どこかに行きたい

moriyart.exblog.jp

<   2017年 09月 ( 14 )   > この月の画像一覧

その7(ジャンダルム・前穂)

記 録

活動時間:16時間43分
活動距離:28.29km
高低差:2,687m

※GPSデータが途中で狂っていたため、累積標高と総カロリーが計算できず
e0284726_152572.jpg

感 想


ジャンダルムの標高が3163メートルで単純に標高順で言えば槍ヶ岳に続いて第6位になるのだが、ジャンダルムは奥穂高岳の『付属の山』扱いなので順位から除外になるんだそうだ。けっこう高い山なのになかなか扱いがキビしい。でも姿格好は本当にカッコよく、主峰奥穂高を守るジャンダルム(憲兵)という名にふさわしい。

ジャンダルムという名の山はわりと早い段階から知っていた。そして友達の組長と奥穂高に登った時に、奥穂の山頂から見えたジャンダルムの特徴のあるその姿を実際に見てえらく感動し、(あのもっこり山の頂にいつか立ちたい)と強く願う様になった。剱岳の次に憧れを感じた山だった。

『穂高』と名の付く山は奥穂・北穂・西穂、そして今回の前穂だった。前穂以外の3つは登頂済みで前穂だけいつまでも達成できず、心の片隅で(早く片づけたい)という、まるで義務の様な感情がいつもあった。

今回、義務の山と憧れの山を両方登れた事で非常にスッキリした気分になれた。

その代償として危険度は今まで登った山の中ではピカイチだったと思う。ワンミス=大事故になってしまうだろう。
『無茶をした』わけじゃないんだけど、余裕があったのかと聞かれると黙ってしまう。でもどうせ登るなら体力のまだある40代にどうしても登っておきたかった。

ジャンダルムを登ったことで一旦 危険な山はしばらくお休みして、木道を歩く様な『尾瀬』や霊山の『白山』にしてみようと、一瞬考えた。一瞬ね。一瞬よ。

いやでもね…小屋泊のスキルも手に入れたことだし、次なる目標は、軽荷で挑む南岳→北穂の『大キレット越え』を目指そう!
しゃーない、がんりょー岩稜してるのが大好きなんだもん。

さあさあ、いよいよ事故に近づいてまいりました!
山登ってると空気が薄い所にずっといるからちょっとバカになるのだろうか…。
e0284726_15252152.jpg

ジャンダルム・前穂高岳
おしまい






.
[PR]
by moriyart | 2017-09-16 15:36 | ジャンダルム・前穂高岳

その6(ジャンダルム・前穂)

9時10分『前穂高岳』山頂に到着
e0284726_159177.jpg

到着した時、山頂の様子が変だ。みんなガスガスの谷を見下ろしている。
『大丈夫ですかー!』
一人の男性が大声で呼びかける。何かあったみたい。
『助けがいりますかー!』『返事ができますかー!』
の呼びかけに、ガスの向こうから『ビー!』とホイッスルの音。

えっ…

びっくりして声が出てしまった。遭難でもしたのか。そこにいた女性が『もし遭難してたらどうすればいいの?』と困惑している。
おいおいおいおい、すげぇタイミングで来ちゃったな…とオレも戦慄した。
e0284726_15123767.jpg

『助けが必要なら二回吹いてください!』

の、問いかけにガスの向こうから『ほへっ?』となんとも間の抜けた声。どうやら遭難では無いらしい。ガスで対岸や谷が見えないから状況がわからないが、向こうの人達がメンバー同士の何かの合図でホイッスルを使っていたらしい。
e0284726_15134887.jpg

『合図に使うとしても、山でホイッスルを使うって誤解されるからやっちゃダメだよなぁ』
と、男性が笑いながらも半ギレしていた。そりゃそうだな。いかんぞ、君たち!姿見えないけど。
でも何事もなかったのなら それはそれで良かったよ。


写真を撮ってもらった。
e0284726_1512732.jpg

これはオレが構える前にシャッターを切っちゃったミスショットだけど何気ないのも面白いので採用。


紀美子平まで帰ってきた。
e0284726_1515512.jpg

これで山行はすべて終了。あとは下るだけ。でもまだまだ気は抜けない。重太郎新道もけっこう険しいからだ。

有名な ひん曲がった梯子も架け替えられて、普通の梯子になっていた。ってか、ひん曲がったやつ見た事無いんだけどさ。
e0284726_15152225.jpg

さっきからヘリコプターの音が聞こえている。こんなガスの日に荷揚げなんてするんだ。位置的に岳沢小屋へ荷物を届けているのかと思っていたが、それにしてもいつまでもホバリングしているような音だ。
そう思っていれば、一瞬ガスが晴れ、見えた光景は県警のヘリが何かをしているところだった。
なにかあったっぽいなぁ…ヤダなぁ。

けっきょく何があったのかわからないが、県警のヘリが山の近くでホバリングしているのは、見ていてドキドキする。


重太郎新道を下っていく。前穂から上高地まで一気に下る道なので、けっこう勾配がある。下りの段差も大きく、地味に膝に来る。もう両膝にイヤな鈍痛を感じるようになった。いつもは左だけなんだけど。

視界が開けて『岳沢小屋』がずっと見えてるのになかなか近づいてこない。
e0284726_15154565.jpg

ついに雲の下に出た。
e0284726_15155651.jpg

ジャンダルム、奥穂は見えないけど 西穂は見える。
e0284726_1516563.jpg

上高地も見えるが、まだこんなに見下ろした状態なので あと何百メートル降りるんだろうか。いや、1000メートルくらいは下りないとかな。

オレ的に苦手な段差を下っている時に、岩の上にポツンと血痕を発見した。
何かのケモノのヤツかなぁなんて思いながら歩いていれば、どんどん増えていった。
いや、これって絶対ヒトの血だわ。

コケたのか。岩で切ってしまったんだろう。べらぼうな量じゃないけど恐らくその周りの服は真っ赤だろうなぁ。でも自力で下山しようとしてるのでそこまでは重傷じゃなさそうだ。
場所的にもさっきのヘリとは関係無さそうだしね。


11時半に岳沢小屋に到着。
e0284726_15164376.jpg

腹減った。持ってきたマーガリン入りレーズンパンを食べた。
なんか炭酸ジュースが飲みたかったのでオランジーナを買って飲んだ。
e0284726_15165510.jpg

足指がふやけて靴擦れ一歩手前だったので靴下を脱いで乾燥させた。膝もそうだが足全体にダメージが溜まってきた。さすが重太郎新道、今まで下ってきた道の勾配を思い出すと、ちょっと登りで歩きたくない道だ。

その後も小一時間下り、13時に上高地まで下りてきた。
e0284726_1517578.jpg

e0284726_15171743.jpg

上高地は観光地なので、ここまでくると突然余所行きのオシャレ服を身にまとった半ブルジョアが多数出現するようになったので今までとのギャップに多少の戸惑いを感じた。
e0284726_15173198.jpg

e0284726_15174050.jpg

こんな平日にこんな場所をフラフラ歩けるなんて、どんな金持ちかよ!と見苦しい嫉妬をしたのだが、聞こえてくる言語が日本語じゃなかった…。

あ…いや…なんでもないんです。


13時20分 河童橋に到着。
e0284726_15175057.jpg

やっぱりここはにぎやかだ。
e0284726_1518010.jpg

橋の上から見上げると奥穂や前穂などの山頂部分にのみ雲がかかっている。まあ雨が降らなかっただけでもヨシとしようかね。
e0284726_15181224.jpg


13時30分 上高地バスターミナルに帰ってきた
e0284726_15182554.jpg

なんとか無事に帰ってこれました。早く温泉に入りたいな。
シャトルバスに乗り込む。二人掛けの窓側に座った。満員まで乗せるので誰かオレの隣に座る事になる。
e0284726_15184374.jpg

あ、昨日風呂入ってないし、汗だくだったからオレの隣に座っちゃった人、汗臭くてゴメンね。上品なご婦人だったら申し訳ないなぁ。若いおねえちゃんなら汗まみれでもいいなぁ。
『ここ、いいですか?』
声がかかったので、どうぞ~と言って座ってもらった。

…が!

オレの心配がまったく無意味なモノになった。
隣に座ったおっちゃん、恐らく3日以上風呂に入ってないかほりがする。かほりというか、激臭。

糸目のオレの目がまんまるになって、口が真一文字。
むせてはダメだ、むせてはダメだ。これはさわやかな高原の香りなんだよきっと。
お酢と十円玉のにおいが混ざったような香りも10分もすれば慣れ、窓の外の大正池の景色を楽しんでいた。
[PR]
by moriyart | 2017-09-16 15:24 | ジャンダルム・前穂高岳

その5(ジャンダルム・前穂)

2017/9/11 AM6:30
ジャンダルム山頂に到着
3163m

e0284726_14503160.jpg

剱岳を下山してから次なる目的地をここに設定して2年越しの夢が叶いました。

画像でしか見たことない『黒天使』に逢えました。感動もひとしおです。
e0284726_14504950.jpg

いかにも身が軽そうなイケメン若者に写真を撮ってもらった。そのときに『どちらから来られました?』と聞いてきた。

えーっと、この場合のどちらって…どっちだったっけな…。

(思い出した!)『上高地から白出で、奥穂からここへ来ました』

昔、どちらから? を”お住まいはどこの県ですか”と勘違いして『静岡県です』と胸を張って答えまくったことが多々あった。
山で聞く どちらから? を”どこの登山口からですか”だと聞いていると理解したのは恥ずかしながらつい最近なのであった。

さぞ聞いた本人も(なにトンチンカンなこと言ってんだコイツ)って思っただろうなぁ。
e0284726_14513214.jpg


その若者とガスガスの天気について『残念ですねぇ』なんて話した。『では下ります、お気をつけて』と若者が言ったとたん、目の前のガスがスーッと晴れていった。
e0284726_14511145.jpg

『おおおおお!』声が出た。
他の山は見えないが山の代わりに雲で出来た山や山脈が見えた。上にも雲、下にも雲。不思議な光景だ。
下りようとした若者はその場に留まり、夢中でシャッターを切る。
e0284726_14552673.jpg

雲でできた山や谷。こんな景色もあるんだねぇ、もしかしたら15分くらい待ってたらもっとガスが切れるかもよと若者に言って、留まる気にさせた。
e0284726_1455399.jpg

そのうちに1パーティ登ってきて山頂がにぎやかになった。

再びあたりがガスガスになって、さすがにもう終わりかななんて思っていたら、今度はカーテンを一気に開けるかの様に左から右へ雲がすべて流れてスコーン!と景色が開けた。
e0284726_14555481.jpg

見えてなかった奥穂高が目の前にデーン!と姿を現す。

うおー!最後のボーナスタイムじゃー!山の神様ありがとー!!夢中でシャッターを切る。
e0284726_145927100.jpg


ずっと見てたいけど、このあと前穂高岳登って岳沢から下りないとなので下山を開始する。

ジャンダルムを下りると再びガスに覆われて道中の景色が見えなくなった。
『馬の背』まで戻ってきた。
e0284726_1459574.jpg

下から見上げるとホントに壁の様。
e0284726_14591542.jpg

男性二人組が下降を開始した直後なので下から見上げて その姿を見ていた。
『こっち?こっち行けねぇや。こっちじゃね?』
姿が消えたり現れたり。みんなその時は必死だけど無事に終わってみれば印象深い場所だろうな、ここは。

二人が下り切ってから登る。
やっぱり登りの方が楽だ。人間の体はそういう風にできてるんだろうなぁ。あっという間に登れた。



7時半、奥穂高岳山頂まで帰ってきた
e0284726_1511713.jpg

時間のせいなのか、月曜日のせいなのか誰もいない。人気の奥穂でもこんな事ってあるんだなぁ。
e0284726_1513477.jpg


奥穂を出発。
e0284726_1514488.jpg

『吊り尾根』を通って前穂に向かう。尾根っていうくらいだから割と平坦な道を想像しそうだが、なんだかんだ険しい。
おまけに裾野から登ってくる風が強くなってきた。そして自分以外に誰もいない。
朝、山荘にあれほどいた人達はどこへ行ってしまったんだろう。



奥穂―前穂 間の吊り尾根で奇妙な音を何度も聞いた。
やや強めの風のせいもあるんだろうが、自然界にある物の音では無い様な音。
バサッとナイロンの布が風にはためく様な音に足を止め、音の鳴る方を見る。風に当たった雨合羽の様な音だ。
しばらく耳を澄まし、じっとしている。
人の様な気配はしないんだけど、人が身に着けていそうな人工物の音を、吊り尾根では何度も聞いた。

怖い…とは思わなかったけど、ここ吊り尾根でも事故で何人も亡くなっているので、もしかしたらオカルトじみたものがあるのかもしれないと思った。

もともとオカルトは信じない方だが、ここまでたくさん山に登っていて奇妙な経験をいくつかしているので『もしかしたら…』と思ったりすることもある。
やっぱ山ってそういうところなのか。だから恐れられたりもするし、信仰の対象にもなるんだろう。
e0284726_1521715.jpg



景色も見えないのでうつむき加減で歩いていれば目の前に 何か動く気配が。
出た!と思えば、雷鳥だった。オスの成鳥だった。オレの姿を見て必死に逃げていく。やっぱメスの子連れの方が逃げなくてカワイイなぁ。


『紀美子平』まで来た。
e0284726_1522581.jpg

さっきまで全然人に逢わなかったのに、ここにはこんなにも人がいた。岳沢から重太郎新道を登ってきた人達だろう。ということは今から吊り尾根を通って奥穂へ行くのか。
オレが全然人に逢わなかったのは単に『時間帯』だったのか?

ここに荷物をデポして身軽な状態で登っていく。
e0284726_1524186.jpg

あいかわらずガスガスです。
30分くらいかけて登っていく。
e0284726_1525983.jpg

人の気配とケルンが見えたと思ったら…





.
[PR]
by moriyart | 2017-09-16 15:03 | ジャンダルム・前穂高岳

その4(ジャンダルム・前穂)

二日目。

4時前からあちこちのテントからゴソゴソと音が聞こえる。
自分もどうしようか悩んだが、それでもせめて明るくなり始める 日の出前には行動したいのでぼちぼち準備した。
朝飯はマーガリン入りレーズンパンとたまごスープ。調理の時間がもったいないから湯を沸かすだけのヤツ。寒い朝に暖かいスープってホッとする。
e0284726_14113586.jpg

テントを撤収し、山荘まで来ると、山荘前でご来光を見ようとしている人が大勢いた。
風もなく、そんなに寒くない上に、晴れている。

…晴れている?

あれ?晴れてる。どの山岳予報も曇りだったけど。まあもうすぐ曇るとは思うけど、のっけから曇ってるよりかはまだマシかな。山の神様がちょっとだけボーナスタイムをくれた様だ。それなら期待しすぎず行きますかね。
e0284726_1412261.jpg


5時過ぎに山荘を出発。
e0284726_1412147.jpg

梯子の下から山荘を見下ろす。小屋前の小さな人影がいっぱい動いている。

奥穂の脇からジャンダルムが見えてきた。
e0284726_14122898.jpg

気が締まる。今からオレはあそこに行くのか。いや、行けるのかな。 ここまで来て今さらそんな事を思っていた。

奥穂の山頂が見えてきた。
e0284726_14124062.jpg

予想通り曇ってきたが、まだ高曇りなので山容は見える。空気が薄いせいなのか、疲れが取れてないのかわからないけど、テン泊装備を背負って進むのがけっこうキツイ。ペースが上がらない。こんなんで大丈夫だろうか。
e0284726_14131438.jpg

山の裾から登ってきた風が山頂を通過する時に凝結して雲になっている。
旗雲なのかなぁと、ぼーっとながめていたら、あれ?気が付いた。あのずーっと向こうに見える山…黒部五郎岳っぽい。あの時見れなかった山容をまさかこんな形で見ることができるとは夢にも思わなかった。

ジャンダルムが近くなってきた。
e0284726_14132470.jpg

e0284726_14133195.jpg

こっち側の面が垂直じゃん。滑落したら何百メートルも岩に何度も激突しながら落ちるのか…形が無くなるなぁ。
警察『この亡骸はご主人でよろしいのか確認していただけますでしょうか。あ、損傷が激しくて判別が難しいかもしれません。目は細く、鼻は腫れてしまってますので…』
カミさん『あ、コレ旦那の素顔です…』
オレ『・・・(涙)』


5時40分、奥穂高岳山頂に到着
e0284726_14134873.jpg

いくつかの団体が写真を撮っていたが、ここには以前すでに組長と来たので重要度は二の次だ。
人が通らない岩の上にザックを下ろし、あらかじめ必要なモノを入れておいたアタックザックを出してそれを背負う。
風などで転がり落ちないような場所に大荷物をデポして、いよいよジャンダルムへ向かう。
e0284726_1414827.jpg

よし!行こう!と歩き出したら、タイミングよく4人のパーティーと出発がカブってしまった。
ま、いいかと後ろに着いて行ったが、途中で彼らの撮影タイムが始まったのでけっきょく前になった。
e0284726_14141831.jpg


横幅があった道も次第に狭く細く険しくなっていく。
e0284726_14143332.jpg

一息ついて見下ろすと上高地が見える。
e0284726_14144394.jpg

あれが河童橋であれが帝国ホテルで。あれが大正池で。曇ってる割にはよく見えた。

極細の下りでさらに前のパーティに追いついた。
e0284726_14145418.jpg

男性2人女性2人のパーティだった。オレの存在に気が付いて小声で道を譲るかどうか相談しているのが聞こえた。当たり前だが『無理だ』という結論に達し、行動を続行しはじめた。最後尾の男性が『遅くてすみません』と言う。

『自分もここは初めてで、速く行けないのでゆっくりどうぞ』と声をかけて見守る。
あれ?もしかしてここが『馬の背』なのか?

奥穂→西穂区間で最難関場所と言われる『下りの馬の背』。そうかぁ…ここなのかぁ。
e0284726_14412523.jpg

『足が届かない…』

二番目を下る女性が言った。伏せた状態で足がかりを探しているので自分の体で隠して足先が見えず、つま先の感覚で探している状態だ。

『あの岩に足かけようとするとぶら下がった状態になっちゃう』

三番目の女性がうつ伏せで腹を滑らせながら腕を伸ばして ややぶらさがった状態で岩に足をかけた。

『その岩ダメ!!』

先頭の男性が慌てて言った。足を乗せて体重をかけていくとグニュ~っと傾いていった。あぶねぇ、岩が抜け落ちそうだった。

何度かトライ&やり直しを繰り返して慎重に進んで行く。オレも待っている時間はパーティを見ていたり、景色をながめていたりした。自分の後ろを見ると、オレが最初に抜いたパーティが待機している。

そこそこな時間が経過する。ふと気が付くと、ジャンダルムの裾野からまるでバルサンでも焚いたかの様に、一気にぶぁ~っとガスが発生し、そのガスが山肌を駆け上がり、あっという間にガスに包まれた。
e0284726_14194536.jpg

e0284726_14462073.jpg

はい、『ボーナスタイム』終了。 山の神様ありがとう、曇り予報でこれだけ景色が見れたから充分です。


いよいよ自分の番。
アタックザックなので荷物が小さく、岩に引っかかりにくいのでうつ伏せにこだわらずに下る。靴の岩へのフリクションもよく効くので”でっぱりに足を掛ける”というのにもこだわらずに、滑りさえしなければ何も無い斜面に足をかけて降りるという半ば反則的な下り方をした。
昔気質の人には怒られそうだけど、自分にはこれの方が合ってると感じた。 

下りきってから見上げると後続のパーティが降りている。
e0284726_14201779.jpg

下から見た方が恐怖感と高度感があった。


馬の背を下りきったところで前のパーティが休憩に入ったので、オレはそのまま進んで行った。

ガスは濃くなる一方。
e0284726_14212499.jpg

手前のこの尖った岩、実はベラボーにデカいのです。なんつー場所だここは。晴れてたらどんな景色だったんだろう。
e0284726_14221450.jpg

垂直…とまではいかないが、落ちたらただじゃ済まないような場所を歩いて行く。かえって垂直の方が一気に下までの衝撃でひと思いに死ねるのか。なまじ傾斜が付いてると岩壁に何度もバウンドしながら落ちていくから…考えただけでもゾッとする。

岩壁のちょっとした棚を横移動。
e0284726_1422353.jpg

ガスのせいで下が見えないせいか、長くここにいるせいか、それともバカになったのかあまり怖くない。

ただ、ここの斜面だけは怖かった。
e0284726_14223212.jpg

浮石だらけの急斜面。
足のかかるすべての場所に絶妙な大きさの浮石があって、一つでも落とせば急斜面ゆえに止まることなく下まで落ちていくだろうし、途中に人がいれば全員ふっとばしのストライクになること確実だ。
オレがこの斜面を下りきった後、対岸の壁を登っている時に若者パーティがさっきの斜面を下ってたんだけど、上にいた子が落石を起こした。すぐ下の子がとっさにキャッチしたらしい。
『ナイスキャッチー!ぎゃははは!もう笑いが止まんねー』


…笑えねぇ、いやマジで。




若さっていいなぁ…ノリで乗り越えられるし、ノリで許されるし。



どうやらここはジャンダルムの肩らしい。
e0284726_14225215.jpg

もう山頂が近くに見える。ただ目の前の山肌には『×印』ばかりかいてあるのでここからは登れないらしい。裏に回って登るようだ。
反対側に回ると3人の男女のパーティが休んでいた。登り口がわかりづらかったので素直に聞いた。
『ジャン↑』を見つけ、登る。そこに取り付いてから山頂までは5分程度だった。





.
[PR]
by moriyart | 2017-09-16 14:23 | ジャンダルム・前穂高岳

その3(ジャンダルム・前穂)

13時ちょうど『穂高岳山荘』に到着
e0284726_13575622.jpg

疲れたー!がんばったー!ヘトヘトだー!
とりあえずテントを張らないと。山荘で受付をした。ひととおり説明を聞いてから幕営許可証を預かってテン場に向かう。ここのテン場は段々畑みたいだ。ひと区画がけっこうというよりかなり狭い。山岳部が使うような大型テントはまず無理な広さだ。
それでもそこそこな広さで横が通路な”まあまあな物件”を見つけ、テントを幕営した。
e0284726_13585830.jpg

e0284726_1359558.jpg

奥穂を真正面に見る最高のロケーションだった。なんかうれしくてゾクゾクしてきた。
e0284726_13591353.jpg

今到着したガッチリ兄ちゃんがオレのテントの近くをウロウロして物件探しをしている。オレの区画の隣で考え込んだ後、別の区画にいる人に『ここ空いてます?』と聞いていた。
どうやらその兄ちゃんはツェルトらしい。ツェルトは風に弱いので風の通り道には幕営したくないようだ。
オレのテントの横は遮るものが無い高台。風の通り道になりそうな場所だ。

オレの隣に帰ってきた。良物件が無かったらしい。そうだなぁ、まず風を遮る場所とか立地条件のいいとこから埋まっていくからなぁ。
兄ちゃんは張り縄をたくさん出し、なにやら加工をして固定する場所を増やしていた。
ツェルトでウルトラライト化するも、それゆえ苦労もあるんだなぁ。 オレはテントでいいかな。メンドーだし。
e0284726_13595567.jpg

今13時45分。
テント幕営し終わったら、やっぱアレでしょう。山荘に行って前穂のバッジと おビール様を買った。
e0284726_13594781.jpg

e0284726_140345.jpg

ロング缶があったので迷わずソレ。水晶・黒部五郎あたりはロング缶は無かったのでうれしい限りだ。
涸沢を見下ろせるデッキの上にあぐらをかいてプシュっと開缶、ゴクっと快感。あー超うめぇ!
離れた隣にオフでここに来た消防署員(他人同士の会話で知った)もビールを飲んでいた。ファイヤーマンも山好きなんだね。オレも山への情熱の炎がメラメラと…すみません、消火してください。

デッキから奥穂を見上げる。
e0284726_1402678.jpg

ここは梯子やすれ違いで混む場所だが、今は比較的空いている。

反対側を見上げると涸沢岳。
e0284726_1403740.jpg

天気も良さそうだからあとで登ってみるか。
缶を捨てさせてもらってサンダルから登山靴に履き替え、カメラとスマホだけ持って涸沢岳に向かった。


近いのであっという間に着いた。
e0284726_141762.jpg

最初は晴れていたが、いつの間にか雲に覆われ、ガスガスになった。

14時40分涸沢岳に到着(一応)
e0284726_1415879.jpg

3,110mで日本で8番目に高い山だ。 …のワリにはなんかアッサリしてるんだよなぁ、ここ。隣の奥穂の印象が強すぎて、ついでっぽい雰囲気になっちゃってるのかな。いい山なんだけどね。
e0284726_1422185.jpg

さて、下りるか…と思う頃にはガスが濃くなった。

テントに戻ってリラックス着に着替えた後、夕飯まで寝袋に潜ってひと眠り。電波が届くのでスマホをポチポチいじっていたけど、いつの間にか寝ていた。

夕方に目を覚まして夕食タイム。
e0284726_1423665.jpg

…の前に晩酌タイム。テン泊装備背負ってザイテン登るから食料もカリカリモノだけで鍋や食器などもやめたのにワインだけは一生懸命担いできた。
豚肉のジャーキーを食べながらワインをラッパ飲みで呑んだ。(もはや病的なのん兵衛だな)

今までのアルファ米の食料はお湯を入れてから15分待つが、最近モンベルから出たヤツは3分でできるからありがたい。味は…あ、いやなんでもない。

夕飯を食べ終わった頃にはテン場がガスに覆われ、景色が見れなくなった。歯を磨いてテントに入った。ここの標高は3000メートルくらいで寒いので上着を着て寝袋に入った。

どれくらい時間がたっただろうか、近くにいる人の会話から『おお、ジャンがみえるな』と聞こえた。
なに!ガスが晴れたのか?今飛び出すと、その言葉に誘われて出てきたみたいでなんかイヤ(別にいいじゃん、その通りだし)

ゆっくりと外に出て、白々しくふぁ~…と伸びをしたあと後ろを振り返るとガスが晴れ、奥穂の後ろの影からジャンダルムが見えている。
e0284726_1431114.jpg

e0284726_1432182.jpg

今日はこんなに晴れてるけど、晴れの予報は今日までで、明日の予報は曇りなんだよね。だからジャンダルムの姿をこうやって見れるのは たぶんこれが最後なんだろうなぁと思った。しみじみと。
そもそも明日登れるのだろうか。死亡事故も多いし、オレの人生も今日が最後かも…とアホな事を考えていた。やっぱ夜って変な事考えるなぁ。
e0284726_1434155.jpg

テントに戻って寝袋に入った。今晩は冷えるかもと心配したが、意外とそうでもなく快適に眠れた。

真夜中。目を開けると天井というかテント全体がボヤっと明るい。まるで発光している様だ。誰かがヘッデンで照らしているのかと思ったけど、チラチラ光が動かないから(ああ、これって月光か)と理解した。
満月じゃないと思ったけど、かなり明るいようだ。と、いうことは今は晴れているのか。外に出れば月明かりに照らされた穂高連峰が幻想的に浮かび上がってそうだが、メンドーだし寒そうだったので寝袋に潜った。

今思えば見ておけばよかったなぁ。もったいなかったなぁ。




.
[PR]
by moriyart | 2017-09-16 14:03 | ジャンダルム・前穂高岳

その2(ジャンダルム・前穂)

『涸沢岳』が遠くに見えるようになった。
e0284726_13421889.jpg

ここからが正念場なんだよね。もう近くに見えてるのに一向に近づいてこない。しかも最後に来て心臓に来る上り坂だからかなりハード。
e0284726_13422914.jpg

少し歩いて休憩。ゼーゼー息が切れてホントに苦しい。上高地~横尾間の歩きやすさのツケをここで全額支払いしている気分だ。しかも利子付きで。
e0284726_13424281.jpg

下ってくる人の『ガンバって』に励まされて馬力を出す。

10時過ぎ『涸沢』に到着。
e0284726_134258100.jpg

キツイ!でも休憩は『涸沢小屋』でするって決めてたから気力を振り絞って登っていく。

涸沢のテントはまばらだ。
e0284726_13431277.jpg

昨日の土曜日はきっと混んでいただろう。今日は大体の人たちが下山していくだろうし。


10時20分『涸沢小屋』に到着。
e0284726_1343319.jpg

つっかれたー!ベンチにどっかり腰を下ろしてふんぞり返った。体が燃料を欲しがっているのがわかったので、コーラを買って一気に流し込んだ。疲れてる時のコーラってなんでこんなにウマいんだろう。やっぱ砂糖って偉大だなー。まあ採り過ぎは害だろうけど。
そういや涸沢の手前から腹がずっとグーグー鳴っていたので、デッキからテン場を眺めながらコンビニで買ったにぎりを食べた。
e0284726_13435352.jpg

e0284726_1344262.jpg

画像を見て『え!』となったんだけど、手袋したまま食ってやがる。疲れと酸欠で外し忘れた…という事にしておこう。でも行儀悪いなぁ…ヤダなぁ…。

靴下を脱いで足を乾かし、万全な状態にして出発。
この先の『ザイテングラート』は死亡事故も起こる場所なので、ここからヘルメットを被った。
e0284726_13442166.jpg

前回はここ涸沢でテントを幕営したけど今回はさらに上を目指す。テン泊装備を背負ってこの先に行くのは初めてだ。
e0284726_13445478.jpg

前にここを登ったのはサブザックの身軽な状態だったのでホイホイ登ることができたけど今回は違う。歩きづらいのと空気が薄いのと疲労でかなりキツイ。時々立ち止まって息を整える。
e0284726_1345686.jpg


振り返ると『常念岳』
e0284726_13444070.jpg

かっこいいなあ。一度登ると山の位置と形をを覚えるんだよね。晴れいて山の形を見れたことが前提だけど。だからこの前のガスガスだった鷲羽・水晶・黒部五郎は山の形を見ていないから遠くから見てもわからないかも。

『ザイテングラート』に取り付く
e0284726_1345187.jpg

今までよりちょっと険しくなってよじ登る所が出てくる。自分的にはそこまで危険に感じないが、ここザイテンでは死亡事故がけっこう起きているので注意していた…つもりだった。
e0284726_13462783.jpg

何気なく登っていたら足で石を引っかけたらしい。5cmくらいの石が転がり落ちて行った。
しまった!と思ったが、落ちて行った方向は登山道では無かった。一瞬ホッとしたが、止まらない。オレが起こす落石っていつも石がゆっくり転がっていく。よく見るガラララッ!と、高速で転がり落ちて見た目にもヤバそうなのじゃない。
コロリ、コロリ、と地味に落ちていくのだが、いつまでも転がっていくので晒し者の様で恥ずかしい上に(止まってくれ!)と願う時間も長いから超イヤ。

しかも今回なんと途中、別の石に当たって転がるのが2つになりやがった。二つ仲良くコロリ、コロリとゆっくり転がり落ちていくサマはなんかマヌケだったが、ハッと気が付けば、もし止まらなければ遥か下の登山道に到達しそうな位置を進んでいるのに気が付いた。とりあえずそこに人はいない。
遠すぎて声が届く距離かどうか焦ったが、やがて二つとも止まってくれて一安心。よかったぁ。

今回はたまたま方向が良かっただけで何事も無かっただけ。もしかしたら翌日頭を下げに病室か警察署にいたのかもしれない。やっぱりここは気が抜けないや。
e0284726_13454851.jpg


体力も気力も尽きそうになった頃、ついに建物が見えてきた。
e0284726_13463713.jpg




.
[PR]
by moriyart | 2017-09-16 12:58 | ジャンダルム・前穂高岳

ジャンダルム・前穂高岳

深夜に沢渡の駐車場へ着いた。

いつも停める『沢渡大橋駐車場』の前には『満車』の文字が。
そうかぁ…この週末はめずらしく土・日 両方『晴れ』。北ア周辺のこの夏の悪天の雰囲気を打ち破る程の好天予報。そりゃ混むだろう。
そして今日は日曜日。土曜から来ている人の車が駐車されたままになっているのか。

今週土曜日が休日出勤で月曜日が代休だったので、オレは日・月とここに滞在する。世間とは一日ズレなのであった。
ゆえに土日の好天から一日ズレてしまい、日・月は『晴れ・曇り』となってしまった。くぅ~!一日ズレるだけで超ざんねん!

いやでもどっちかだけでも晴れるなら、もうそれでもいいや。次の機会を探していたら、もう夏が終わっちゃう。
そう思い直しここへ来たのであった。

沢渡大橋駐車場をあきらめ、その先の『沢渡バスターミナル』へ向かった。ここはかなりの空きスペースがあった。
(なんだ、こっちの方が広くてきれいで始発に乗れるじゃん)
知らなかったよ。もしまた上高地へ来ることがあるのならこっちへ停めよう。そう思ってから座席に丸くなって寝た。


4時過ぎから周りの車の扉のバタバタ開け閉めする音が聞こえるようになってきた。そういやシャトルバスの始発って何時だろうとスマホを取り出して調べてみれば、4時40分だった。
んならいまから支度をすりゃちょうどいいじゃんって事で、車内で着替えた後 コンビニで買ってきたサンドイッチを食べ、オエッとえづきながら歯磨きをした。(おっさんじゃん)

ここの駐車場は初めてなので、券売所や乗車口がどこかわからないので人の流れに着いて行った。
その流れで券売所に到着。そのまま列に並んだが、おしっこに行きたい。でも次々とやってくる人が列に繋がってどんどん長くなってくるので、始発に乗れなくなる恐怖でそのまま我慢した。
バスに乗った後も、30分ガマンできるか不安だったが、薄暗い外の景色を見たり、バカな事を考えたりして尿意をごまかしていた。


5時10分 『上高地』に到着。
e0284726_12482241.jpg

朝早いのに いつ来てもここは活気がある。始発で来たのになんでこんなに人がいるんだろうといつも疑問に思っていた。
ここでやっとトイレに行く事ができた。はぁースッキリした。

駐車場から見た『西穂高岳』
e0284726_12485455.jpg

またいつかあのギザギザの上を歩いてみたいなぁ。山全体がアスレチック遊具みたいで楽しいんだよね。

5時20分にバスターミナルを出発。
e0284726_124955.jpg

朝もやの上高地を眺めながら川沿いを歩く。

すぐに『河童橋』に到着。
e0284726_1249188.jpg

朝早いのに観光客がたくさんいて写真を撮りまくっていた。服装からして登山というより観光客で、近所のホテルに泊まっていた人達だろう。

ここへ来てお決まりのライブカメラで自分をチェック。
e0284726_12492935.jpg

スマホから上高地のライブカメラを検索して全画面表示にしてのぞき込む。実際の時間より30秒くらい遅れて表示するので、しばらく見ていると画面外からのそのそ歩いてフレームインしてくる自分の姿を見て笑う。
猫背でスマホの画面をのぞき込んでいる。鏡を見るより客観的に自分を観察できるので面白い。

吊り橋の上から見る穂高連峰は晴れ。
e0284726_12494684.jpg

明日の朝はあの一番高い頂の上にいるはずだ。そう思うと胸が高まる。
e0284726_12495799.jpg

しばらく上高地の雰囲気を楽しんだ後、河童橋を出発した。

小梨園を通過。
e0284726_1250596.jpg

土日晴れの週末なのできっと盛況していると思ったんだけど、テントは思ったよりまばら。
まあ、これくらい余裕があった方が上高地っぽくていいね。

それにしても水の透明度に驚く。
e0284726_12501245.jpg

明神岳に朝日が当たる。
e0284726_12501853.jpg

雄大というか、荘厳というか…カッコ良すぎて言葉が出ない。

6時過ぎ『明神館』に到着。
e0284726_12503282.jpg

観光客はだいたいここまでで引き返すか明神池の方へ向かっていく。
e0284726_12512096.jpg

それでもその先は平坦で歩きやすい道がずっと続いていて、川沿いの景色がステキすぎて歩いていて飽きない。

徳沢のキャンプ場の横を通過。
e0284726_1251089.jpg

ここは意外にも盛況していた。
芝生だし広いし地面柔らかそうだし、ぜ~~~ったい快適だろうなここ。ただ、山のテン場というよりキャンプ場寄りなので、夜バカ騒ぎするヤツらがいそう。

6時50分 『徳沢』に到着
e0284726_12513174.jpg

まあまあいいペースだ。ここもそのまま通過しようかと思ったが、まだ先は長いし、小まめな休憩が後々の疲労を軽減するだろうからザックを下ろして小休止した。

そしてまた小一時間歩いて行く。
e0284726_12515254.jpg


7時40分『横尾』に到着
e0284726_1252313.jpg

ここは槍ヶ岳方面と穂高方面へのジャンクションなのでやっぱりにぎやかだ。屋外の休憩できるベンチも多いのでたくさんの人が休んでいた。
…にしてもみんななんでベンチに座って無いんだろうと ガラガラのベンチに座ろうと思ったら、朝露で濡れていた。
ああ…もうそういう季節になってきたのか。夏も終わりだなぁ…。

ここではしっかり休んで、この先の山道に備えた。
e0284726_12522824.jpg

今日は日曜日。土曜日に入山して今日、下山する人が多い。だから上高地方面に向かう人とすれ違う。せまい登山道での下山する人の通過待ちがとにかく多かった。
10人規模のパーティも多くて、1パーティやり過ごしてもすぐ次が来たりしてなかなか前に進めないこともあった。
まあ、曜日的にしゃーないしゃーない。

『本谷橋』に到着
e0284726_12523856.jpg

休憩している人が大勢いた。
ザックを下ろし、真っ平らな巨石の上にゴロンと大の字になった。えれぇ~!ちょっとハイペースだったかな。
靴の中が汗でしっとりして足がふやけ始めているので靴下を脱いで足を川に浸ける。
e0284726_12524881.jpg

つめてぇー!やっぱり5秒が限界だ。これ何℃くらいあるんだろう。絶対5℃以下だと思うけどなー。
川の真ん中の巨石から橋の上の人の往来をながめていた。
e0284726_12525961.jpg









[PR]
by moriyart | 2017-09-16 12:54 | ジャンダルム・前穂高岳

その7(鷲羽・水晶・黒部五郎)

記 録

活動時間:33時間59分
活動距離:56.51km
高低差:1,913m
累積標高上り/下り
5,686m / 5,703m
カロリー:13018kcal

4日間で太陽の光を浴びた時間:
ゼロ秒
浴びた風雨の量:
計り知れない
e0284726_98292.jpg


感 想

えーっと…今回の目的は百名山ピークハント?ただのバッジ収集?

ここまで天気予報に裏切られた山行は未だかつて無いと思い返す。景色を見るのが一番の目的だったのに。しかもこの3つの山の山容はどれもすばらしいので、山の姿をながめるのも、山頂からの景色も楽しみにしていたのです…。
実際山で会った方々は週間天気の雲りベースの天気予報を信じて来られてるかたばかりで、まさか暴風雨の天候だとは思わなかっただろう。この天気がわかっていたら絶対来ていないはずだ。もちろんオレも。

長い登山人生の中でこういう事っていつか必ずあるとは思っていたが、まさかの水晶鷲羽でなってしまうとは…。北アルプス最深部、なかなか簡単には来れない場所で、だ。

でも悪い事ばかりではない。仕方なく小屋泊まりにしたおかげで敬遠していた小屋泊を体験することができた。テン泊より敷居が高いと決めつけていたので、おそらく一生泊まる事はないだろうと思っていた。

まあ、曜日的にも天候的にも小屋内は空いている時だったので快適でいい思い出ができたと思う。繁忙期のひとつの布団に二人という時だったら どんな思い出ができたのだろうか。今回オレは寝汗がすごかったので、もし誰かと二人で寝ていたら隣の人がおいしそうに蒸し上がっていただろう。




黒部五郎岳の山頂で兄さんと別れる前に二人並んで写真を撮った後、『まだ名乗ってませんでしたね』と、そこで互いに初めて自己紹介をした。
『ちょっと変わった苗字でして…』から始まり、教えていただいた職業は『地方テレビ局のアナウンサー』だった。しかも夕方のニュースのMCを務めているかたなのでその地方へいけば超有名人であろう。

聞いた瞬間、『なるほど…』といろいろと合点が行くところがあった。話し上手、説明上手、気象予報士の資格を持っている、100kmマラソン(なんかオレの中でアナウンサーってマラソンするってイメージがある)など。
山頂で聞いて、明日の下山まで確実に覚えてっこないのでスマホにお名前と放送局を軽くメモをした。

『局のブログをやってまして、写真を載せてもよろしいでしょうか?』に断る理由も無かったので承諾したが、オレなんか載せてページを汚してしまわないか心配だった。
e0284726_9551082.jpg

これはオレのスマホに残っていた写真。その地方では毎日、夕方のお茶の間ではおなじみな有名人でメディアに出まくってる人なので、彼のボカシは若干薄め。これを撮っている時はまだ互いに正体を明かしてはいない。

山っていろんな人がいるんだなぁ…と つくづく思った。

※9月8日追記
そういや『局のブログに載せてもいいですか?』の言葉を思い出し、放送局とお名前からアナウンサーの紹介ページにたどり着き、見つけることができた。
オレが撮った写真の逆バージョンでアップされてました。そのページのオレはボカシ一切無しのアホ面まる出しなのでなんだかありがたいやら照れくさいやらで申し訳なかった。
『どこかで再び逢えるような気がする』
あちらは有名人なのでオレからすれば、あっさりと再び画面でお会いすることができましたよ。ニュースの動画もあったのでちょっと拝見したら、本当にこのかたがキャスターをやっていて感動した。
今度は本当にいつかどこかのお山でお会いしましょう!


今回、雨風が強い鷲羽岳や水晶岳をあきらめる人を目の前で何人も見てきた。けっこう歳の多いかたでも『また来年来るからいいや』とか『いつか今度は違うコースから来るよ』とか言っている。70歳代も見えていそうな方々がそう言っている。
”もしかしたら歳でもうこれないから”とか”わざわざ遠い所をせっかく来たんだから”とかネガティブな事を言っている人は居なかった。この気の長さ、大らかさが山男山女なんだろうなと感心した。 せっかく来てもったいないからと言って登ってしまったオレは、しばらく山男にはなれそうにも無いかな。もうちょっと精神の修行が必要らしい。

まったく景色は眺めることはできなかったけど、そこまで残念な気分にならなかったのは良い思い出が多かったんだと自分を納得させた。


よーし、ここには10年後、オール小屋泊で再び訪れよう!あえて繁忙期に泊まって誰かと二人で一つの布団に一緒に寝てニオイ&蒸しテロだ!
e0284726_9595320.jpg

鷲羽岳・水晶岳・黒部五郎岳
おしまい




.
[PR]
by moriyart | 2017-09-02 10:00 | 鷲羽・水晶・黒部五郎

その6(鷲羽・水晶・黒部五郎)

え~♡
それならしょうがないな~♡


とりあえずは、”どの程度強風なのか”とか”どうしても小屋泊推奨なのか”と聞いてみるが昨日、小屋泊の快適さを知ってしまったので気持ちはもう小屋泊に傾いてしまったいた。
あっさりと小屋泊に変更した。

…が!

すでに予算オーバー!
財布の中に持ってきたお金が足りない。6500円×2日分は持って無かった。
しかし、ずーっと昔、テン泊を始めた頃、こんな事もあろうかと天蓋のあまり開けない場所にジップロックに入れた万札の存在を覚えていた。何か行動不能な事が起きて、仕方なく小屋に泊まる事になった時に支払えるように3日分の素泊まりの金額を入れてあったのであった。
使うことは無いだろうなぁって思っていたが、まさかここにきて使うことになろうとは。なーるほど…テン場がガラガラなのはそういう意味だったのか。
e0284726_8405539.jpg

代金を払って部屋に入った。ここは二段ベッドだった。そして空いているが、乾燥室にはザックや登山靴を入れてもOKではなかった。

ひととおり準備片付けが終わってから売店でビールを買った。飲食はどこでできるのか受付で聞いた時に談話室か自炊場でならOKとのことなので自炊場に向かった。自炊場のテーブルで一人の女性がミックスナッツを食べながら地図を見ていて今後の山行の計画でも立てている様だった。
『ここ、よろしいですか?』
同じテーブルに座りたかったので女性に声をかけたら『どうぞ』と快い返事。ビールを飲み持ってきた柿の種を食べた。
まもなくその女性はいそいそと地図を畳んで出て行ったので、一人静かな自炊場で柿の種のポリポリという音を響かせていた。
e0284726_8411987.jpg

早い晩酌も終わり、山荘の窓から外を見ると遠くに青空が見えている。
e0284726_8415290.jpg

これは未だかつて見てない空なので大急ぎでカメラを持って山荘のサンダルを履いて外に出た。
e0284726_8414122.jpg

ここ双六小屋の頭上は晴れて無いが、遠い山の上は晴れている。鷲羽、水晶、黒部五郎の山頂でこんな景色を見たかったなぁと嘆いた。
e0284726_842277.jpg


山荘に戻ると夕食の時間。
e0284726_842154.jpg

山荘の従業員のかたが声を上げてお客さんを食堂に誘導していた。
自分は今日も自炊なので自炊場に向かった。いくつかあるテーブルは自炊する人が座っていたので、空いている席の隣に座っている若者に『隣いいっすか?』と聞いてから座った。
今日の晩御飯は”エビピラフと親子丼のもと”。どっちも湯で戻すヤツだ。

湯を沸かしてアルファ化されたエビピラフに注ぐ。できあがりまで15分かかるので受付まで行って”トリスハイボール”を買ってきた。
ハイボールを飲みながら出来上がりを待つ。それでも暇なので真隣りで調理している若い兄ちゃんの夕飯をながめていた。生米から炊き込みご飯を作っていた。凝った夕飯で本当においしそうでうらやましかった。

兄ちゃんは黙ったまま調理しているので、話しかけられたくないのかなぁ…なんて遠慮していたが、トリスハイボールの酔いが回ってきてついつい話しかけてしまった。
静かな話し方をする人だったが、話し好きでいろんな話をした。なーんだ、もっと早く話しかけてればよかったよ。

25歳で保育士だそうだ。今どきの保育園事情をいろいろ聞いた。なかなか話が面白くて、今どきの子供と保護者のモンスターっぷりで話が盛り上がった。少しだけ職業に共通するとこがあるからさ。
男の保育士が保育園でうまくやる条件はやっぱり”印象、見た目”だ、そうだ。 たいへんだなぁと思った。



部屋に戻る。
どうやらここの部屋にいる人は全員、テン泊から小屋泊に変更した人がいるみたいだ。なるほど、だから炊事場が近いのか。 テン泊あきらめ組部屋ってとこね。
そして半強制的に小屋泊になったので オレと同じ”小屋泊自体が初めて”という人がけっこういた。そして初めて経験した小屋内の設備の良さや居心地の良さに驚いて『やべぇ、小屋泊クセになりそう…』と苦笑いを浮かべている。

同感です!



消灯時間になり、布団に潜って寝た。
真夜中、受付のおねぇちゃんが言ったとおり、凄まじい暴風が吹き荒れた。風の塊が建物に衝突するかの様。山荘がドカーンと振動する。こんな風の中、テントにいたら確実に一睡もできないだろう。受付のおねぇちゃん、ホントにありがとう。 最初はテン泊1000円から小屋泊6500円に変更者続出で『儲かりますねぇ』なんてひでぇ事思ったけど、今となっては感謝感謝ですわ。命の恩人と言っても過言じゃないよね。

『あー小屋泊に変更してよかった♡』

そう思いながら枕にスリスリして眠りについた。


4日目

朝、4時台に電気が点いた。
窓から見える景色はやっぱり雨だった。結局最後まで天候は回復しなかった。
同部屋の人達は、ワリと今から山に向かう人が多かったのでガッカリムードがすごい。自分はもう下山するのでそこまで消沈していない。
『今日はもうここに滞在するからギリギリまで寝てます』
と言いながら布団に潜る人たちを横目に着替えながらパッキングもした。


そして6時前に双六山荘をあとにした。
e0284726_8534833.jpg

e0284726_8535836.jpg

山荘の裏のテン場にはひと張りだけテントが幕営されていた。
e0284726_8532710.jpg

すげぇ!昨晩の風爆弾に耐えたのか。ってか、絶対眠れなかったと思う。あの風はポールさえ破壊しそうだったからさ。

新穂高に向かう帰路も雨。
e0284726_8541575.jpg

よく雨だと『雷鳥がよく出る』というウワサは本当で、今回の雨続きの山行の中で雷鳥とは やたらと遭遇した。
ただ、今頃遭遇する雷鳥達は、ほぼ成鳥で、人間の姿を見ると逃げてしまう。ヒナを連れている時の やたら近寄ってくる素振りを見せない。これもウワサだが、人間の近くにいれば、ヒナを狙う獣から守ってくれると思ってるため、ヒナ連れの親鳥は人の近くに来る…というのは本当なのかもしれない。

舗装された林道に出た。
e0284726_8543226.jpg

もう一息だ。
歩いていると今から山へ向かう人達とすれ違う。おしゃべりに夢中で楽しそうなおばさんもいるっちゃいるんだけど、ほとんどの人の表情が楽しそうじゃない。無言で口がへの字になっている。
そうだなぁ…天気が悪い中 山へ向かうのは不安だろう。やっぱり往路から晴れてると気分もテンションもアゲアゲになるんだけどね。天気予報だと明後日くらいから回復するらしい。(もうアテになんない)

わさび平小屋まで帰ってきた。
e0284726_8544666.jpg

しとしと雨の中、外のベンチにザックを下ろし、ベンチに腰かけて最後の休憩をした。
涼しいし、喉も乾いていないけど、疲労がMAXだ。山荘にある露天で売っているジュースに気が付いた。
山水に冷やされているジュースやビールを見ていたら、なんだか飲みたくなってきて、普段あまり買わない瓶のラムネを買った。
e0284726_8545898.jpg

昔と変わらぬ開栓方法だった。屋外だし、雨の中だしで、豪快に頭の栓を叩いてビー玉を落とす。意外にも泡が噴き出なかった。
グビっと大量に一口。

っっかぁ~!体に染みわたる~!

友達の『かーしゅな』が若い頃からビールを飲んだ時に放つ名台詞である。
『からだ?おなかとか内臓に じゃねーの?』なんてからかったりしたんだけど、今、彼の言っていることを身をもって理解できた気がする。

おそらく成分のブドウ糖が疲れた筋肉や脳に超吸収されていったんだと思う。立ち上がってザックを背負うとホントに体が軽かった。まあプラシーボ効果だとは思うけど、頭スッキリ、体力500回復した。
そう考えると無理してガンガン進むより、少しずつでも休憩していった方が最終的に早く着くのかもしれないと思った。


新穂高が見えてきた。
e0284726_8551950.jpg

馴染みの『新穂高ロープウェイ』だ。
e0284726_8552996.jpg

こんな天気なんだけど、営業しているのだろうか。

そしてついに4日間の山行を終えて10時半、『新穂高登山指導センター』に帰ってきた。
e0284726_8554180.jpg

おとーちゃん雨の中頑張ったよ。

そこから歩いて10分の駐車場へ到着。
e0284726_8555226.jpg

愛車が変わらぬ姿で待っていてくれた。思わず『ただいま』と言ってしまった。
雨の中、後ろのハッチを開けて、汗なのか雨なのかで濡れた服や靴を脱いでいく。
濡れ物だらけでせまい軽の車内のいたる所にカッパやらズボンやらが積み上げられていった。

指導センターの裏にある温泉に寄って汗と汚れを落とした。
e0284726_856423.jpg

なんせ3日風呂に入って無いからね。よく身体が痒くならなかったと感心した。最近のオレの額はこんこんと脂が湧き出るし。まるで油田。オレの脂の埋蔵推定量は700億バーレルで、サウジアラビアの量を超える。だからこのまま帰ったら 脂テロ&においテロになってしまいますわ。
洗い場で一通り洗ってお湯で流した後、もう一度最初から全身を洗い直す。雨が降って風情のある露天で川の流れを見ながら数日ぶりのお風呂を楽しんだ。


帰路、長野県の中では陽の光を浴びることは無かった。
途中、昼飯として諏訪の定食屋で野菜炒めじみたものを食べた。久しぶりの生鮮物でシャキシャキとした野菜の歯ごたえに涙が出そうなほど感動した。日々防災食みたいのばっかり食ってたからさ。

地元に帰ってきて夕日でもお日様の光を四日ぶりに浴びた時にはしばらく眺めてしまった。やっぱ太陽っていいなぁ。
e0284726_8562187.jpg

…長野から地元まで尿意が無かったのでほとんど車から降りずに帰ってきたのだが、地元に着いて車から降りた時の気温が35度だった。
山との気温差がすごすぎてクラクラした。







.
[PR]
by moriyart | 2017-09-02 08:37 | 鷲羽・水晶・黒部五郎

その5(鷲羽・水晶・黒部五郎)

三日目

朝、4時半に『朝食の支度ができました』でみんな食堂に集まっていく。同部屋のかたが、やはり気を使ってくれて誘ってくれた。しかし素泊まりの自分は自炊場で独りロールパンとたまごスープでやり過ごす。
歯を磨いて、ちゃちゃっと支度をして部屋の誰よりも早く『黒部五郎岳』へ向けて出発した。荷物は山小屋で預かってくれたので、片手にポカリの500mlだけ持っていった。
e0284726_8151739.jpg

小屋の外へ出てみるが、やっぱり雨&ガス。一日くらいは晴れじゃないにしても山容が見えるくらいガスが切れる日があるかもと期待したが、今日もまるっきりダメでした。
e0284726_8153538.jpg

途中二人と、山岳部の集団を抜いた後は ずっと一人っきりだった。この山は巨石の点在する広大なカールをながめることができる有名な山だけど、ガスガスゆえに展望はまるっきりでした。

稜線に出た。
e0284726_816674.jpg

なんか動くものがいると思ったら雷鳥だった。
e0284726_8161454.jpg

天気が悪いと良く出るというが、確かによく見る。ずっと天気悪いから出没しすぎ。だから見慣れて驚きもしないや。

山岳部の集団を抜いてからは、もう小一時間誰にも逢わなかった。もうすぐで山頂っぽいけど、雨の中、山頂標識と写真を撮る時に、セルフタイマーの12秒のうちにレンズに雨がかかって撮れないかもしれないと半ばあきらめていた。
小休止している時に何気に後ろを見るとガスの中からボヤっとオレンジ色のカッパの人影が見えた。

昨日からよく逢う兄さんだった。すげぇな、荷物を背負ってる人が荷物無しのオレに追いつけるなんて。

でもありがたい、雨で無理と思っていた標識と一緒の写真が撮れる。山頂で互いに写真を撮りあった。
e0284726_8163925.jpg


ここで兄さんとはお別れ。長野県側へ帰るオレと、富山県へ帰る兄さん。この先は偶然逢うというミラクルはもうない。互いに行き先を告げてないのに行く先々で再び巡り合ってなおかつ同部屋にもなるくらいだったので、ここまで偶然が重なる境遇になんかちょっと名残惜しかった。
兄さんもそう思ってくれたのか、『二人で一緒に写真を撮らせてください』と言ってくれて自撮りスタイルで二人並んで撮った。 そんなら便乗してオレもお願いしていいですか?と自分のカメラでも撮った。

最後に握手をして別れた時にお互いの口から出たのは、『なんかいつかどこかの山で偶然逢えるような気がする』だった。

たしかに本当にそんな気がした。


黒部五郎の山頂からの復路は稜線コースで帰った。
e0284726_8235228.jpg

やっぱりここでも多くの雷鳥と遭遇した。
e0284726_824316.jpg

見た目は丸っこくてかわいいんだけど鳴き声がかわいくないんだよね。


9時半に黒部五郎小屋に帰ってきた。
e0284726_8241923.jpg

小屋内のテーブルで少し休憩させてもらった。若者が同じテーブルで、小屋で売っていた林檎を丸かじりしながら食べているのを見て、つい『歯ぐき健康だね。オレだと林檎が血だらけになるよ』と声をかけてしまったが、若者も『案外いけちゃう自分の歯ぐきに驚いています』と返してくれた。
そこで黒部五郎岳の山バッジを買った。
e0284726_8323635.jpg


小屋番のかたにお礼を言って小屋を出た。
これで一応山行は終わりだが、今日一気に帰るのは無理があるので途中の『双六小屋』のテン場で寝るつもりだ。

途中、天気が回復することは無かった。天気が悪いのでやっぱりあちこちで雷鳥を目撃したが、やっぱり『ふーん』だった。

往路でやめた双六岳経由は復路でもやめた。どうせガスガスで見えないしね。

そして4時間近くかけて『双六小屋』に到着した。
e0284726_825941.jpg

受付に行く前に小屋裏のテン場にわざわざ見に行って混雑具合を確認した。
だだっ広いテン場にひと張りのみ幕営されていた。もんのすごく空いている。

テントを撤収してから濡れたままゴミ袋に無造作に突っ込んであるだけなので幕営したい。袋に入れたまま放っておけばカビてしまいそうだからだ。
今晩ももしかしたら天気が悪くて夜中に土砂降りになりそうだけど、やっぱりテントの状態が気になるのでテン泊にしようと双六小屋の受付にテン泊の申請をした。
e0284726_8255471.jpg

受付の若いお姉ちゃんから返ってきた言葉は、
『今晩、非常に強い風が予想されるため、テントご利用のお客様に素泊まりを提案しております』との事。
元々わりと強風が吹き抜けるテン場だが、最近の天候だとさらに強い風が吹き抜けるために安全のために小屋泊をお願いしているらしい。





.
[PR]
by moriyart | 2017-09-02 08:26 | 鷲羽・水晶・黒部五郎