どこかに行きたい

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富士登山

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by moriyart | 2012-07-30 01:45 | 富士山

その15

つま先の靴ずれが最高潮に達し、ヘンな汗が出てきた頃、
ピンク色の我が愛車の待つ駐車場に帰ってきた。
昨日から一切脱いでいない靴の紐を緩め、ズポッと足を
抜いた瞬間に、ホンキで生還したと思えた。
昨年9月の誓いを見事達成できた喜びを独り地味に噛みしめ、
両手の拳を握り締めて小さくガッツポーズ。しかしその姿は
黒いスパッツのみの姿なので江頭以外に思い浮かぶ姿は
無い。でもいいのだ。パワースポットとされる富士山できっと
厄年の厄も飛んで行ったに違いない。

これを機会に来年も…




まっぴらゴメンだね!



今度は上高地か栂池自然園か、もっと平らな所をのんびりと
一眼抱えて歩いてみたい。 うん、登山靴もザックも無駄に
できないしね。できればこの夏に行きたいな。



…無理かな(カミさんの顔色を毎日観察しないと)





以上、富士山へ登頂した日記でした。
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by moriyart | 2012-07-29 21:14 | 富士山

その14

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気がつくと前からオレの息子と背格好が同じくらいの男の子が
登ってくる。ん~~~気になる。後ろに歩いているお母さんに
いくつですかぁ?と爽やかに聞いてみると、

四歳だと

ぶっとびました。オレの息子と同い年。四歳から山頂へ目指せる
とは…。九合目以降のあの酸欠の辛さを耐える事ができるんだろう。
人間ってオレが思っているよりずっと頑丈にできているんだろうと
感心した。いや、でもオレの息子じゃあ無理だな…と”個人差”的な
ものをしっかりと感じた。

まあ、11歳になったら富士登山に連れて行こうとずっと前から決め
てるし…。そのころオレ自身がまともに動けるのかナゾなのだが…。

改めて思い返してみれば、家族で…子供も含めて富士山に挑んでいる
人が多かった。山頂にも小学生が結構いたし。ギリギリ安全で、しかし
ホンキで死の危険がある冒険ができる山なんだと改めて『富士山』と
いう存在を認識できた。実際、死者もそれなりにいる山だ。

お恥ずかしながらオレもちょっとだけ『もしかしたら落石かなんかで
死ぬかも』と覚悟をして家を出た。 山の斜面に車大の大きさの岩も
あり、地震かなんかで転がれば当然死者も出る。冷静に見てみれば
かなり危ない山なのである。


それも冒険。
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by moriyart | 2012-07-29 20:47 | 富士山

その13

そんなこんなで仰向けにスッ転ぶこと数回、高校球児が
着ているようなピチピチアンダーみたいなアンダーシャツの
肘部分がささくれる程痛んできた。まあそれを着てなかったら
オレの肘が擦り剝けてたんだと思えばピチピチアンダーを
着てて良かったんだと自分に暗示をかける。
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気がつくと前から山岳ランナーが走って登ってくる。

ドMか! (ごめんなさい)

なにが楽しくて3000mの空気が薄いところを走るというのか。
今の自分には理解に苦しむが、きっと本人的には有意義な
目的があるのだろう。


しばらく下っていくと『大砂走り』という有名な下り坂に差し掛かった。
足を着地させると砂礫がかなり崩れ、50cmほど足が流される。
一歩が1メートルくらいになる。おお!こりゃいいや。ハードに
着地しても地盤が崩れるので足に来る衝撃はほとんど無い。
おまけに意識しなくても勝手にスピードが出ていく。それに身を
任せ、自然のまま下っていく。歩幅はかなり大幅になる。

みるみるスピードが上がっていく。ちょっちょっ!コレやばくないか!
崩れる地面で足や膝は平気だが、加速感が半端ない。
後ろには飛行機雲の様な砂煙。アラレちゃんの走るのを想像して
くれるとわかりやすいと思う。
(ヤフーでもグーグルでも『大砂走り』で画像検索かけると
いい雰囲気のが出てきます)


ひぃぃぃぃぃいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!

気持ち悪い声をあげて矢の様に疾走する。やばい、なんかヤバイ。
背中には大きなザック、首には上下に暴れるデジカメ、今コケたら
ここ10年で一番悲惨な不時着シーンの出来上がりだ。
目の前を歩いている老夫婦が驚いて飛びのいてオレを避ける。

すみませーーーーーーーーーん


ドップラー現象を伴って謝りながら通り過ぎた。ま、結果としては
事無きを得ましたが正直 非常にヤバいところまでいきました。
御殿場コースの『大砂走り』、恐るべし。


あ!富士登山駅伝のランナーが派手に転がるシーンって…


もしかしてここ?
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by moriyart | 2012-07-29 19:06 | 富士山

その12

午前8時。はるか眼下に見えていた雲が山頂に登って
くるようになってきた。午前3時に到着してかれこれ5時間。
そろそろ潮時か。
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名残惜しいが、山頂を後にする。富士宮五合目で聞き耳を
立てて聞いたおススメの帰りのコースを試みる。御殿場へ
降りるコースから愛車の待つ五合目駐車場へ向かう。

下界から雲が凄い勢いで登ってくる。ホワイトアウトに近い
真っ白になったりスカっと晴れたり。山の天気ってナルホド
変わりっぷりが半端ない。

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下りの道は結構膝に来る。着地した後、ズルリと崩れて滑る。
気を抜くと50cmほど足が流される。突然、前に歩いていた
女性がひっくり返った。カブトムシをひっくり返したみたいに
ジタバタしている。なんか見てはいけないものを見てしまった
みたいな感じで黙って傍観。何事もなかったように起き上がり、
何事もなかったように歩きだした。そして10秒後チラリと後ろを
振り返る。とっさに目を伏せる。(知らんぷり知らんぷり)
この後、数人ほど目の前でひっくり返ったのを目撃したが、
みなさんナゼか立ち上がって歩いて10秒くらい経ってから
チラリと振り返る。何を確認しているのか…。


そんなことを思っていたら今度はオレがステーン!と仰向けに
ひっくり返った。ヤベー、超はずかしい。ここは冷静に起き
上がってと。何事もなかったように歩く歩く。



…?  後ろに人いたっけかな?見られてたら恥ずかしいかな。
ちょっと見てみよう。チラリ…。



10秒後のチラリ、
理解した。

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by moriyart | 2012-07-29 18:47 | 富士山

その11

雲の切れ間から山中湖が見える。山中湖かどうかは
知らないが歩いてる人が言ったからきっとそうなんだろう。
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山梨県のスバルラインの五合目からの登山道の
頂上付近に来ると道のいたる所で高山病にかかった人が
あっちにもこっちにも。
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これも一説らしいが、年齢とか性別とか運動やってたとか
やってないとかは高山病にかかりやすいかに関係ない
らしい。と、いうのならオレはアタリだったのか。
まあ寝不足が一番悪いらしいけど。
店の前は人だかりで自衛隊の方もいらっしゃる。
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お仕事お疲れです。うどんをむさぼるように食っていたけど、
空気が薄いからきっとぬるいんだろうなと気の毒に思った。
自販機もあった。ペットボトルのお茶が500円。
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安いところで買えば5本買ってもお釣りがくる値段だ。
オドロキ。でも道中の荷物を軽くする理由があるのなら 
ここで500円を払う意義は十分にある。


ま、買わないけどね。
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by moriyart | 2012-07-29 18:12 | 富士山

その10

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少し歩くと人だかりが。近寄ってみればパラグライダーを
広げている。3700mオーバーのここから飛び立とうと
いうのか。スンゲーな。5~6人くらいで飛び立つらしい。
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そのうちの一人が女性でどこに降りるのかわからない
らしくて一生懸命リーダーの説明を聞いている。
『あそこの雲の切れ間に見える道の横の広場へ~』
オレも横に立ち、必死に聞きながら降り立つ場所を一緒に
ナゼか確認する。わかんなかったらテキトーに降りて…。
おい、あんたこそテキトーだな、リーダーさん。死ぬよ、この子。
オレのザックの中にパラシュートでもあるのだろうか。
でもここから飛び立てばさぞ気持ちいいだろうなと思った。
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すり鉢状の火口に自分の影が落ちる。
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最後尾の ぼっちがオレ。前にいる白人男性と日本人
女性の様子がどうも変だ。女性が半泣き。蚊の鳴くような
声で聞こえてきたのは女性の『気持ち悪いよぉ』だ。
フランス人っぽい男性もすごい困った顔をしている。
酸素缶を持っているか?と聞いてみれば持ってないとの
こと。後で吸うつもりだったけど、『もういらないから』と
カッコつけて遠慮する外人に押しつける。新品なので
外装フィルムを破って渡したのだが値札が本体に張って
あったので\498が恩着せがましく主張する。
高山病に酸素缶は あまり効果が薄いという説もあり、
なおかつキンチョールの特大缶ほどの大きさのソレを
富士山頂で渡されて荷物が増えた この気の利かなさは
一生イケメン岳人にはなれない。さぞフランス夫も迷惑
だっただろう。この女性がこののちに回復したかどうかは


知らない。
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by moriyart | 2012-07-29 07:48 | 富士山

その9

ところどころでミニ三脚の足を伸ばして珍しく自分も写した。
写真を撮られるのが嫌いな自分にしては相当めずらしい。
富士山パワーでも働いてるのか。
『撮りましょうか?』見かねたのか通りすがりのイケメンが
声をかけてくれた。見た目モロ岳人(やまんちゅ)。
照れくさいやら恥ずかしいやらでもお願いする。
いやぁ本物のアルピニストって親切だなあ…と
思いながら撮ってもらった。それがコレ。
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手袋片方しかしてないし、ぬーべー先生かよ。『この先に
影富士が撮影できる場所がありましたよ』と、イケメン岳人は
アフターフォローを怠らない。オレが女だったらフォーリンラブ
確定要素だ。
大沢崩れというところから下を覗いてみればホントだ、大地と
雲海に富士山の影ができてる。ホント形がまんま富士山。
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まんますぎて面白い。遠くにみえるアレは八ヶ岳らしい。
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こっちからこう見えてるのならあっちからもこう見えてるのだろう。
にしても見渡す限りの雲海だ。
なんか そば焼酎が飲みたくなってきた(なんで?)
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近くにいたお姉ちゃんが ワーキャー感動しながら景色を眺め、
デジカメでパチパチ撮り始めた。ここはひとつイケメンアルピニストに
あやかって『撮りましょうか?』とさわやかに声をかけた。
おねがいしますとデジカメを手渡され、構える。お姉ちゃん、雲海を
バックに両手を大きく広げて壮大感アピールと満面スマイル。
(ああ、若さのノリって ええなぁ)逆にオレが感動させられた。
山ガールここにあり、だ。


『はい、…撮ります』


チ ってなんだよ、あぶねぇ山ガールに向かってチーズってオヤジくさいこと
言いそうになった。ホントあぶねえ。
『ありがとうございます、撮りましょうか?』とお返しがきた。
『エヘヘほんなら』と、もうなにもかもが崩壊した。
まあ岳人にはなれませんよ、オレは。
で、撮ってもらったのがコレ
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もうね、なんで“気をつけ”なのか。あいかわらず ぬーべー先生だし。
その手袋の下は鬼の手ですかね…。
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by moriyart | 2012-07-29 07:34 | 富士山

その8

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ご来光が終わると猿山のサルたちは一斉に里に下りてゆく。
富士山火口を一周する『お鉢巡り』をするためだ。一周約3Km、
所要時間1時間半。神社や土産物店が急に活気づいていく。
せっかくなのでお参りをした。
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ここでとなりにいたオヤジグループの会話から“眠たい”と
“気持ち悪い”は典型的な高山病の症状だという情報を得た。
そうか…オレ高山病にかかってるんだ…なっとく。
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とりあえずは『元富士山測候所』へ目指す。
朝日を浴びながら朝食を採るつがいを見て自分も持ってきた
セブンイレブンのにぎりをとりだした。3つあったのだが、ちょっと
気持ち悪いので一つだけ食べた。
ザックから『おにぎりせんべいミニパック』を取り出した。
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思ったとおりパンパンに膨れている。そう、この為だけに
持ってきたのである。さすが大気圧650hpaってなもんよ。
デジカメとミニ三脚を取り出して元測候所をバックにパチリ。
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本当は一眼を持ってきたかったのだが、突然の雨の心配と
荷物の重量をできるだけ軽くしたかったのでデジカメでガマン。
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まだ雪が残っている。ホントだかしらんが永久凍土もあるらしい。
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測候所の手前は馬の背と呼ばれる急坂。最強に空気が薄い場所で
この斜度は反則だ。やっぱりサラサラ崩れて足元をとられる。
転んで転がれば後続の人を吹っ飛ばしてストライクどこじゃない。
最高峰の石碑の前で写真を撮るための列は、待ち時間が30分ほど
だそう。え~、パスパス! と、いいたいところだが、カミさんの
『せっかく病』が感染しているオレはあっさり列の最後尾に並んだ。
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このころには高地に慣れて高山病から回復して絶好調!
『撮ってもらってもよろしいですかね、エヘヘ』と薄気味悪い笑顔で
後ろの人にお願いした。石碑の字読めないし、オレは石碑に
寄りかかってるしなんともイマイチ感が漂う最高地点の記念写真が
出来上がった。
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by moriyart | 2012-07-29 07:17 | 富士山

その7

3時頃、ついに山頂に到着。もうね、『やったー!』とかは無い。
やっと終わってくれた、うわーん!てな感じ。テンション高い人も
いるが、オレはまったくどん底↓↓
で、日の出が4時半頃? どーすんだよこんなに早く着いちゃって。
ペース配分?知らんがな、ベンチで1時間くらい休んできたもん。
5合目にいた『富士山案内人』め、ゆるさん。とは言ったものの、
なんだかすごく眠たい。おまけにちょっとだけ気持ち悪い。
強烈に寒いのでザックから裏起毛のトレーナーとウインドブレーカを
取り出し着込む。周りを見回せば寒さで丸くなっている人ばかり。
アルミホイルみたいな断熱フィルムを体にまとっている人がいて
動くたびにシャリシャリ音が鳴ってうるさい。見た目も焚火に投入
する前のサツマイモの様。
オレはまだ開業前の山頂の土産物店のシャッターに寄りかかって
膝を抱えて寝た。まるでルンペン。

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4時頃目が覚めた。なんかさっきよりも気持ち悪い。目の前の小山に
人が集まり始めた。ご来光の場所取りらしい。
オレは気持ち悪いからパス…と一瞬思ったのだが、ご来光を見るために
夜通し歩いてきた理由を思い出し、重い尻を上げた。
出遅れたのでちょっと後ろめ。どこかの知らないジジィが割り込もうと
するのを阻止する壮絶なバトルを経てついにご来光。
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拍手が出るわけでもなく、ため息も聞こえない。この場所にいる
99パーセントの人が同じ方角を見ていると思うとちょっとだけ笑えた。
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by moriyart | 2012-07-29 07:06 | 富士山