どこかに行きたい

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その8(式根島)

感 想

伊豆大島に比べれば確かに小さい。目立った観光地もアクティビティができる場所も無いが、なんだろう…狭い所にギュッと凝縮された良さを感じた。
海遊びと温泉が好きならば、きっとこの島の虜になるだろう。海水浴ができる6月以降に本気を出しそうな島だ。
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この島に来て久々にワクワクする事を思い出した。
学生から社会人になった時に、いろいろな制限から解除され、自分で稼いだお金で欲しかったものを買ったり、マイカーで行ったことのない場所へみんなで行ったり。日々、初体験や初めて見たものに感動していた あの若い頃の感覚を思い出した。船に乗る瞬間、温泉に足を付ける瞬間、焼けた肉を口に入れる瞬間の あのうれしくてゾワゾワするあの感覚。
大人になりきってしまった今では、初めて来る場所でもどこか”見たことある”とか”こんなもんだろう”なんて冷めてしまっていた。
でも島に渡った程度でこれだけ楽しめたなんて、なんて安上がりな性格してんだろう。でももし、海外の見たことも無いロケーションの場所に行って超絶景色でも見れたら きっと気絶してしまうんじゃなかろうか。世界にはまだまだ知らないところが多すぎる。世界というより日本ですら感動できる場所をまだまだ知らない。

…ま、行きませんがね(行ないの間違いでは?)

週が明けて、職場で島に行ってきた話題を出したらみんな『島ァ?』みたいなリアクションをする。ナゼ島なのかと不思議なんだろう。

そして温泉入ってそのまますぐ横の海へ飛び込んだ事を話せば、事務員のマダム達が、
『えええ!!海に入った格好は?格好は?』
やたらと聞いてくる。
あ、そうか水着着用の風呂って最初に言ってなかったから全裸で海に入ったって思われたのか。
もし『ハダカだよ』と言えば、マダムたちはウットリ妄想したのか、吐き気をもよおして便所に駆け込んだのか、少し気になった。

あーでも ちょっとだけ全裸海水浴って憧れる。なんかこう、気持ちいいかもしれない。ホラ、あんな感じ。
母なる海へ自然な姿で還るのか。まさにネイチャーって感じ。



およそ24時間の滞在だった。全部回りきるには やはり少し時間が足りない。観光地が少なそうだからキャンプ場か海岸でノンビリ寝てればいいじゃん…なんて思っていたけどとんでもない!もう一日以上時間が欲しかった。ここを拠点にして連絡船で新島まで遠征しても楽しそうだ。となると3~4日は欲しいだろうなぁ。

キャンプ場で一緒だった兄ちゃんは夏にもう一度来ると言っていた。自分もこの島がとても気に入ったので またいつか必ず来ると思う。混むのは嫌いだから夏には来ないと思うけど、もうちょっと温かい時に来てみたいかな。何年先になるかわからないけど、あのおいちゃん生きてるだろうか。


よし、来年は『神津島』だ!天上山登るぞー!

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式根島 おしまい





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by moriyart | 2017-03-19 00:18 | 式根島

その7(式根島)

時計を見たらもうすぐ10時。
村民文化祭が9時から11時までだからもう行かないと終わってしまう。ここも入浴せずに切り上げた。ってかどうせ水着持ってないしね。

自転車を飛ばして『式根島開発総合センター』に10時7分に到着。
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狭い島なので歩きじゃなければ移動はあっという間だ。
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会場は賑わっていた。
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展示物もたくさんあった。島特産の『明日葉』入りの味噌汁が無料でふるまわれていた。一杯いただこうと近づいたんだけど、配っているおねぇ様が話に夢中でオレに気が付いてくれない。いや、もしかして無視しているのか?

『よそ者なんかにゃ味噌汁あげるわけないじゃん!外で側溝の泥水でも飲んできな部外者!ここは東京都だよ!田舎へ帰れ静岡県人!』


とか、心中思われてたらヤダなぁ。(アホか)味噌汁配布所の前をニワトリみたいに右往左往して存在に気が付いてもらうに必死だった。 そんなアホな努力が実ったのか、やっと気が付いてくれて無事味噌汁をゲットできた。いただいて飲んだ。獲得に苦労した分、とてもおいしかった。

大ホールでは島で採れる食材で作った弁当や総菜などいろんなものが売られていた。
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昨日までのオレだったら何も買わなかっただろう。とにかく節約したいからだ。
キャンプ場で知り合った兄ちゃんとの話の中で、

(キャンパーは島に来ても無料のキャンプ場へ泊って自分で持ってきた食材を食べて、島に全然お金を落とさない)

そう聞いた時に、なるほどなぁとひどく反省したのを思い出した。オレなんかお金を落とさないどころか無料のごみ集積場所に残飯やゴミをしこたま捨てていった。
それでは島の人もイヤな気分になってしまうだろう。だからここで今日のお昼を買って帰ろうと決めた。

おにぎり弁当500円
厚揚げ250円
ドリップコーヒー250円
厚揚げ売り場のおねぇちゃんが一生懸命大きい声で客寄せしていたので熱意に負けて買いました。
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微々たる量ですがこれで勘弁してください。

11時前、レンタル自転車屋に帰ってきた。
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13時の船だからまだちょっと早いけど、返却してからちょっとだけ歩きながら観光してみようと決めた。
兄ちゃんが『いろんな写真を撮って回りたいから、やっぱ基本歩きっス』と言ったのを思い出したからだ。
ってか、さっきからどんだけ兄ちゃんの言葉に影響されまくってんだろ。短い付き合いの中で、いろいろ歳とってから忘れてたちょっとした事をを思い出させてくれたんだろう。ありがたいなぁ。

レンタル自転車を返してから店の向かいを見ると島にしては大き目な商店があった。つい興味本位で入ってみた。
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レジに立っていたのは、朝一緒に温泉入って、海入って、生の島海苔食べさせら…いや食べさせてくれた例のおいちゃんだった。
なーるほど、やたら口が達者なのは商店の主だからか…。おもいっきしなっとくした。

そこからは売り場を移動するたびに着いて回って『コレが人気NO.1だ』とか濃過ぎる待遇を受け、ついに熱意に負けて『乾燥島海苔』を買った。450円だったかな。
礼を言って店の外に出るも着いてくる。二階を指さし、『うちはこういうのもやってるから』と言うので見上げると看板に『10泊3万円』と書いてあった。『オトクですねぇ』なんて口を滑らせたら『中を見て行け!』とグイグイ攻めてくる。
民宿の様な感じ。部屋が4つあって共通の大部屋、浴室、トイレなど。本当に悪くなかった。ってかむしろイイじゃん。

『いつか必ず来ますからその時までお元気でいてください』
そう言うと、オレが手に提げている荷物を奪い、手で腹を突けというジェスチャーをする。突くというよりグーで押してみたら見事な硬い腹筋。”まだまだ衰えてないよアピール”をしっかりと受け取りましたよ、ハイ。
歳は聞いてないけど65は超えてそうだ。元漁師なのかと聞いてみてもヘンに誤魔化すばかりだ。

お礼と別れの言葉を言うと、おいちゃんもなんだかいろいろと言う。
『あーる・いー、うんたらかんたら(聞き取れない)』
いちいち横文字というか、ひらがな英語が出てくるので何言ってんだかさっぱりわからん。ただ、そのひらがな英語はどうやらテキトーなスペルでは無く、本物の様な感じだ。
ってか何者なんだろう…ホントに…。
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その後はゆっくり歩きながら島の景色を楽しんだ。高台から港を望めば東京行きの客船『さるびあ丸』が出航していった。大学生二人組はあれに乗って途中立ち寄る伊豆大島で降りてもう少し島ライフを延長するか、東京へ帰るのか どちらかだろう。


ゆっくり歩いて見て回ったつもりが11時半に港に着いた。船は13時。

仕方ないので船の中で食べるつもりだった文化祭で買った弁当を船客待合所で食べた。
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待合所は誰もいなくて静かな場所でゆっくり食べれた。壁の掲示物を読みながら弁当のパックを開ける。
弁当は手作り感があっておいしかった。おいちゃんの店でも村民祭準備に午前2時から準備していたと聞いた。

港で時間をつぶして観光案内所に荷物を取りに行ったら、中に兄ちゃんがいて案内所のおねぇちゃんと楽しそうに談笑していた。コミュ力高いなぁ、感心してしまう。ああ、そうだっけ、同じ船で下田まで帰るんだった。
12時半に帰りの船『あぜりあ丸』が見えたので二人で乗り場まで向かう。
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乗り場に向かう途中、『式根島のバッジ欲しいっすか?同じのたくさんあるので』と聞かれたので遠慮なくいただいた。
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けっきょく一番最初のミカンから最後のバッジまで兄ちゃんにもらってばっかだった。悪いね、なんか若い君から物以外の事も色々ともらった様な気がする。ひと回り以上年上のオレからは なーんも与えてたいんだけどさ。多方面で貧乏だもんで。性格とか。(うっさい)
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名残惜しいが出航。
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甲板から離れてく島をしばらく眺めていた。島ってだいたい真ん中が火山で山なりな形してそうだけど、式根島ってなんか真っ平。いちばん標高が高い所が100mくらいだったかなぁ。ちょっとわかんない。
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帰りの船ではずっと兄ちゃんと話していた。兄ちゃんは船に弱く船酔いがひどいので終始寝ころんでいた。時折起き上がっても船が揺れるたびにすぐに寝転がる。ガタイがいいんだけど、船酔いとは関係ないのか。

途中、神津島に寄港した。
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甲板の上から島をずっとながめていた。今度伊豆七島に来るなら、たぶんここかなぁ。山があるし。
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手すりから身を乗り出して海を見下ろしたら港の海底が見える。
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なんて透明度だ。船の出航の時に使う紙テープのちぎれたのが底の方で漂っているのもわかる。
こりゃ海水浴に来たら気持ちいいだろうなぁ。

出航するまで港での荷下ろしの作業を船の上から眺めていた。


神津島を出航してから数時間、長めの航路を話して過ごした。

そして16時過ぎ、下田港に帰ってきた。
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兄ちゃんとはここで別れた。


さて、帰りますかね。






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by moriyart | 2017-03-18 18:53 | 式根島

その6(式根島)

二日目、5時過ぎに起きた。
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波の音が聞こえる。外に出てみると少し曇り気味だった。
歩いて5秒の海まで来て、朝日に染まる磯の風景をながめていた。自分の足元から砂浜へ立ちションの跡があった。夜中に便所に行くのがメンドーで、どうやらここで済ませたようだ。
あぶねぇ!踏むとこだった。誰だ!この中の4人の誰かだな?
12時前にはどんどん自転車を返して13時前には港で待機してないと今日の便に乗れない。一日ひと便なのて乗り遅れたら明日になってしまう。さらに海上が荒れて明日欠航にでもなったら目も当てられない。一泊分の食料しか持ってないし、職場も休めない。遅刻厳禁だ。

朝飯の支度をした。
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パンを焼いた。ベーコンエッグも作ろうと、ベーコンを焼いて上に生玉子を落とす。
なんかフライパンと五徳がガタガタしてるなと思ったら、フライパンがテーブルの上に落下してひっくり返った。
テーブルの天板の隙間から生玉子が地面へ抜け落ちてしまってテーブルの上には 半焼けのベーコンだけが残った。仕方ないのでベーコンだけ拾い上げてもう一度焼いた。
あっちゃー…しょうがない松の木の上からこっちを見ているカラスくんにあとで食べてもらうか。
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食器を洗い、立て掛けて乾かしている間に朝風呂ならぬ朝温泉に行こう。カイヅカイブキに紐を渡して物干しにしていた場所からタオルと水着を取った。

脱衣所で着替えている時に兄ちゃんも朝風呂にやってきた。
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そのうち若者一人も来た。もう一人の大学生は寝ていて起きないという。
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日の出から30分程度しか経ってないので朝日がいい感じ。3人で浸かっていた。
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寝起きでテンションが そう上がるわけでもなく、会話は控えめ。
なんとなくぼーっと景色を見ていたら、脱衣所に誰かが来た。

白髪のおいちゃんがやってきた。そして若者達と大いに盛り上がっている。ああ、昨日話題を咲かせてた人物って、このおいちゃんか。
朝からにぎやかで喋る喋る。時折意味不明な横文字を並べる。カタカナ英語というよりひらがなっぽい。
いつの間にかオレもそのおいちゃんのペースに飲まれてしまった。

『じゃ、今日も海へ入ってみるかね』

(えええええええええええ!)心の中で大絶叫していた。3月の早朝に海へ入水だなんて死ぬじゃん。オレは観光に来たんだ、修行じゃない。
おいちゃんの命令に近い提案に断れるはずもなく入水自殺…いや楽しい行水の準備を進める。この若者達は昨日まであたり前の様に入っていたからもう慣れちゃってるみたい。

源泉の量を増やし、冷却用の水を絞り、湯温を上げてできる限り体を温めておく。
充分に温まったら、いざ!海へ入水じさ…いや、観光入水!

一番に入った兄ちゃんが『撮っていいっスよ』と言ったのでパチリ。(晒していいよとは言われてないけど…)
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岩の上にカメラを置いて腰まで浸かったあと、一気に前へ飛び込む様に浸かった。
『はぉっふぅ!』
やっぱ変な声出た。温まって広がっていた血管が一気にキューってなっていくのがわかる。呼吸のリズムがヘンになる。岸まで必死に泳いだ。

その時、夢中で必死だったんだけど、一瞬だけ(めっちゃ海が透明だ!)と感動した瞬間があった。海底までスッケスケだったからだ。

海から上がるとあまりの冷たさにみんな勝手に笑みがこぼれた。おいちゃんが『島海苔』があったと、岸壁から剥がして『食え』と差し出した。腹が弱いのでちょっとだけかじってみた。ちょっと固いかな。無くならないガムみたい。
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キャンプ場へ戻った。
自分は今日帰るので片付けよう。他のみんなも今日でやっと帰るらしい。昨日までもう一日ステイしようかちょっと悩んでいたみたいだけどやっぱり帰るらしい。なのでみんな各々テントを片付けた。
みんな『村民文化祭』に行くらしいので自分も観光を早めに切り上げて行けたら行くよと声をかけてみんなと別れた。

まずすべての荷物を背負ったまま港まで向かった。観光案内所で荷物を預かってもらい、身軽になってから自転車を漕いで観光地を廻った。

『泊海水浴場』
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映画とかアニメに出てきそうな入り江の砂浜だ。
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夏は海水浴客で賑わうんだろう。透明度が高いうえに魚がたくさんいるらしいので海に入っているとすぐ横を熱帯魚が通り過ぎていくのだそうだ。
夏の式根島も興味があるなぁ。
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その後もいくつかの海岸線と海水浴場や夏専用のキャンプ場も見て回った。

式根島には露店の温泉が朝入った『雅の湯』以外にもう二つある。そこも見てみよう。
そこへ向かう途中にある『湯加減の穴』
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ここに手を突っ込むと現在の『地鉈温泉』の湯加減がわかるのだそうだ。
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なんかちょっと温いかな。
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その先にある『地鉈温泉』
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鉈で割ったような地形なのでこういう名になったとか。
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自転車を停めた場所からけっこう下りていく。
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ホントに鉈でスッパリやったみたい。細い道だ。

断崖の岩の間を抜けると…
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磯のくぼみの中はすべて温泉。あっちこっちの大きな水たまりはすべて温泉。バカすげぇ!
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源泉は80℃くらいあるので、海水と混ざってちょうどいい湯加減の場所を自分で探すらしい。
ってことは干潮の時は全部熱くて入れないって事か。
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ここの温泉も硫化鉄泉。錆水の様な色だ。
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ってか、場所によってはほとんど海。もう海との境目が無い。ここまで海と境目の無い温泉見たことない。
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海に入って、寒くなったら温泉に入って、また海に入ってーなんて入り方ができそう。

だ・け・ど、

シャワーが無い、更衣室が無い。おまけに時間が無い。なのでここの入浴はあきらめた。

ホントに天然で、特に清掃とかしてるわけじゃないから、岩に苔というかなんというかヌルヌルしたなんかが付いている。手でこするとヌルヌルが剥がれてぶわぁーって湯に浮いてくる。
シャワーで流せないんじゃしょんないなと素直にあきらめて写真を撮って温泉地を後にした。
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さっきの断崖の細い道の下には落石の跡が幾つもある。頭上注意だ。
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ここの岩は柔らかいんだろう。心無い人達の記念の文字が多数彫られていた。イニシャルだったり、フルネームだったり。
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でも『昭和三十年』とか彫ってあって、石の保存力のすごさを思い知った。木や人工物に彫っても何十年も残らないだろう。
(こんだけたくさん彫ってあるなら、ちょっとぐらいオレだって…)
1秒だけ悪魔がささやいたが、悩むことも無く岩を彫るのをやめた。
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一応照明があるから夜も来れるんだろう。

でも人里からかなり離れているから一人で来るにはかなり勇気がいるだろう。
ホラ、夜の海って…アレじゃん。いやじゃん。


もう一つの露天風呂『足付温泉』にもやってきた。
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ここはかなりひらけた場所で、だだっ広いエリアにあちこちのくぼみに温泉が湧いている。
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波打ち際に海に近いくぼみの温泉におっちゃん集団が入浴していた。

ここには脱衣所があるが、そこで着替えるのがめんどくさかったんだろう、岩の影に隠れて着替えている。
オレの存在に気が付いて集団で岩陰に身を隠した。
オレが女ならわかるけど、男だから別にいいのに…。50メートルほど離れた岩陰に裸の人間がチラっと見えた後、岩陰に隠れられると、なんか別の生き物を目撃したかのような不思議な気分になる。


世界の人魚伝説ってもしかしたら岩陰にいたスッ裸のオッサンだったのかもしれない。

んなワケねーよ!




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by moriyart | 2017-03-18 18:19 | 式根島

その5(式根島)

『松が下 雅湯』に到着。
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地元の人らしき おっちゃんとおばちゃん3人入っていた。
オレは二つある大きな露天の誰も入ってない方に恐る恐る入ってみた。
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あったけぇ~

思わず声が出た。3月でもさすがに夕方は寒い。湯加減もちょうどいいのでうれしくてウキウキしてくる。こんなにワクワクウキウキしたのは久しぶりだ。なんかこう、うれしすぎてゾワゾワする。誰かわかってくれこの感覚。
『そっちゃぁ熱くないかえ』
地元のおっちゃんが聞いてきた。観光客にも警戒せずに話しかけてくれる。風呂みたいにあったかい雰囲気にさらに気分が良くなった。
しばらく入っていたんだけど、沈みゆく太陽に夕飯が食べれなくなりそうな不安を覚え、温泉から上がった。
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…残念ながら温水シャワーというものが無い。ここの温泉は『硫化鉄泉』で錆水の様な色をしている。白いタオルや水着は茶色く染まってしまう。だからどうしてもシャワーを浴びたい。意を決してハンドルを回して冷水を被る。
『おっふぁっ』
ヘンな声が出た。あたり前だが水が冷たい。呼吸困難になりそうだった。それでもなりきに浴びるのもアレなので頭をゴシゴシやったり水着のゴムを広げて股間を冷水アタックしたりした。
なんだか 温まったのか冷めたのかどっちだかわかんないや。
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キャンプ場に三たび帰ってきた。もう17時20分。やべーやべー、御日様もうちょっと待ってくれぃ。
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すぐに炊飯開始。風が無いからアルコールストーブで挑戦してみた。アルコールストーブって火加減が調節できないからうまく炊けるかわからんけど。何事も挑戦。
コッヘルが沸騰するまでバーベキューする方の準備をした。持参してきたウイスキーを飲みながら。(またかよ)

『みかん余ってるんですが、食べます?』

そう声がかかったので顔を上げると、みかんを差し出している兄ちゃんの姿があった。隣のテントの3人が帰ってきていた。なるほど、テント二つで人は3人か。
あ、この兄ちゃん、キャンプ場へ向かって歩いてる時に島の真ん中ですれ違って挨拶くれた人だ。すぐにわかった。

軽く話した。声をかけてきた兄ちゃんはここへ何日か連泊していたそう。島をいくつか渡り歩いて途中で知り合った若者二人組と途中から一緒に行動しているのだとか。
いつも夕食後に温泉に入りに行くので、よかったら一緒に行きましょうと誘ってくれた。
ちょうどその時コッヘルからごはんの汁が噴出し始めて、火力を落とせないので持ち上げたり忙しい時だったので、対応が意識半分で申し訳なかった。

ごはんが蒸らしに入った段階でオレの今宵の宴が始まった。
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手のひらほどしかない極小グリルを持ってきたので小さなバーベキューをした。
写真はフランクフルトではなくソーセージ。いかに小さいかわかる。
高さも地上20センチも無いのでウ〇コ座りで割りばしでチマチマつついて焼く。
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アルコールストーブで火力調整ができない中、奇跡的にごはんが上手に焚けた。テキトーにやってもうまくいくもんなんだな。ありがてぇ。
去年の大島はカレー。今年はBBQ。もし今度があるならば何にしよう。
…揚げ物? 無理だわ。
焼いて食べている本人は幸せそうだが、傍から見るとしゃがんで背中を丸めながら地上ギリギリで焼ける肉をいじくってるさみしいオッサンにしか見えないだろう。
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そのうち真っ暗になった。
下から炭の炎に照らされた肉は、生の場所がピンクに透けるので食べごろがひと目でわかる。不思議な光景だった。

隣のソロのおっちゃんは、たぶんサッと食べれる何かで済ませて早々にテントの中に入ってしまった。
三人組の若者はいまだに中央のかまどで盛大にバーベキューをしている。燃料を現地調達しているらしく、枯れ枝を集めて燃やしている。
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片付けと洗い物をして、やることが無くなったんだけど、まだ腹と酔いに余裕があったのでもう少しだけ酒を飲んでいた。コップを持ってくるのを忘れたので代わりにシェラカップで呑んだんだけど、かえってキャンプらしい雰囲気が出て良かった。
キャンプ場と海がものすごい近いので時々海まで行って十五夜一歩手前の明るい月夜の海の景色をながめていた。大きな岩礁の上に生えている松の葉に、月の光が反射して光っている。明日の夜は十五夜だ。

戻ってきてかまどの方を見たら、若者三人組がまだ盛り上がっていた。さすが若者だなぁと感心しながらテントに入った。

寝袋に入ってスマホをポチポチいじっていたら、テントの外から呼びかけるような声が聞こえる。何回か聞こえるうちに、”これってオレに言ってるのか!”と理解し、飛び起きて返事をした。温泉に行く誘いだった。

若者三人と一緒に温泉に向かう。 あれ?もう一人のソロのおっちゃんは?と思ったけどなんとなく聞かなかった。

脱衣所はあれどとても小さい。二人が限界だ。なのでオレは外で盛大に素っ裸になって水着に着替えた。真っ暗だし、いいや。

温泉に浸かりながらいろいろと話をした。声をかけてくれた兄ちゃんは28歳。二人組の若者は大学生なんだとか。神津島で知り合って仲良くなってから兄ちゃんの式根島推しでみんなで移動してきたんだそう。
今までオレ以外もここに来て、そして帰って行ったらしい。何回かメンバーが入れ替わったりしてたのだそうだ。
みんな若いんだけど、しっかりしている。オレみたいにオドオドしてなくて、なんていうかみなぎる自信みたいな何かを感じた。それが若さなのか。なんか羨ましかった。

この三人の話題の中にちょこちょこ出てくる人物があった。ここ式根島の地元のおいちゃんらしいが、どうやら強烈な個性を持ってるっぽい。話を聞きながらどんな人か想像していた。

ゆっくり温まったあと、例の冷水シャワーを浴びて出た。相変わらず呼吸困難になりそうな冷たさだ。若者たちはもう慣れていて普通に浴びていた。

キャンプ場へ向かう道で明日の事をちょっと話した。
明日は式根島の『村民文化祭』があるのでそこに行くらしい。自分も島を廻って、時間があったら行くよと言った。各々自分のテントに入って寝袋に入った。

波の音が心地よくて一瞬で寝てしまった。






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by moriyart | 2017-03-18 17:55 | 式根島

その4(式根島)

一度キャンプ場に戻り、支度をしてすぐに観光に出発した。
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海岸線沿いを西に向かうと露天の温泉がある。最初にちょっとだけ見ておこう。

すぐ『松が下 雅の湯』に到着。
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水着着用の混浴風呂なんだけど、今は誰も入ってなかった。
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ってか、大きい。海近い。温泉の囲いのすぐ向こうは海じゃん。超すげぇ、絶っ対あとで入ろう。これで無料ってすごすぎる。
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時間が無いので自転車に乗って別の場所へ。
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散策道入り口に自転車を停めて歩き出す。全然人いない。
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おーなんか、馴染みのある風景。山歩きみたい。
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『隈の井』についた。
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なんにも無い所だけど景色が良かった。
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100m近い断崖なのかな。落ちたら死ぬ上に見つけてもらえなそう。ちょっと玉ヒュンした。
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ひとしきり景色を楽しんでから歩いて移動。

お次は『唐人ヅシロ』
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なんかだだっ広い板張りのデッキがあった。
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その先は海岸線。踏み跡があったのでそれに沿って奥へ進む。
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海ぎりぎりにある山の尾根を歩くかのような場所だった。
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標高100mあるかないかくらいの場所なんだけど、草木が一本も生えてないのでアルプスの3000m級の稜線を歩いている様な錯覚になった。でも眼下には海で絶景だ。
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ナイフリッジっぽいところもあって片側がスッパリ切れ落ちてるのでドキドキした。
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窪地に落ちる 稜線とオレの影。
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そろそろ陽が大きく傾いてきた。ちょっと時間が足りない。途中から駆け足に変わった。松でできた狭いトンネルの様な場所を駆けていく。暑いので走りながら一枚ずつ上着を脱いで脱皮していった。
それにしても他の人にまったく逢わない。シーズン外なのか、時間が遅いだけなのか、たまたまだけなのか。
もしオレがここで宇宙人に拉致されたら目撃者不在の神隠しになるんだろうね。
…ならねぇし、宇宙人いないし。

『神引展望台』に到着
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もう夕方だ。今日はここで観光を最後にしよう。
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よく整備された散策道を登っていく。
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ここも海岸線上の断崖の上を歩く。でもここは整備されていて安全な感じがすごいする。

良い景色だ。すこし霞んで見えるのは『利島』だろう。
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だーれもいない。写真を撮ってくれる人がいない。しかたないので屋外テーブルの上にカメラを置いてセルフタイマーで撮った。
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いい景色いい天気いい雰囲気。それすべてを負に変えるオッサン被写体。

時計を見ると16時半前、こりゃちょっと時間を取り過ぎた。
駆け足で下り、自転車のアシストモードを『強』に上げて立ち漕ぎでキャンプ場へ向かう。

途中、商店で明日の活力を買って帰った。
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500mlで300円。思ったより高くない。ってか、山小屋で買う値段で慣れてしまっているので、普通の値段が安く見えてしょうがない。
飲まなきゃこの値段分節約できるのにね、そういうところがダメなんだろう(アーアー聞こえないアーアー聞こえない)


キャンプ場に帰ってきた。
景気づけにさっき買った500のビールを開けて一気に流し込む。下品なげっぷをする。
コッヘルに米と水を入れて置き、米に水を吸わせて炊飯の準備をする。保冷バッグから冷凍しておいた肉を出して常温で解凍させておく。
テントの中で水着に着替えて上にスウェットを着た。
カメラを持って自転車に飛び乗り、露天風呂まで急いで行った。

…風呂に行くのに興奮しながらカメラを持っていく…

状況をわからずこれだけ聞くと、でばがめ以外の何物でもない。要はヘ・ン・タ・イということだ。


観光地の露天風呂に何期待しちゃってんだか…




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by moriyart | 2017-03-18 17:47 | 式根島

その3(式根島)

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ここでも何人かが下りて行った。
オレは船や港をいちいち見て回っていたので誰よりも遅く港から出て行った。
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港にあった自販。
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思ったより高くない。てっきり流通が困難でけっこうなお値段だと勘違いしていた。
ドクターペッパーがあった。思わず財布をゴソゴソまさぐったが、どうせ帰りもここを通るし、物珍しさだけにドクペを買うなんてドクターに失礼なのでやめておいた。(なんだそれ)

電話ボックスがある。
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久しく見てなかったけど、この式根島の中ではいくつかあった。貴重な景色だ。

港の出口にあった『観光案内所』に寄った。
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ここでキャンプ場の利用申請をした。
『何人かもう利用されているので、譲り合って仲良くご利用ください』と。
もう少し細かく聞いてみた。4人で3つのテントなんだそうだ。となるとそのうちの2人はソロなのかな。

お礼を言って案内所を出た。キャンプ場はここから島の反対側の海岸にあるという。歩いても20分程度らしい。
島の反対側まで歩いて20分だなんて けっこう小さい。ホントに自転車で充分そうな感じだ。

港の出口に『開島100周年』のモニュメントがあった。今は130周年なので30年前に作られたものなのか。
ここの歴史はまだ130年くらいしかないのか…明治時代に開島された若い島だ。
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港を出ると上り坂。坂の上から港を見ると入り江の様。
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島の真ん中を横切る本通りを真っすぐ歩いて反対側の海岸に向かう。

途中、この島唯一の信号機があった。
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この場所に特に必要じゃなさそうだけど、一つでもないと『本州に行った時に戸惑ってしまう』からなのかな。子供の教育の為にも必要なのだろう。

島の風景はいたって普通。
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まあ近代的ではないけど、『ド田舎』とか『日本離れしている』わけでもない。
何を期待してたんだか…。

小さな島なんだけど車がけっこう走っている。その道路の端をバカみたいな大荷物を背負って歩いていると、運転手がこっちを見ているようなヘンな被害妄想をしてちょっと恥ずかしい。
前から若者3人組が歩いてきた。手ぶらだから島民なのかな?でもちょっと観光客っぽくも見えるけど…。『あー…キャンパーがまた来たよ』なんて思われるのかな(被害妄想)

そんなバカなことを妄想してたら向こうから挨拶をくれた。なんかうれしかった。

だんだん道が細くなっていく。
街並みも良い雰囲気になっていく。
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そしてついにキャンプ場へ着いた。
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芝生がよく手入れされているコンパクトなキャンプ場だった。
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どこにテントを張ろうかと場所選び。できれば隅に張りたい。
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先客のテントもやっぱり端の方に張られていた。
一人いたキャンパーに許しを得てお隣に張られてもらった。ちょっと間をあけてパーソナルスペースを確保。
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久しぶりにテントを張ったのでいつもよりちょっと手間取った。
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細引きの紐を後ろのカイヅカイブキに縛って簡易物干しも作った。
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キャンプ場の向こうはすぐ海。大島の時も海が近かったけど、かなり歩いて崖下に降りていくタイプだった。ここはすぐ海がある。理想的なタイプだ。

かまどがあって
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炊事場があって
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シャワーがある。
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あたり前だが冷水しか出ない。この3月に時期にこれを浴びるなんて修行以外ではありえない。
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4つのテントはこんな具合。今日はこのメンバーでここで暮らします。もう3人が見当たらない。どこかに観光に行っているのだろう。

…3人? ハテ、どこかで…。


とりあえず身軽になったところでレンタサイクルに行って自転車借りてこよう。
貴重品を持ってキャンプ場のすぐ近くにあるレンタルサイクルショップに向かった。ここに来るときに横目で確認したから場所はわかる。

途中、お葬式をやっていた。
低い所にあるお宅だったので道の上から敷地内に喪服を着ている大勢の参列者が見えた。当然、そちらからもオレが見えているので、場違いなオレは顔を伏せて足早に通り過ぎた。
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レンタル屋の引き戸を開けて声をかける。返ってこない返事。人の気配が無い。
『不在の場合はこちらの電話にかけてください』というボードが立ててあったのでそこの電話にかけてみる。無限に繰り返すコール。


…まさか

もんのすごい近所だし、葬式に参列しているんだろう。携帯もマナーにしているに違いない。
仕方がないので歩いて少し先にあるレンタサイクルに向かった。そこの店の料金表に『旧車 1日500円』と書いてあった。
安い!ここにしよう! さっそく声をかけるが不在。電話をかけても出ない。この店のかたも葬式に出ているのか。

さっきの店の前に戻ってきて交差点の縁石に腰を下ろした。
もう14時を回っている。自転車無しで観光に行くには場所に限りがある。どうしたもんか。心底困ってしまった。
もしかしたらごめんくださいが聞こえなかっただけかも。もしかしたら他の家族の人が対応してくれるかも。そう思い直し、店の扉をもう一度開けて大声で呼ぶ。

あたり前だが返事無し

あきらめて戸を閉めて、横を見るとこっちに向かって歩いてくる喪服のおっちゃんが遠くに見えた。しかもオレを見ながら。
少しだけ長めの髪をオールバックにしている。顔や体に貫録があって、さながらマフィ…いや何でもないです。
あたりを見ると喪服を着た人が手荷物を持って大勢歩いている。葬式が終わったらしい。
『なんでしょう?』
マフィ…いや、おっちゃんが聞いてきた。やった!店の人だ!待ち焦がれたよ頭目!(ファーザー)←失礼すぎ

普通の自転車を借りようかと思ったが『坂の多い島だから絶対にアシスト付きの方がいい!』と強く勧めてきた。
『でもガンバリます!』と食い下がったが、『1日1500円のところを今日明日2000円に負けてやるからこっちにしろ』と交渉を持ちかけてきた頭目。

…はい、仰せのとおりにファーザー、そうさせていただきます…。
『明日返す時に、あそこ適当に置いといて』
頭目のその言葉を背に漕ぎ出す。クンッとアシストが作動し、ひと漕ぎ目からめっちゃ軽い。三速の変速付きだが、アシストがあるから変えなくてもいいんだけど、試しに低速ギアにしてみたら(カッチャカッチャ)と変な音がする。
ひどいよファーザー…もっと良いチャカ…いやいやチャリをまわしてくださいよ。
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by moriyart | 2017-03-18 17:24 | 式根島

その2(式根島)

伊豆の下田港のフェリー乗り場に夜明け前に着いた。
午前2時に起きて下道を走ってきたのでもんのすごく眠たい。出航は9時30分なのでちょっとひと眠りした。もっと遅く来ても良かったんだけど、駐車できる台数に限りがあるらしく、着いたはいいが停める場所が無いのは悲しいので早着きにした。
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7時過ぎ、車から出てフェリー乗り場の方を見ると、たぶんオレが乗るであろう船が停泊している。作業員のかたが忙しそうに荷物を船に積み込んでいる。と、いうことは今日は出航する様だ。よし!とりあえず今日はクリアだ。だんだんウキウキしてきた。
そのうち次々と車がやってきてスカスカだった駐車場が満車になった。早着きしておいてよかったー!とりあえず一安心。
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8時前に神新汽船の営業所に入ってみた。
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8時から乗船券が買えるらしい。静かな営業所内のベンチに腰を下ろして壁の掲示物を上目で見上げて読んでいた。
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窓口が開いて他のお客さんがチケットを買ったので後ろに並ぶ。このかたも式根島に行くらしい。釣竿を持っている。釣りかぁ。
自分の番になり、乗船券を買った。その時に『明日の船は出そうですかね?』なんて不安げに聞いてみた。

”そりゃ明日にならなきゃわからないわー”
なんて言われるつもりで聞いたんだけど、受付のおねぇさんは奥にいるもう一人のおねぇさんと相談している。そして帰ってきた言葉は『これなら明日も出るでしょう』と力強い言葉。
毎日船と天気を見てきた人からこの言葉を聞くと説得力ありすぎる。ということは、帰ってこれるぞ!
一気にテンションMAX。平然を装いたいんだけど口元はニンマリしてしまった。
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片道3920円。去年の大島航路は1610円。倍以上だ。 でもしかたない。そのかわり、その差額はレンタサイクルで補おう。

8時50分から乗船可能らしい。今は8時過ぎたばっか。仕方ないので船に荷物を積み込んでいる作業をずっと見ていた。最近海が荒れているせいで欠航ばかりだったんだろう。今日こそはとばかりにかなりたくさんの荷物が積み込まれている。
そんな光景をボーっと見ていたら、車を積み込むためのショアランプを下ろし始めた。油圧の力でゆっくりと降りてくる。ショアランプが岸にかかると力で船が反対側にロールする。
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はぁあん♡超カッコいい!
もうウットリとしたまなざしで見ていた。なんでこう油圧装置ってこんなにカッコいいんだろう…車止めに腰かけて頬杖をついて目を♡♡にしながら大きなメカをながめていた。三歳児と同レベルだな、オレ。

8時50分、『どうぞ』という言葉で乗船する。
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オレ的にテーマパークのアトラクションに乗る時より興奮しながら乗り込んだ。
窓際!窓際!選べるんなら窓際がいい!
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一言、『キレイ!』ってか、新しい。2014年製なので当然っちゃ当然か。

2等自由席は5区画に分かれている。じゅうたんが敷かれた20畳くらいのスペースが4つ。車椅子のかたも使えるテーブルのある区画が一つ。

自販機がある。
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カップラーメンとジュース、そしてビールがあった。泡の出る麦ジュースに目がらんらんと光った。

ごみを捨てるコーナーもバカきれい。
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AEDなんかもあった。
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船にはつきものの船酔い用にステンレスの洗面器があちこちにある。
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トイレにゲロ吐き専用の便器もあった。便じゃないからゲロ器なのか?サーセン。
トイレもめちゃくちゃキレイ。そしてなんとウォシュレットだった。ホントにすんげぇ。

甲板にも出ることができる。
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去年乗ったジェット船は船外に出ることができない。そりゃそうか、時速80kmで航行するからなんかあったら海に落ちちゃうもんね。
ちなみにこのフェリーは時速28kmで航行する。ジェット船の1/3くらい。
外洋に出てから、甲板から海を眺めるのがとても楽しみだ。
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車を積み込むためのショアランプ。
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やっぱりカッコいい。しばらくながめていた。

客室に戻って出航までじゅうたんの上に座って待つ。落ち着かないので窓から外を見たり、テレビをつけたりしていた。沖に出たらテレビ電波が届くのか疑問だったが、映ったチャンネルはBSだった。なっとくした。
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9時半、定刻通りに出航した。
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最初、窓から流れる港の景色を見ていたが、我慢できなくて甲板に出て景色を見ていた。
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昔、いろんな人と訪れた『下田海中水族館』を沖からながめるなんて誰が予想できただろうか。
湾内は岩礁があちこちにあっていろんな景色が眺めることができるので右舷左舷ひっきりなしに場所を変えてながめていた。さながら籠の中の小動物の様にせわしなく。珍獣糸目オヤジ。

…まあ、30分も見てれば飽きるし、寒いので船内に戻ってきた。そして、
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自販機でビールを買って飲んだ。
隣の区画の釣り人二人組はつまみまで用意してあって、ちょっとした酒盛りをしていた。
飲み切った後、乗船場でもらってきたパンフレットを読んだりスマホいじったりしていたんだけど、すぐに飽きて横になった。

ぼーっと天井を眺める。
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他の人達も横になっていた。
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そりゃそうか、式根島まで3時間半だし。ジェット船なら三分の一なんだけどね。


予定時間を少し遅れて12時前、『神津島』に到着。
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次の島で降りるのでこの島はスルー。でもどんな島なのか気になるので甲板に出て港の様子を観察した。
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やっぱりどこの島でも警察の監視の下、船を下りる。
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神津島のトレードマークの『天上山』。
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ここはトレッキングができるので、最初はこの島に決めようと思ったんだけど、ナゼかやめたのです。

神津島で下りる人たちが数人いた。そしてこの島宛の荷物の荷下ろしを少し見ていたんだけど、下ろされたのは大量の芝生だった。
どこか芝生の広場でも造ろうとしているのだろうか。
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定刻遅れで神津島を出発。風による接岸する港の変更で25分の遅れが出た模様。


そしてついに13時25分過ぎ、式根島に到着した。
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by moriyart | 2017-03-18 17:02 | 式根島

式根島

去年、伊豆大島に行った。

以前からの離島訪問願望は達成できて満足していた…ハズだった。
『今度は父島だ。そのためにはお金を数年かけて貯めないとな』
そう思ってちょっとずつ『島貯金』なるものを貯め始めていた。
しかし一年も経てば満足は薄れ、また行きたいという欲望が込み上げてきた。
だって伊豆七島って、有人の島は9つもある。小笠原諸島に手を出すのにはまだまだ早い。

伊豆七島の中では去年、その中のひとつの伊豆大島に行った。
他は『利島』『新島』『神津島』『三宅島』『御蔵島』『八丈島』『青ヶ島』、そして明治以降に有人島になった『式根島』がある。


ど・れ・に・し・よ・う・な!

各島の紹介を読んで自分に合いそうな島を探す。じっくり吟味した訳でもなく、ざっくりと選んだ。

よし!『新島』にしよう!

最初は新島だった。無料のキャンプ場もあるし、ちょっと大きめな島だし、なんとなく良さそうだ。
本当に適当に選んだ。しかし色々調べていくうちに『ちょっとこれはなぁ…』なんて目立つところが出てきて他の島も調べるようになった。
ある島の紹介で お! となった。『自転車で充分廻れる』という言葉に非常に魅力を感じた。小さい島ということだ。

その島は『式根島』だった。

今回もレンタバイクのつもりだったが、自転車で済むのなら費用を安く抑えることができそうだ。
実は今回の航路は去年の航路とは違って船会社が違う。去年の『東海汽船』なら観光復興キャンペーンでびっくりするほど安くなっていたが、今度の船会社はそんなのやってないので普通の料金。
なんと片道の値段だけで去年の往復分を超えてしまっている。なので、できれば船代以外に予算を抑えたい。だからレンタサイクルが最適なこの島にしようとアッサリ変更になった。


そうと決まれば情報収集。
伊豆の下田に乗り場のある『神新汽船』に昼休みに電話をかけてみた。ホームページには『駐車場は1日以上の駐車はできません』と記してあった。船が一日1便しか出てないのに日帰りなんて出来っこないじゃん…そう思って確認しようと代表のおねえさんに聞く。
あっさり連泊で停めていいとの返事。
やった!問題クリア!オレの声がちょっとだけウキウキになった。しかしその後 おねえさんが言った言葉は、『この時期よく欠航するので気を付けてください』と。
はい?
どういうことなのか聞いてみれば、季節風による海上の風と波ですぐに欠航してしまうらしい。
『今日も欠航しているんですよ、こんなに晴れてるんですがねぇ』
たしかに今日は雲一つ無い青空が広がっている。ただ、今オレがいる場所も風がかなり強い。グランドの砂が舞い上がる。さっき畑に種ジャガイモを植えたんだけど、覆土した土が強風で舞い上がってせっかく埋めたジャガイモがこんにちわしている。

大島行きの便はあまり欠航しない。伊豆半島が季節風をせき止めているからなのだとか。伊豆半島以南にある島に行くこの航路は、冬の時期に欠航率が高めなのらしい。
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えー…
どうしよう…船が欠航して行くことができないならまだしも”行けたのに帰ってこれない”場合、何日島に取り残されるんだろう。職場になんて言おう…正直に言うか、急用でごまかすか…。正直に『今、島にいまして…』なんて言ってら最初にハァ!?なんて言われそう。帰ってきたら島野郎なんて陰で呼ばれてそう。
天気予報サイトを立ち上げ、天気図を見てみる。今日は週の頭。予定は週末。金曜日までずっと西高東低の冬型の気圧配置だ。これは季節風吹きまくりであろう。週末になれば日曜まで移動性高気圧に覆われている天気図だ。天気図的には行ける。
でもあくまで予報。
もうその日から毎日休み時間の度に天気図とにらめっこしていた。カミさんには島に行く許可をもらってあるんだけど、急に行かなくなる可能性があることだけは伝えておいた。神新汽船のホームページで運行状況を確認してみた。こんなに晴れてるのに今日も欠航。もう不安で不安でしょうがなかった。
それでも準備だけでも…と木曜日からせっせとザックに荷物を詰め込んでいた。

金曜日の夕方、週末の天気を確認。移動性高気圧に覆われて穏やかになるらしい。ついでに調べた今日の運行状況では欠航していた。

よし!行こう!

(長すぎる前置きはこんくらいにして)








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by moriyart | 2017-03-18 16:32 | 式根島