた文字です

ツバク○ウ『家族を放置して登る山は楽しいか?』ペラ←めくる音
ツバク○ウ『人生という山登りで今は上り調子ってか』ペラ
ツバク○ウ『登り切ったらあとは下るだけ』ペラ
ツバク○ウ『熟年離婚待ったナシだな』ペラ

辛辣ぅうう!
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燕岳
おしまい

by moriyart | 2018-08-14 15:16 | 燕岳

その5(燕岳)

合戦小屋まで下りて来た。
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時間的に下山する人より登ってくる人のほうが まだ多い。
小屋前に突っ立って、人の動きを見ていた。観察していると、かなりの人がスイカを食べている。それほどまでにここのスイカは有名なのか。波田の下原スイカだよなぁ…すいぶん久しく食べてないしなぁ。

よーし!食べよう!

売店に並んでスイカを頼んだ。
食べ易く3つに切ってもらう事もできるが、ここはひとつ豪快に食べる為に切らずに受け取ろう。

『種は皿の上に出してください』
その言葉を聞きながら皿に乗ったスイカを受け取った。
サンサンと陽が当たる日なたのテーブルが空いていたので、皿の上でスルスル滑るスイカを慎重にそこへ運ぶ。
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値がいいだけに結構デカい。両手で持ち上げてガブリとかぶりついた。最初はマメに種を避けていたけど、そのうち種ごとほお張る。
食べていくうちに頬にスイカが当たるようになって食べ辛くなった。
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汚い!(食べかけを撮るなよ)
頬に付くスイカの汁をタオルで拭いながら背中を丸めて食べた。
やっぱ切ってもらえばよかったかな。そういやオピネルのナイフ持ってるからそれで切ろうか。いや男はやっぱワイルドに食べなきゃでしょう。

だんだん席が混んできて空いているテーブルが無くなってきた。4人がけのテーブルに一人で座っているので、相席ができるように端に寄って座って いつ誰が来てもOKな状態にしておいた。

しかし誰も来ない。
オレ的にはライオンがワイルドに肉を食べているイメージでスイカを食べているつもりだが、傍から見れば大きい虫が何かを捕食しているかの様な気持ち悪さだったかもしれない。だからおねぇちゃんは近づいてこないのか。


(ここの部分が食べづらいんだけど…)
手でグイっと力を入れるとパキッとスイカが割れた。

(あ!割ればいいのか!)


なにを今さら当たり前な事を気が付くのか アホすぎて悲しくなるが、そのときは頭の上に電球が光り輝いた。電球みたいな頭のクセに…。
パキパキと割りながら小さくしたスイカを また青虫の様にムシャムシャ食べた。
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汚い!ぶしょったい!(だから撮るなよ)

スイカは水分がたっぷりな上にビタミンやミネラルも豊富らしいので山に適してるんだろう。でも冷えてないスイカはちょっと瓜みたいな味が強く出るから冷やしたいよね。もちろん合戦小屋のスイカは冷たいです、ハイ。

皿を返却口まで持っていったとき、屋根下の席で食べている人達みんな卓上の塩をスイカにかけまくっていた。
なんと!塩があったんかい!あったならかけたかったよ…。よく見ると屋根下の全部のテーブルの上には塩の瓶が置いてある。ああ、それでスイカを食べてる人って屋根下に多かったのね。もうちょっとしっかり見ておけばよかったよ…。

いや、素材本来の味を楽しみたかったんだよ。うんうん。(負け惜しみ)


合戦小屋に次々と到着する登山者とすれ違いながら下山を再開した。
今日は土曜日。山荘泊まりの人達がたくさん登ってくる。70リットルクラスの大型ザックを背負って登ってくるおねぇちゃんが死にそうな顔で『暑すぎてかなわへんわぁ』と西の言葉で言ったのが印象的だった。
『尾根までもう少しですか?』と、ヘトヘト気味に聞いてきた別のおねえさんに『とても「もうすぐ着く」なんて言えない距離です』と絶望の淵に突き落としたり。
帰りの道もいろんな人に会い、話した。


そして12時45分、登山口まで下りて来た。
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ソフトクリームを食べている人が多かった。自分はまだ腹にスイカが残っているっぽかったのでそのまま通り過ぎた。


13時、駐車場へ無事帰還。
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おつかれさまでした。







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by moriyart | 2018-08-14 15:00 | 燕岳

その4(燕岳)

9時5分、『北燕岳』に到着。
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こっちは広くてなだらかなので居場所がたっぷりある。そして誰も居ない。ゆえにとても落ち着ける。

燕岳を見返す。
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山荘側から見るときれいな三角形だが、こっちからだと多少形が崩れている。

せまい燕岳の山頂に何人かいるのが見える。
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あそこちょっとせまいよね。岳々しいっつうか、なんつうか。


今登ってきた兄ちゃんと少し話した。
兄ちゃんもこっちのほうが落ち着いていていいねと言っている。
兄ちゃんに写真を頼まれたので、モノのついでに撮ってもらった。
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うしろが燕、常念、穂高で贅沢な背景になった。
兄ちゃんは北燕岳より向こうに何があるのか気にしていたが、けっきょく燕岳方面へ帰っていった。

ハラが減った。パンでも食べよう。
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岩にどっかりと腰を下ろし、あんぱんを出して景色を見ながらかじった。
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かじったパンの欠けたところに槍をはめ込んだ。(ぶしょったいな)
パンを持った腕を伸ばして片目をつぶって覗き込んでなにやってんだか…。

それにしても天気がいい。
さっきまで蒸し暑くてたまらんかったけど、ここまで来ればさわやかな風が吹いていて気持ちがいい。ただ、陽の光がギラギラと刺す様な感じだ。
そういや出発前に息子君がお守り代わりにてるてる坊主を作ってくれたので、てるてる坊主を取り出し、山の景色と一緒に撮って写真と共にLINEで礼を送った。
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返ってきた文に、『そのてるてる坊主の髪の毛が3本だけ、というのが息子君のこだわりです』と書いてあったので確認してみる。
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…。
ちぢれてるじゃん…。こだわりのちぢれ毛なのか。


てるてる坊主をしまい、腰を下ろしたまま景色を楽しんだ。
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自分以外は誰もいない。時々ぽつぽつとやってきて、写真を撮ったあとすぐに下りて行ってしまう。なので静かな山頂を楽しんだ。

鳥の鳴き声と、下のほうから『コォォオオオ…』という空気の動く音しか聞こえない。
いいね。大天井岳に行こうものならこんなにのんびりしてないんだろう。そもそもここ、北燕岳に来てないと思う。やっぱり大天井をやめて良かったよ。ガツガツ歩かないから、なんか足も回復してきたし。

けっこうのんびりしたかも。そろそろ戻ろうか。
腰を上げ、今回もやっぱりすぐ出発せずにアンダーシャツの丸まりを直したりした。


足元には『コマクサ』
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どこの山だったっけかなぁ…コマクサを守るためにロープで仕切ってあって絶対に近づけない様にしてあった山があったけど。でもここは普通に登山道のド真ん中に生えていて、気を抜くと踏み潰してしまいそう。
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一応ロープで囲んであるところもあるけど、普通にあっちこっち一面に生えていた。ここはコマクサの楽園でもあるのね。よーく見るとかわいい花だ。馬(駒)に似ているからこの名前が付いたんだとか。


ふたたび燕岳山頂に戻ってきた。
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やっぱせまいなここ。さっきよりもお客さんがたくさんいる。腰を下ろしやすい場所がちょうど山頂標識のとなりだったりするので、山頂標識を撮りたい人が座っている人が退くのをじっと待っているのが気の毒だった。やっぱせまくて落ち着かないや。ここの山頂。

ほんじゃ、山荘まで行きますか。


『燕山荘』に到着。
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めちゃくちゃにぎわっていた。ここの山荘の名前は『えんざんそう』。山の名前は『つばくろだけ』。つばくろ岳の山荘だから『つばくろ山荘』になりそうなのに『えん山荘』。
完全に初見殺しに入っている。そもそも山の名前も初見は『つばめ岳』って読みそうだ。

そして隣の山『大天井』もそうだ。初見で『おてんしょう』と読める人は何人いるのだろうか。燕といい大天井といい、初めて読む人を確実に恥をかかせようとしてるとしか思えないファンシーで小粋な名前だ。(なんだそりゃ)
まあいい、山の名前ってそんなもんだ。

山荘の前にも中にもたくさんのお客さんが居たのだが、売店は空いていたのでたくさん種類のある山バッジをじっくり選んだ。やっぱりオレはミーハーなので、『人気No.1』と書かれたバッジを選んだ。
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山荘から見下ろせるテン場は大盛況。
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もう100%の幕営率なのかな?でもまだ何人かの人が、幕営許可証のタグを持って山荘から出てきている。えー!視覚的にもう幕営できる場所が無いように見えるんだけど、見えてないところにスペースがあるのかな?なんにしろ大混雑だなこりゃ。
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山荘前には次々と到着する人達。数十人クラスの団体様も到着してみんなで労いあっている。ガイドなのかリーダーなのかわからないけど、階段に立って通過する全員のメンバーとハイタッチしている。楽しそうだ。
山荘前に設置してあった山の方位盤に体を預けて寄りかかり、ここに訪れる人達を観察していた。

ここから見える燕岳がいい感じなので今来たお姉さまに撮ってもらった。
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撮ってもらった後も名残惜しいので、しばらく人々の流れを見ていた。
そんな大抵の人はこの山荘で泊まるか、テン場で泊まるだろう人々だ。だんだんうらやましくなってきて切なくなってきた。


そんじゃ、ぼちぼち下りますかね。





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by moriyart | 2018-08-14 14:44 | 燕岳

その3(燕岳)

8時、稜線に出た。
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うおー!やったー!まだ山頂じゃないけどさ。

ええ景色やぁ…。
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目の前に小高い丘があったので登ってみた。
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丘の上から振り返ると『燕山荘』。
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山荘前は人が動いていて活気がある。
そういや丘に登りたい衝動に駆られて山荘に寄ってなかったっけ。あとで寄ろう。

反対側は正真正銘の『燕岳山頂』
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ここからあと30分程度だ。もうひと踏んばり。
超絶景色とさわやかな風と楽しみさで、今までの疲れやかかとの痛みがふっ飛んだ。
よーし行こう!と思って一歩踏み出したが、いーや待て待て、もっと景色を楽しんで。今日の山はゆっくりゆっくり。

丘の上に佇み、方位磁針みたいにくるくる回りながら色んな方向の景色を楽しんだ。

けっこう長い間丘の上に居たが、他に登ってくる人がいない。ふと気がつくと山荘からこっちへカメラを向けている人がいる。オレの先には燕岳。山荘から燕岳を撮ると丘にいるオレもついでに写ってしまう。いやいや、良い景色に加齢臭オヤジが写るのも申し訳ないので急いで丘を駆け下りた。

燕岳へ向かう途中にある『イルカ岩』
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ホントにそっくりだ。ちゃんと目まであるのには驚いた。槍をバックに絶景だ。

足元を見ると『コマクサ』があった。
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コマクサを見ると(嗚呼…山へ来たんだなぁ…)という気分になる。

もうすぐ山頂。
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花崗岩特有の白い山肌。甲斐駒みたい。青い空と白い砂礫のカラーリングがまぶしい。

『めがね岩』を通過。
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自然にこの形になったのはすごすぎる。本当に自然の力ってすごいし、神秘的だ。

最後の登り
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もっこもこの岩だらけ。山頂までのルートはものすごいあって選びたい放題だ。適当にルートを選んで標高も気分もアゲ↑アゲ↑で登っていく。

澄んだ空と、人が見えたと思ったら…
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8時35分、燕岳山頂に到着。
2763m
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山頂せっま!山頂標識ちっさ!
超人気な山なのに山頂は拍子抜けなアッサリ感だ。

でも景色は最高。
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槍もしっかり見えました。
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あまりにもたくさんの山が見えるからほとんどの山の名前がわからない。もっともっとたくさん登って山の名前と場所を覚えないと。
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トレランらしきお兄様に撮ってもらった。
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何度もこの山に登っているかたらしく、とても慣れた感じだった。いいなぁ、この山をホームマウンテンにできるなんてうらやましいにも保土ヶ谷バイパス過ぎるよ。

あの双耳峰は鹿島槍だね。
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あれは剱と立山だ。
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そして北穂~前穂までバッチリな穂高連邦まで。
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もうね、ステキ過ぎてクラクラする。こりゃあ人気なワケだわ。


ここでもくるくる回りながら景色を見ていたが、いかんせん狭い。
居場所が無いのでここから見える隣の山、『北燕岳』に行こう。
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隣の北燕岳までたいして遠くないのでステキ尾根を歩いて向かう。





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by moriyart | 2018-08-14 14:27 | 燕岳

その2(燕岳)

6時48分、『合戦小屋』に到着。
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休んでいる人がいた。屋外ベンチがたくさんあるので座る場所には困らなそうだが、どぴーかん過ぎて刺す様な日差しを避け、みんな日陰のベンチにいる。だからたくさんのベンチはガラガラだった。

合戦小屋といえば荷揚げ用ケーブルがトレードマーク?と言えるのかな。
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これがあるおかげで中房温泉から物資をいつでも運び上げることができるので、天候に左右されるヘリの荷揚げより確実で安価だろう。

ここの山荘で食べられる『波田町の下原スイカ』もきっとこのケーブルで荷揚げされてるのかな。
合戦小屋といえばスイカというほど有名なのでどんなものかのぞいて見た。
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むむ…覚悟はしてたとはいえナカナカのお値段だ。うーん…ヤメにするかな…。


この看板の横のベンチに腰をかけて靴を脱いで靴下を脱いでかかとをのぞき込んだ。
1時間ほど前からかかとがチクチク痛かったからだ。

あー…皮がむけてる。

しかも思ってたより範囲が大きくてヒドい。
今日履いている靴は昔に買って あんまり履かないから たまには履こうとしたのが悪かったのか。
恐る恐る逆の足も靴下を脱いで確認すると、そっちの足もかかとの皮がベロンと剥がれて垂れ下がっている。
ザックの天蓋からファーストエイドが入ったポーチを取り出し、中から絆創膏を出してかかとに貼った。


実は今日は燕岳と大天井岳、日帰りでガンバって2座登ろうかと思っていた。等倍のコースタイムだと下山が20時クラスになってしまうが、ちょっと早足で登れば夕方までには帰ってこれるだろうとだいぶ無茶な計画をしていた。すべては燕岳に到着した時間で決めようとしていたのである。

でも皮が剥けて歩くたびにチクチクしてたんじゃ、コリャ無理だな…と悟ったのである。
ベンチに座ったまま、両肘を膝に乗せた前かがみの姿勢で”2座はやめたほうがいいんだろうなぁ…”と、ガックリ落胆した。テンションが一気に↓↓



ふと気がつくと、合戦小屋の前の広場の上にたくさんのトンボが飛んでいる。
そのうち一匹のトンボがオレが座っているベンチのすぐ横に下りてきた。
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ボーっとトンボを見ていたら、フッと何かがふっ切れた。
そうだよ、先を急ぐあまりこういう自然の景色をじっくり見なくなってしまうんじゃないだろうか。一日に登る山の数を競ってるワケじゃないのに、何にムキになってるんだろう…。そう思い直すことができた。 こんなに長い距離を長い時間かけて来たから、せっかくだからもう一座登っておこうというヘンな貧乏性は今日は封印しよう。

もうちょっと楽に、ゆっくり行かざぁえぇ。

そう思い直したら、とたんに気分が軽くなった。
”自然を楽しめ!”と教えてくれたトンボ師匠の写真を撮って、出発の準備をした。いつもはザックを背負ってすぐ出発だが、くるくる丸まったアンダーシャツの裾を直したり、ズボンを下げてタイツの中の彼の居心地を改善したり、シューズの紐を丁寧に縛ったりして準備の時間をたっぷりとった。


合戦小屋から先はだんだんと高い木が減っていき、視界の中に占める空の面積が増えてきた。
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それにしても蒸し暑い。山体が風を防いでいるのか、ほぼ無風である。無風と湿度の高さで不快指数はスーパーマックスである。早く稜線に出てさわやかな風に当たりたい。
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第三ベンチまで来た。
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見上げると『燕山荘』らしき建物が見えている。
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あともうちょいだ。
ここまで来ると森林限界をほぼ超え、ひんやり乾いた風が吹くようになった。ああ…気持ちええ…やっとかぁ…。
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稜線の向こうに見えるのは…
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やっぱり『槍ヶ岳』だ。
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ここから見る槍ヶ岳は他の山から見る槍より一層とがって見える。こりゃ山頂からの景色が楽しみだ。

ちょっとしたプチ鎖場なんかも出てきた。
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さっきより燕山荘が近くに見える。もう一息だ。
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人の気配とテントが見えてきた。
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テン場はまだ十分に空きスペースがあった。
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まあでもお昼には全区画埋まってしまうだろうね。






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by moriyart | 2018-08-14 14:10 | 燕岳

燕岳

※今回の記録は全体的に品が無いのでご了承ください。(上品な記録ってあったっけ?)




この山も知名度は非常に高く、山を趣味にしている人なら知らない人はいないんじゃないかと思えるほど有名な山だ。

ミーハーなオレとしては、とっくに登っていそうなんだけど、ナゼだかずっと後回しにしていた。
今回、満を持してこの山に決定したのだが、本当は『大天井岳』とセットにしてテン泊で行くつもりだった。しかしワケあって日帰りでのみ行けそうなので、しかたなく日帰り燕岳に変更したのである。

仕事から帰ってきて、シャワーを浴び、夕飯を食べてからすぐに出発した。
燕岳の登山者が車を停める中房温泉の駐車場は、週末になると激混みになるらしい。遠いところをせっかく来て停めるところが無いのは悲しいし、だからといって路肩に停めるのはチョット良くない。
なのでできるだけ早く駐車場へ到着したかったのである。

一部の区間を高速道路を使ったりして、日付の変わる頃『中房温泉』の駐車場に到着した。
駐車場の空きは まだ余裕があったが、車を停めてから一時間もしないうちに満車になった。
今、駐車場に入ってきたはいいが、バックで出て行く車。(ああ、ガンバって早めに出発してよかった)と、思いながら座席に丸くなって寝た。

4時過ぎに目が覚めた。
ヘッドライトを灯して山へ向かう人もいるが、まだ暗いために起きている人が少ない。
ちょっと悩んだけど、早めの行動をしようとコンビニで買ったサンドウィッチを食べた。

そして4時半に駐車場を出発。
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薄暗い。7月くらいまでは4時半って思いっきり明るくなってるのに、8月に入ると夏とはいえ陽の出ている時間が短くなってくる。なんとなくさみしい。
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道をしばらく歩いていく。たくさんの人の気配がすると思ったら、

中房温泉の登山口に到着。
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トイレもにぎわっていた。
特にもよおしてるワケじゃないが、個室に入った。おなかが強い方じゃ無いので山に登っているときの心配事を減らしたいからだ。ワリと年中ゆるい体質なのでガンバって出しておこう。(酒のせいだってわかってるクセに)
『一週間くらい出してねぇな』
そんなことを言う人を知ってるが、山向き体質ででうらやましい。キジ撃ちの心配なんて皆無なんだろうなぁ。

個室に入ってそんなアホな事を考えていると、いくつかある個室のあちこちから聞こえてくる稲妻の様な爆音。もうね、勢いがありすぎて気持ちいいくらい。ってか、みーんなおなかがゆるいじゃん。なーんだ、オレだけじゃなかったんだ。
登山口にあるトイレで次々と落ちるサンダーボルトに なんだかホッとした瞬間だった。

…ま、他の人のは仕事のストレスとか社会のしがらみでおなかがゆるくなってるんだろうね。オレみたいにのん気に酒で下している人は少ないんだろうよ。
…とは言ったものの、今回のオレのおなかは めずらしくいたって快調だった。

トイレの外で名も知らぬ似た境遇の人と”下し”つながりの連帯感を持った。(くだらねぇ)


出発。
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薄暗い山道を進んでいく。人気の山だけに整備されている感がある。
静かな樹林帯を歩いていく。時間的にまだ早いうちに入るのだろうか、登山道にはまだそんなに歩いている人はいない。

登り始めはまだ体が慣れていないので息や体温が上がるんだけど、調子が上がらない。汗が噴き出してシャツがびっしょり濡れて重さで垂れ下がる。腹の辺りを触ると保水しきれない程の汗が溜まっている。ジッパーを胸元まで下げ、帽子を取り 手に持って歩く。

歩いているとムワッと香る自分の体臭。あれ?なんか今日はヤケに臭うな。いつもは体臭なんて二日目くらいじゃないと出てこないのに。えーと昨日ナニ食ったっけ?ニンニク料理でもあったっけかな?
たいして気にするほど臭ってないのにそんなことをいちいち考えながら歩いていた。

このあと下ってきたすれ違う登山者からフワッとせっけんのいい香りがしたのは不思議だった。朝おりてくるっつうと山荘泊まりだったはずだから風呂に入ってないと思うんだけど…不思議だ。

ホントにくだらない事を考えていた。


休憩ポイントに来た。
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今日はやっぱり湿度が高いらしい。休んでいる男たちの服の色が変わるほど汗をかいている。人によってはズボンの尻までビショビショになっている。
でも女の人ってそこまで汗をかいている人はいない。生物学的に男と女って違うんだろうなぁ。


陽が昇ってきて木漏れ日を感じるようになった。
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樹林帯で湿度が相変わらず高くて蒸し暑いが、場所によっては一瞬だけヒンヤリとした風が吹き抜けるところがある。

ちょっと見晴らしがいいところに出た。
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手前の山の向こうに見える山は なんて山だろう。

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登山道は基本なだらかで危ない場所も無いが、時々岩がゴロゴロしている所があって、一段の段差が大きいので『ヨッコラショイ!』と声を出して一歩を踏み出す。

建物と人が見えた。
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by moriyart | 2018-08-14 13:54 | 燕岳