どこかに行きたい

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その3(甲武信ヶ岳)

反省(激しく)

久しぶりに事前によく調べた山だった。ただ思った以上に険しかったりハードだったり。要は完全にナメていたのだろう。延々と続く急登。帰りは逆に膝に来る段差。楽しむというよりトレーニングみたいな山だった。

沢を渡る。これもナメ過ぎていた。幼い頃、山の沢でよく遊んでいたが、あの頃とは身の軽さが違うのであろう。
最悪、うつぶせに倒れる様にしたのだが、どういうわけかあお向けに倒れ、尻を強打した。ザックを背負っていたから背中を打たなかっただけで、背中なんか岩に打ちつければ暫く呼吸が止まってしまう。そのまま沢にドボンならば死を覚悟せざるを得ないだろう。
北アの新穂高周辺の登山道でも川を渡る所が多いが、雨が降るとあっという間に増水して渡れなくなる。今回のオレみたいに無理して渡って命を落としてしまう人が年間何人もいたりする。
今回の沢も、急な登山道を延々何時間も下ってきたので、また登り返す気なんてまるっきり起きなかった。
帰ってきた翌日に甲武信ヶ岳の他人の山行記録を見ていたら、同じ日同じルートで降りてきた人の記録を見つけた。やはり例の沢の事に触れていて、探し回ってなんとか渡れる所を見つけたと書いてあった。
オレももうちょっと探せば、飛び越えなくてもいい場所を見つける事ができたであろう。オレにはもうちょっと慎重さが欲しいのかもしれない。こういう場所での冒険心は大人しくしててもらうに限る。命を落としてからでは遅いのだから。
このヘンな冒険心、オレにあるし、オレの息子君にも潜在的にあるのを最近なんとなく気がついた。遺伝なのかな。
お願いだからバカな無茶をせずにいてほしいものである。


2015年、今年の山行はたぶんこれで最後でしょう。12月も行きたいのだが、ほとんどの週末に用事が入っているので素直にあきらめます。新年になってからは雪の無いまたはほとんど無い地元の低山にでもトレーニングがてら登ろうかなと思います。冬の空って澄んでて富士山とか超キレイだから好きだな。風強いけど。
富士山ビューがいいところを探そうか。

うー まだちょっと尻が痛いかな。
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甲武信ヶ岳
おしまい

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by moriyart | 2015-11-23 12:09 | 甲武信ヶ岳

その2(甲武信ヶ岳)

10時過ぎ、『甲武信ヶ岳』山頂に到着。
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兄ちゃんと写真を撮り合った。
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山頂は山梨県長野県埼玉県3つの県境が合流している。たぶんこの碑を取り囲んでカゴメカゴメでもやれば3県高速移動することができよう。山頂にいるオッサン集めてやってみたい衝動に駆られた。ただ、完全無視は必至であろう。


森深い山だ。まさに『おくちちぶ~』って感じがする。
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近くに八ヶ岳が見える。まだ雪は積もっていない。
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長野県側の『毛木平』から登ってきた人が次々と到着する。そちらから登った方が半分近くの時間で登れるので、そっちの方がポピュラーらしい。ただ、登山口まで車で行くのが時間がかかるので オレは山梨県側からにしました。
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風が無い。そして暖かい。みなさん口々に『穏やかだぁ』と言い、ありがたがっている。

対面に『国師ヶ岳』、その向こう側にたぶん『金峰山』。
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あの小ぃ~さく見えるポッツンはきっと五丈岩ではなかろうか。
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予定より早く着いたので岩に腰掛け、のんびりする。11時まで待って昼めしにした。

湯を沸かしカップラーメンに注いで、3分待つ間におにぎりを食べた。
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それでも時間があるので食後のコーヒーを淹れ、立ちあがってポケットに手を突っ込んでカッコつけながら遠くの山を見ながらズズズとすする。(カッコわりー)
北岳以来、こんなに山頂にゆっくりしていたのは久しぶりだ。お昼前にはけっこう混んできたので山頂を後にした。


帰りは別のルートで。行きは徳ちゃん新道だが帰りは『近丸新道』。まあけっきょく樹林帯だがしばらく歩いているとあちこちの石が透明がかった乳白色だ。
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なんじゃコレ、鉱石?
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写真だとわかりづらいんだけど、少しだけ半透明だ。
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そして歩いていくうちにどんどん増えて行き、やがて地面にびっしり雪の様に白く散らばっている。
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スマホの電波が届いていたのでその場で調べてみた。『白珪石』だそう。この近くに採掘場があったらしく、その関係でこの鉱石が散らばっているのだそう。キレイだし、なんか神秘的。記念に一個持って帰ろかなと思ったが、何に使うの?と我にかえり、ポイと投げ捨てた。

投げ捨てた方向に目をやると、大きな骨が2本落ちている。大腿骨みたいだ。その傍らにヘッデンも落ちていた。たぶん鹿あたりの骨だろうが、すぐ近くに人間が使う道具があると、どうしてもその骨が人間のものに思えてきてしまう。しかも『ブラックダイヤモンド』のいいやつで、今日 落としたんじゃないかと思われるほどピカピカだ。一瞬、どこかに届けようと手がのびたが、登った人のモノなのか下った人のなのかわからないので止めておいた。


しばらく下ると目の前には沢。
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けっこう勢いがいい。沢の向こう側に目印のリボンがあるし、登山道も見える。どうやらこの沢を渡らなければならない様だ。
気がつくと橋があったのだが、最近の雨で流されたのか水没している。
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すぐ川上は砂防ダム。川下へ少し歩いたが渡れそうな場所が無い。あんまり登山道から離れるのもイヤなのでここらへんで沢の幅が一番狭くなっているところを探した。
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あったんだけど、流れる勢いがいいなぁ…。おまけに岩が濡れてる。大丈夫かなぁ。
しばらく腕を組んで考えていたんだけどメンドくさくなってきてここを渡る事に決めた。
失敗すればシャレにならない事態になる。慎重に行こう。

飛ぶ幅は1メートルも無いんだけど踏み切りと着地場所が濡れている。勢いをつけると確実にコケる。真上にふんわり飛ぶようにしよう。踏み切る時に滑って力が後ろに逃げない様に前方に飛ぶ力を得る左足は後ろの乾いた岩で。濡れた岩に乗っている右足は添えるだけ。
着地地点の岩はこちらに傾斜している。滑ってもきっとうつぶせにコケるはずだ。それなら手を着くこともできそうだ。
行ける!行ける!よし行く!

おんもいっきりひっくり返りました…あお向けで…。

しかも尻を強打。それでもこの岩から脱出しないと滑り落ちる。立ちあがり、体の異常を確かめた。受け身をとった左手の手袋が濡れてるくらいで水の被害はほとんど無い。
いってぇえええ。尻打った。
そう思っていたら視界が暗くなってきた。(やべぇ、ブラックアウトするかも)
痛みとショックとびっくりしたので血圧が一気に下がったのだろう、すぐにしゃがんだ。
(なんであんなにしっかりシミュレーションしたのにコケたんだろう)
と、済んだ事をいちいちぐるぐる廻らせながら腰や尻を探って異常があるか確かめた。

(やべぇ!尻が割れてる!)

アホなボケをして大丈夫そうなのを確認した。よかったー、たいしたこと無くて。
とはいうものの、ハードに打った尻はちょいと痛い。青くなってたら蒙古斑じゃん。まあ、こんな浅はかなミスをするオレにはぴったりだよ。赤ちゃん野郎だわ。

まあいいや。またいつか飲んだ時の話題にでもしようっと。そう思いながら歩いていたら目の前に沢があり、橋が…
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おいぃぃいいいいいいいいい!!!!


さっきより全然幅が狭くて大股で超えられるが、トラウマがハンパ無い。飛び越えずに靴を半分水没させながら渡りました。

そしてしばらく歩くと線路が出てきた。
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どうやらトロッコの廃線跡らしい。やっぱりここは白珪石の採掘場だったんだと認識させられる。
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ただ、崩落が激しく、補修もあまりされてないのでちょっとだけ危険だ。
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言うてみればさっきの沢の橋もいつから流されたままなんだろう。

そして14時45分、近丸新道登山口まで降りてきた。なんとか無事に帰ってこれました。尻の痛みもだいぶ引いたし。
近隣の散策道の案内看板をながめていたら登りから時々話した兄ちゃんと偶然再び逢った。兄ちゃんは往路と同じ徳ちゃん新道で降りてきたとか。近丸新道で起きた惨劇を身振りを交えて兄ちゃんにオレのバカさ加減を披露した。『無事で何よりでしたね』の言葉で救われた様な気がした。

ホント、無事でよかったよ。


帰りは窪平温泉『花かげの湯』に寄って帰った。
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体重計に乗ったらまた減量している。スッ転んだ時に沢に体重が流れて行ってしまったのだろうか。まあいいや、帰りに超山盛りご飯を食べれるじゃん。プラスに考えよう。




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by moriyart | 2015-11-23 11:58 | 甲武信ヶ岳

甲武信ヶ岳

甲武信

こうぶしん?かむしん?
『こぶし』と読むそうだ。甲州、武州、信州の3つの州の境にあるため、この頭文字をとって甲武信としたらしい。
甲州=山梨、信州=長野。武州ってなんじゃ?
それは埼玉県なのだとか。知らなかったのか忘れちゃったのか定かではないが、武州という言葉を改めて学ぶきっかけとなった。
ということは山頂に立てば3つの県同時に足を踏み入れている事になるのね。なんかワクワクするわ。よーし行ってみよう。

とは言っても もう11月の後半。3000メートルクラスの山は雪化粧をしているところもある。この山だって2500メートルくらいある。雪は無くとも凍結している可能性は大いにありそうだ。夏山しか行かないオレが行ってもいいのか少し心配になった。
行こうと決めてから数日間、『ヤマレコ』や『ヤマケイ』、『ヤマップ』などで つい最近登った人の山行記録を探し回り、甲武信ヶ岳の積雪情報を得ようとするが、登っている人が少ないのか、記録を残そうとする人が少ないのか情報がけっこう乏しい。
ただ、少ない情報を全部あつめると どうやら雪の心配はなさそうだ。ただ、昨日まで雨が降っていたので夜の冷え込みで凍らないか心配だった。
そんな中、夕方のニュースで『最近、静岡山梨は暖か過ぎる晩秋』という非常にタイムリーで有益な情報を得たので、甲武信ヶ岳に登る事をついに決心した。

いつも山梨へは52号線を抜けて行くが、行先が埼玉寄りの山梨なので、朝霧を通り精進湖横を下って甲府市に降りる。ここを通るのはとても久しぶりだ。けっこう新鮮。


深夜、西沢渓谷の駐車場に到着。
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最後まで国道だし、すぐ近くに道の駅があるからすごくアクセスがいい。国道ゆえにヘタすりゃ積雪時もノーチェーンで来れるかもしれない。
駐車している車が少ない。夏山シーズンはとっくに終わり、もう来る人は減ってしまったのか。外に出てみると当たり前だが寒い。さあ、気合いを入れて寝ましょうか。フリースやらダウンやら着れるものはみんな着込んで 肉巻きおにぎりの様な風貌になって座席に丸くなる。 しかしそれだけ着込んでも秋の渓谷の寒さは堪えた。寒くて何度も目が覚めた。

5時過ぎに目が覚め、ゆっくり支度をした。何台か車がいるが、出発する人がいない。それでもここからの行動時間は9時間くらいになるので早めに出ようと5時45分、出発。
ほとんど真っ暗な山道をナゼかヘッデンを点けずに歩いていく。目を凝らせばなんとか見えるからいいや…と、なんともバカな行為。突然、目の前を大きな物体が横切りフワッと宙を舞い、ガードレールを飛び越えた。不思議とびっくりしなかった。それは二頭の鹿だった。ガードレールの向こう側の落差は大きいが、着地した時の音は落ち葉がつぶれる小さなカサッという音のみだった。さすが草食動物。肉食から逃れるために気配を消すのはお手の物なのか。それにしても最近鹿をよく見る。数が増えすぎていると聞くが、里に降りて来てしまったのかな。


道の駅でトイレを済ませてきたのだが、歩いているうちになんだかあやしい気配。この先にトイレがあるのを知っているんだけど山のトイレだしなぁ。暗くて狭くて紙なんて無さそうだなぁ…なんて思っていたが、到着してお世話になってみれば水洗トイレだった。
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はぁ~ありがてぇ。

スッキリしたらテンション↑。調子よく山道を速足で登る。
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『徳ちゃん新道』入口に到着。
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脇に山荘の廃屋がある。けっこう大きい。どうして閉鎖したのかわからないが、これだけ大きければ、いっときはお客さんで溢れていた時代もあったんだろう。廃屋をながめていると寂し~い気分になる。
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甲武信ヶ岳の山頂へは基本 樹林帯。ほぼ山頂まで森林限界は超えないという。
という事は、展望があまり宜しくない または見晴らしのいい尾根歩きが無い  という事になる。ちょっと残念だけど、それなら樹林帯の雰囲気を楽しもうと たまに足を止め、木々の奥の方の景色を眺める。実家の近所山の雰囲気みたい。里山チック。

それでもたま~に木々の間から遠景を望む事ができる。奥秩父っぽい低い山が幾重にも連なり、山深さを感じさせる。遠くに富士山。
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青みがかった富士山がクールで綺麗。
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手書きの看板があった。
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右下の角になんかゴミでもついてんのかと思ってよく見たら、
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キツネの絵だった。『あ!かわいい!』思わず声が出た。(女子か)
『甲武信』の文字だけにしとけば一色で済むのに いちいち手が込んでいる。山も三色くらい使って塗ってある。
いいなぁ、こういうセンスって好きだなあ。

9時過ぎ、突然スカッと見渡せる岩場に出た。
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さっきよりも標高が上がって富士山までの低い山の連なりに奥行きが出てきた。すげぇ鳥観図みたい。
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先行していた兄ちゃんが休んでいて色々と話した。挨拶の中で”穏やか””暖かい”が出てくる。あ…そういやそうだ。この気候、11月後半っぽくない。9月の終わりか、10月頭くらいな感じがする。兄ちゃん半袖でズボンの尻の部分が汗でびっしょりだし。
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オレも脱げる所まで脱いでフリースとダウンはザックに押し込んである。
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その後もやっぱり樹林帯を延々と登り続ける。
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ってかこの山ふもとから ず~~~~~~っと登りだ。急登もかなりあって実はかなりキビシイ山かもしれない。いろんな人と話したが、みんな『この山なめてた』と苦笑い。おまけに展望がほとんど無いので時折我に帰り、(なにかの苦行なんかじゃないのか)と自問する。
でもいいのいいの。こういう山も一つの性格。楽しめ楽しめ。
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急坂を歩く時によく『よいしょ、こらしょ』とつぶやくように掛け声を出して登ることがある。
ここは『こぶしがたけ』というくらいだから何かこぶしの効いた掛け声でも。こぶしといえばあのかたかな。水前寺清子。
かけ声も『うんにゃ、うんにゃ』に変更。時折(アソーレ)の合の手を入れる。最後には歌い出した。

山頂は♪
歩いてこない♪
だーから歩いて行くんだね♪
一分で百歩一時間で数千歩♪
まーんぽ歩いて♪
かーつらく♪(おいおい)
(ホントに歌ってました)


坂を登りきると木々が無くなる所があり、目の前にとんがりな山が。
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コレが甲武信ヶ岳か。ほぉ~、里山っぽい。本当に山頂まで樹林帯だ。
一度大きく下り、やっぱりキツイ登り返しが来る。

もう少しで小屋というところで木の皮が大きく剥がれているところがあった。
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(やべー!熊の爪痕!)と一瞬ビビったが、いやいやきっと鹿が木の皮を食ったんだろうと落ち着かせた。

木々の間からアットホームな雰囲気の建物が見えたと思ったら、
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9時45分、甲武信小屋に到着。しばらく休憩。
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あれ~?コースタイムを信じるとここには11時くらいに到着予定なんだけどなあ。山と高原地図のコースタイムって厳しめな時もあり、やけに緩めな時があるけど、今回は緩めな方だったみたい。予定より早く着くっていいことだからまあいいか。
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さっきの兄ちゃんが休んでいたので一緒に小屋に入って一緒に山バッジを物色する。小屋番のかたが忙しそうに仕事をしていた。通りがかった小屋番のかたに声をかければ、好きなの取ってソコにお金入れてって…とワリと放任的だ。兄ちゃんは凝った造りの千円のヤツを一度手に取ったが、やっぱり思い直したらしくオレと同じ500円のにした。
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デッキから見下ろすとテン場がある。
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今のところ一張りも張って無い。下が土で柔らかそうだ。階段状になっているので豪雨の時には浸水の危険がある。

しばらく休んだあと出発。ここから数百メートルで山頂だ。
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by moriyart | 2015-11-23 11:42 | 甲武信ヶ岳