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どこかに行きたい

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その4(乾徳山)

記 録

活動時間:5時間39分
活動距離:10.55km
高低差:1,200m
累積標高上り/下り
1,410m / 1,415m
カロリー:1935kcal
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反 省

山に加齢臭付きのゴミを捨ててきてしまったー!
ごめんなさーい!


でも回収の努力はしました、ゆるしてください(土下座)
帰路にゴミでもあったら詫びのつもりで持って帰ろうと歩いていても、目立ったゴミが無く、いかに手入れをされている山なのかとさらに申し訳ない気持ちになった。

この帽子は特にオシャレでもないし、高かったわけでも無い。でも『よし!富士山に登ろう!』と思い立ってザックやらカッパやら買いそろえていった初期装備の中の一つで、いちばん最初から5年間山行を共にしてきたから思い入れがハンパ無いのです(涙)

山で被る帽子は2つあって、日帰り登山はこの置いてきた帽子、テン泊は他の帽子とで2種類を使い分けてきた。
別に共通でいいじゃん~なんて思えばいいんだけど、使い分けることがオレの意味不明な唯一のこだわりだった。
”よし!登るぞ!”と気合を入れて帽子を被る瞬間に見える その帽子の種類に”日帰り登山モード”を再認識したりして、いつの間にかオレにはあってあたり前な装備になっていた。

まさかこんな形でサヨナラするとは…ボロボロになってお役御免になるまで一緒にいろんな山に登りたかったなぁ…。帽子よ、ゴメン!



乾徳山をもうすぐ下山というところでフェンスの扉に阻まれ、困っていたところで扉を開けてくれた喪服姿の地元のオイちゃん。
オイちゃんが『どこから来たの?』と聞いてきたので『となりの静岡県です』と答えた。

『ああ、静岡県かぁ…それなら…毛無山だね(ニヤニヤ)』

…なぜ、あえて『毛無山』なのか…他の県にまたがらない静岡県の名山といえば天城山や愛鷹山など もっと有名な山が挙がりそうなハズなんだけど…

…でも、実はギクリとしたのである。
このオイちゃん、実はエスパーで、オレの今被っているニット帽の内側が透視できるのか?
そしてもうひとつ、次に登ろうと心に決めていた山が、実は『毛無山』なのである

透視と読心術を併せ持つ乾徳山山麓の住人に、ただただ驚愕したのであった。(くだらねー)
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乾徳山
おしまい








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by moriyart | 2017-11-23 17:27 | 乾徳山

その3(乾徳山)

9時14分、『乾徳山』山頂に到着。2031m
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駐車場を早く出てきたから狭い山頂でも空いていた。
1グループがラーメンを食べていて楽しそうだ。

近くにいたソロのにーちゃんに撮ってもらった。
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この時点まではこのキャップタイプの帽子を被っていた。
写真を撮ってもらった後、山頂から北側の方向の景色を見ようと北寄りに踏み出す。案の定、北からの風がかなり強いので、帽子のつばの向きをもう一度確認してから恐る恐る前に踏み出した。
突然、突風が下から吹き上がり、オレの帽子を舞い上げた。

しまったぁ!
風が強いのを計算した帽子の被り方をしていたんだけど、想定以上の強さの突風で剥がされるように帽子が飛んじゃった!
瞬間を見ていた写真を撮ってくれたにーちゃんが『あー…』と声を出した。”やいやい”って感じのトーン。

高く舞い上がった帽子はひらひらと落ちてきて、山頂を挟んで反対側の木の一番高い所へひっかかった。
目の高さよりちょっと上なんだけど、崖下から生えているヒノキの木なので地面からだとかなり高い所に乗っかっている。

ストックが届く様な距離じゃないし、石なんか危なくて投げられないし…さてどうしよう。
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その木が生えている崖の途中の棚まで下りて、木を下から見上げる。若いヒノキで、わりと下の方から下枝が生えているので無理すれば登れそうなんだけど、若いゆえに枝が細い。一番太い枝でも直径3センチくらいしかない。
幹ギリギリのところに足を掛ければ登れそうなんだけど、確実にかなりの枝を折ってしまうだろう。しかももし、反対側に落ちたら超急斜面だから帰ってこれないかも。

とりあえず落ち着こう。

風吹く山頂で寂しい頭が寒いので、ザックの中から防寒用に持ってきたニット帽を被り、とりあえず火器を出して早お昼にした。ラーメン食べてるうちに風向きが変わって落ちるかもしれない。きっと事態が好転するハズだ、いや好転してくれ。
準備をしている時も、お湯を入れた後も、気が気じゃなくてつい帽子に目をやってしまう。
ズルズルとすすったラーメンが超固い。やや!3分経ってなかったよ。それほどまでに気持ちの余裕が無くなってしまったのか。

もう帽子が気になって味なんかわからなかったよ…。
もう一度、棚まで下りて、木をゆすったり、足を掛けようとしたけど、結局有効な策は見つからなかった。
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あきらめよう…。

帽子を回収するがために若い木をバキバキにしてはダメだろうし、なにしろ木の向こう側が崖なので落ちたら死んじゃうかもしれない。どう考えてもリスクの方が大きすぎる。
残念だけど、致し方ないや。

帽子が変わり、様変わりしたし、せっかくなので今登ってきた人に写真を撮ってもらった。
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今度はニット帽になっている。

山頂から見える帽子を最後にもう一度確認して、お別れの決意をした。なんとか回収したかったけど、頑張っても無理だったので後ろ髪引かれる思いで山頂から下山を開始する。

さっきの鳳岩を登ってくる人がいるので見守った。
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往路とは道を変えて『道満尾根』を下る。
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吹き溜まりの様な場所は、落ち葉が深く積もっていて膝まで埋まる程だった。
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落ち葉の下に踏むとグリグリ動く浮石があって、見えないゆえに気を抜くと足をグラしそうで怖かった。

農道の様な場所に出た。
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このカーブの先にフェンスの扉で通行止めになっていた。
あれ?どこを歩けばいいのだろう…。うろうろ下山路をさがして農道横の林の中を下ったり登ったり。林の中にもフェンスがずっと張り巡らされていて、フェンス沿いを歩くと どうしてもさっきの通行止めまで戻ってきてしまう。

そのフェンスの扉の向こう側に車が一台停まっていて、車の中から喪服姿のオイちゃんが下りてきてフェンスの扉を開けてくれた。
なーんだ!鍵とかかかってない普通の扉だったのか…。この扉や長く囲まれたフェンスは村に鹿や猪が入らない様に囲っているものなのかな。
喪服のオイちゃんに挨拶をして脱出成功。フェンスの向こうに墓地があったので、喪服姿の理由もなっとくした。地元のかたの法事みたい。

のどかな農村の住宅街を駐車場まで進む。
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いろんな民家があるのでキョロキョロしながら(不審者)歩いていると、縁側から身を乗り出して洗濯物を干しているおばあちゃんがいた。
(あぶないなぁ)なんて思っていたら目が合ってしまった。
おばあちゃん、大声で『駐車場はそこを右へ曲がるだよ~』と声をかけてくれた。
どこの馬の骨ともわからない不審人物にやさしい言葉をかけてくれたのは、びっくりしたのと同時にうれしかった。
かなり離れているので、大声で歩きながら礼を言った。『アザーース!(失礼すぎ)』

12時ちょうど、駐車場に帰ってきた。
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駐車場の向かいの建物の壁に登山届を出すポストがあった。
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そこに『協力金を500円以上募金してくれた方に記念バッジをさし上げます』と書いてあったので封筒に500円を入れて投函してポスト横にあったバッジゲット。
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よくある金属のバッジではなく、缶バッジだった。いや、これはこれでアリだと思う。たまにはこういうバッジもいいかも。


さて、帰りの温泉はどこにしましょうかね。







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by moriyart | 2017-11-23 16:37 | 乾徳山

その2(乾徳山)

『髭剃岩』に到着。
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大岩がパッカーンと割れていてスリムな人がギリギリ通れるくらいな場所だった。
ネットではトライしている人の写真をみたが、自分は通らなかった。早く山頂行きたいし、岩にこすれて体の両面が真っ白に汚れそう。岩に挟まった状態で目の前の超至近距離に得体のしれない虫とかいたら発狂しそうだしね。(ハマって出られなくなるのが恥ずかしいって素直に言えばいいじゃん)

もう少し上ると岩と岩の間の狭い所を通る場所も…。
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その先は梯子の下りだった。
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このころから時折ビュッと強風が吹く音が聞こえるようになった。
昨日雨を降らせた低気圧は日本の東へ抜けて発達し、西高東低の強い風の吹く冬型の気圧配置になった。
風向きは北西の風らしいが、オレは反対の南東から登っているので山体が風を防いでくれている。
だからたぶん山頂に到着すれば風を遮るものが無くなるので、かなり強い風を浴びることになりそうだ。帽子のサイズ調整を一番キツくして、前から風を浴びても帽子を剥がされない様に帽子を前後ろに被ってつばを後ろにして、帽子の風対策をした。
風が強い日に登ったことは何度もあるが、今まではここまでやれば、帽子が風に飛ばされることは無かった。


『カミナリ岩』
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よじ登る鎖場だった。ただ、手足をかけることができる出っ張りが多くてそんなに怖くはなかった。

それでも高いといえば高い。
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山頂へ続く最後の岩壁『鳳岩』
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高さ約20m。凸凹が無いキレイに真っ平らな岩を登る名所だ。
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一応、迂回路もあるので、こういうのダメな人も山頂へ行ける。


いざ、挑戦。
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きれいに平らな岩だけど、ところどころにある亀裂や穴に足や手をかけることができるので、そんなに大変じゃなかった。
それでもちょっとだけ必死モードになった時があった。程よい緊張。
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でも濡れてたり、凍ってたりしたらヤバいのかな。





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by moriyart | 2017-11-23 16:17 | 乾徳山

乾徳山

いよいよ冬本番に突入し、そろそろこたつでも出そうかと思うこの頃、『この冬一番の冷え込みになるでしょう』と予報された朝に家を出発した。

いつもは駐車場に早着きして、車内で寝てから出発する。今回からは家で寝て、駐車場に着いてからすぐ出発するスタイルになった。
登山口の駐車場って山の麓で わりかし標高が高いから、いくら車の中でも寝ていると寒くてたまらん。エンジンをかけて暖房を焚きながら寝るのは騒音で迷惑になるので避けたい。
だから冬の山登りは早着きをしない。それに山登る服を着て家を出るので車内で着替えなくてもいいからラクチンだしね。

それでも深夜2時に起きて支度をしてから出発する。ってか、早朝というより真夜中じゃん。



富士市から朝霧へ入って青木ヶ原樹海を走る。
明け方に近いので走る車はほとんどいない。時折ハイビームに照らされる道路上の小動物の亡骸を避けながら樹海を進む。
(今日は道路上の亡骸が多いなぁ)なんて思いながら走っていれば、久々の対向車。ハイビームからローに切り替えて対向車とすれ違った。
ハッと気が付くと目の前にまたまた動物の亡骸。ロービームゆえに発見が間近だった。おっと!と急ハンドルで避けた。
なんとかセーフ。何の動物だったのか左のサイドミラーで確認しても暗いしスピードもあるのでなんなのかわからない。サイドミラーから前に視線を戻した。

!!!

路側帯に人が立っていた。
びっくりして声が出なかった。一人っきりで上下迷彩服。自衛隊と言ってもいい格好をしていた。車道を眺める形で動かない。
時間は真っ暗4時半、外気温は1℃だ。なのに厚いジャンパーっぽいものを着ていなかった。

(何?何?訓練?一人で?薄着で?樹海のど真ん中で?こんな早朝に?)

やべー、パニクりそう。もしかして樹海だけに”出た”だかしん?
いやいや、かけていた眼鏡にオレの車のライトが反射したし、影もあったから実体はあったハズだ。
もう一度確かめたくても戻るなんて絶対イヤだし、戻ったところで居ても居なくなっていても怖いし…。
もし、オレの後ろを知り合いが走っていたとすれば、車を停めて『いたよね、いたよね、いたよね?』と、一歩ずつ詰め寄りながら聞きそうだ。


でもいったいなんだったんだろう…





※のちに調べてみた。
陸上自衛隊の樹海踏破訓練ってのがあるとか無いとか…






6時前に駐車場に着いた。
まだ暗かった。車外に出ると寒い。他に数台止まっているが、支度をしている人は少ない。

途中のコンビニで朝ごはんも済ませたし、明るくなってきたので6時15分、駐車場を出発した。
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民家が並ぶ川沿いを歩いて行く。
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ニジマスの養殖場があった。けっこう大きい。
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しばらくは農道の様な道を登る。
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あたり前だが歩きやすい。そして静かだ。
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6時46分、登山口に到着。
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やっぱりここも出るのか…、今やおばけより怖い存在になりつつあるね(いや昔からおばけより怖いだろ)

熊鈴を鳴らして登っていく。
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杉の葉がふかふかして足音がしないし、鳥の鳴き声もしないので熊鈴の音だけが響く。時折、木の枝から剥がれた落ち葉が、幹に当たりながら落ちるカサカサという音がする。

山の影になっていた太陽が顔を出す。
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山肌に木漏れ日を落とし、体感的に暖かくなった。
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水場『錦晶水』。
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最近はこれより上に鹿がいたりするため、衛生面で疑問が残るらしい。
看板に誰かの落とし物の帽子がかかっていたが、今思えば、この帽子はオレにこの後起こる事のメッセージを教えてくれていたんだと思う。
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少しひらけた場所に出て、乾徳山の山頂が見える。
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そこをしばらく登って尾根沿いに出たところにあった大岩。
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裏側にまわると容易に登れたので岩の上から景色をながめた。
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富士山だ。
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目線を横にやると南アルプスも見えた。
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そこから先は、今までの登山道とは違い、大岩がごろごろと。
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by moriyart | 2017-11-23 16:09 | 乾徳山

その5(妙義山)

記 録

活動時間:7時間51分
活動距離:9.60km
高低差:682m
累積標高上り/下り
1,264m / 1,277m
カロリー:3332kcal
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感 想

慣れてしまったのか、戸隠山の時ほど”恐ろしい”とは思わなかった。鎖場の数は遥かにこちらの方が多く、ひとつの鎖場の長さも段違いに長い。高さ30メートルくらいの場所もあり、いちばん上から落ちればほぼ即死してしまうだろう。妙義山を調べれば調べるほど転落事故の記録が多く、事故が起こればかなりの確率で死亡している。
あまりの遭難の多さのために自治体などの行政は入山禁止にしたかったが、登山を続けたい山岳会との折り合いがつかずに鎖の増設や鎖場の整備でヨシとしてしまっているらしい。
実際オレが登った前の日にもこの山のどこかで70代の女性が亡くなっている。ってか女性で70代でこの山を登ろうってスゲェな。
思い返してみれば、登山道ですれ違う人の中には50代以上の女性がかなりいた。世の中にはこんなにも命知らずなオバちゃ…ゲフンゲフン、お姉さまがいるのかとも驚いた。

気象や季節の条件で変わるので、山自体に難易度とかってなかなか付けられないと思うが、あえて言うなら夏のジャンダルムピストンより怖かったし危険だと思った。でもまあ、西―奥縦走の方がもっと危なそうだけどね。

もうここまでやれば前準備はいいのかな。それでもまだ”岩場の経験不足”と言われてしまうのだろうか。
来年以降にいよいよ『大キレット』または『西~奥縦走』を視野にいれてみようかと思う。
”オレには絶対無理だ”と言い聞かせて諦めてきた『西~奥縦走』に、結局は行こうとしてるのか。エキスパート限定の場所にオレではおこがましいと思いながらも、やっぱり行ってみたい!チャレンジしてみたい!と強く思う様になってきてしまったんだね…。
来シーズンまで気持ちの冷却期間を置きながらじっくり考えます。
まあとりあえずは大キレットかな。


妙義山。
危なくてあまり近寄らない方がよさそうな山だが、今回その山の麓に住む人達からとてもあたたかい言葉や待遇を受けて、ここ妙義一帯、人も含めて大好きになった。 またいつかもう一度来て山と人々にふれあいたいなぁ。
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妙義山 
おしまい








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by moriyart | 2017-11-11 11:50 | 妙義山

その4(妙義山)

しばらく下ると石のアーチが見えた。
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あれ?なんかおかしいぞ。
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立ち止まり、地図を開いて確かめる。スマホも取り出してヤマップで歩いてきた軌跡を確認。
あー…道を間違えて途中から降りてきちゃった…。
今さらあの急坂を延々と登り返すのもイヤだから、今回はここが下山口という事にしますか。一応 表妙義最高峰は登ったし、大ボスの鷹戻しも制覇したしね。
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石門をくぐった先は東屋がある休憩所だった。
たくさんの観光客がいた。特に外人さんが多かった。と、いう事は、ここはほぼ下界なのか。

東屋の席があいていたのでラーメンを作って食べた。
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そのうち外人たちが集まり始め、大きな東屋に大勢休んでいるが、日本人はオレを含めごくわずかになってしまった。
サラウンドで飛び交う暗号言語。
そういや外人さんって日本人の麺をすするズズズという音がとにかくイヤだというのを聞いたことがあったので、できるだけ音を立てずに静かにすすった。

何でここは日本なのに気を使わなきゃならんのじゃー!

アホらしいと思いながらも、やっぱり静かに麺をすすった。(小心者)

外人さんもランチを食べ始めたが、あっちのかた達は弁当じみたものをあまり食べず、りんご丸ごと一個とか『じゃがりこ』などを食べている。食に関しては無頓着なのか。会話の内容はわからないが、”楽しそう”ってのはすごく伝わってくる。

食後に飲み物を飲んだ。いつもはコーヒーなんだけど、今回初めて緑茶のティーバッグでお茶を飲んでみた。

和んだ。
山の緑茶もたまにはいいね(お茶処の田舎者)。


外人さんが続々と来て座れずに立ってる人も出てきた。
オレもゆっくりしたいが、暗号で『このハゲどけよ』とか言ってたらイヤなので(日本人だなぁ…オレ)いそいそと片付けて立ち上がった。


石門の脇に来て見上げると『大砲岩』の上に人がいる。
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そこからの景色も奇岩を多く見ることができる。さすが日本三大奇景。
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なごり惜しいが、12時20分、石門広場を離れた。
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もうすぐ県道というところに『第一石門』があった。でっけぇ。
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県道に出た。
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あとは県道沿いを歩いて戻っていく。時間にして1時間くらい。
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妙義神社まで帰ってくると13時を超えているので参道は多くの人が訪れていた。
みやげ物屋もあったが、オレが買うのはこの店ではない。
鳥居の外に出て、鳥居の向かいのみやげ物屋の『かどや』に入った。

朝、地図をくれたり情報を教えてくれた恩として、ここで『妙義山の山バッジ』を買って義理を果たそうと心に決めてきたのである。
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山バッジを買ったときにもあたたかい対応をしていただき、やっぱりうれしかった。
そのときに、おかあさんがオレのザックの横についているラーメンの空きカップや行動食の包装が入っているゴミ袋に気が付いて、『そのごみをもらいますよ』と言ってくれた。一応はお断りしたものの結局ごみの処分をお願いしてしまった。

恩を義理で返したつもりが、さらに恩の上書きをくらってしまった。ありがたいやら申し訳ないやらで謝りっぱなしだった。
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すぐそこのテントで抽選会をやっているとの事で抽選券をもらった。
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三角くじを開くと『4等』と書いてあった。
パンジーかネギかどちらかがもらえるとの事で、ネギにした。
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近隣が下仁田町なので、つい『下仁田ネギですか?』と聞いたら違うとの事。あらら、そいつは失礼致しやした。
もらったネギを鼓笛隊の先頭の人が持っているメジャーバトンみたいにして歩いて道の駅まで戻って来た。

祭事用テントが張ってあって、もみじ汁が無料で配られている。
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テントに近づくと中にいたオイちゃんがオレに気が付いて『無料だよ』と声をかけてくれた。『クイズ100人に聞きました』の関口宏みたいにで机に寄りかかっている。
卓上に置いてあった一味をかけて飲んでみる。脇にネギを抱えたアホみたいな姿で。程よく冷めていて飲みやすかった。単純に言えば味噌汁なんだけど、ホッとする味だった。オレがもらったネギと同じものが刻んで入っていて、シャキシャキした歯ごたえと薬味チックな味がいい感じ。
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もうちょっとあちこち覗きたかったけど、14時前に道の駅を出発した。
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帰り道、国道を走っていると見えてきたのは妙義山と兄弟の『荒船山』。
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山の北側は超絶壁で高さが200メートルくらいあるらしい。
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この山は『クレヨンしんちゃん』の作者の臼井儀人さんが遭難死したことで有名になった山だ。

120メートルの崖を転落し、顔は判別できないほど損傷したので最終的には歯形で本人と判明したのだそうだ。直接の死因が肺挫滅。判別できないほどの顔の損傷が致命傷ではないのか…。人間の死因ってわかんないや。
オレも近い将来、きっとこの山を登るでしょう。臼井さんと同じ山好きとして他人事ではないので気を付けます。
息子くんは相変わらず貴方が生み出したクレヨンしんちゃんでバカ笑いしていますよ。


ご冥福をお祈りいたします。






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by moriyart | 2017-11-11 11:44 | 妙義山

その3(妙義山)

相馬岳を超えたあたりから、警告看板と、大ボス『鷹戻し』への道標がよく出てくるようになった。
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相馬岳から一度大きく下っていく。
落葉樹の落ち葉が大量に積もった登山道を下っていると、落ち葉の下にある石を知らぬ間に蹴り落してしまうことがあった。

カカッカッカッ…カッ…………カッ……

石が岩に当たりながら落ちる音なんだけど、無音になる時は空中を落下している状態だろう。

ゆるい傾斜の落石は、転がったり地面に何度も衝突してだんだん減速していく。
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急斜面は、一度跳ね上がってしまうと次に地面に着くまでに重力加速度で もんのすごい速度になってしまう。まるで弾丸。
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おまけにこの山の石は、わりと球の形をしていて転がりだすとなかなか止まってくれない。
オレが落とした石は、登山道の横の沢を何度も飛び上がりながらずーっと落ちていった。見えなくなっても音だけはいつまでも聞こえてくる。500円玉くらいの小さいヤツだけど、あんなの当たればドクターヘリもんだ。

人がいなくてよかった…。



登り返しの先は、ほぼ稜線上の細い道になり、険しさが増す。
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長い梯子。
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二つくっつけてあった。わりときれいな梯子なので最近新設されたのかな。でも途中の段がところどころ凹んでるのは落石でも食らったのだろうか。
梯子って垂直なので、高い所まで登るとけっこう恐怖だ。(下見てはダメ下見てはダメ)


いよいよ大ボス『鷹戻し』の鎖場に来た。
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前の人の登るのをながめていた。
この兄ちゃん、ヘルメット持ってるのに被らないのはなんでだろう…。
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ハーネスやカラビナで完全装備なのになー。


いざ自分の番。

事前から『危険!この場所での~…』みたいに何枚も警告看板が設置してあったり、鷹戻しでの死亡事故の記事を読んだり、他の人の山行記録を読んだりしてけっこうビビらされていた。
…が、今はここを登る楽しみみたいなのの方が勝ってしまっている。腕試し気分みたいなものだろう。

鎖を握って一歩踏み出す前に集中。昨日の夜の出発前の息子くんの号泣を思い出して(安全に、安全に、死なない様に)と念じて慎重に登った。
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最初は必死で登ってたんだけど、途中でハッと気が付いたら急に怖くなった時があった。垂直に立てたカマボコ(斜面左右が湾曲している)からオレの体のみが空中に出っ張っているというか投げ出されている様な感覚になり、少しゾクッときた。それでも恐怖の中にも楽しさを感じた。

登っている時に足元を見れば、岩壁に金属で引っ掻いたような跡が無数にある。こんな場所でトレッキングポールなんて使えないし、凍ってもいないからアイゼンじゃないし…何の傷跡だろう…。

あー!コレたぶんスパイク地下足袋だわ、きっと。

足裏の感覚を頼る岩場には地下足袋はうってつけかもしれない。足首も自由に曲がるしね。なーるほど。
鎖を握ったままとんでもない場所でヘンにナットクして感心してしまった。

数分かけて登り切った。
登ってしまえば(こんなもんか…)だったけど、やっぱり怖いもんは怖い。
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鷹戻しを超えた後の下山路も鎖鎖鎖。
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数十メートルをほぼ懸垂下降で下ったりでずーっと命がけだった。





鎖場地帯を下りると里山の様な落ち葉の積もった急斜面を下りていく。オレの前にはカップルが下りている。
下から男性が登ってきた。カップルもオレも脇にそれて道を譲った。
オレの横を通り過ぎて登って行った男性が落石を起こした。
急斜面で跳ね上がった石が落下と共に加速していき、カップルのおねえちゃんの顔のわりと近い所をヒュッと通り過ぎて行った。
あっぶねぇ!
一瞬過ぎて声が出なかった。『ラク!』なんて言ってらんないくらい。
ってかおねえちゃん気が付いてない。風切り音くらい聞こえそうだけど。
後ろを振り返って落石を起こした登っていく男性を見たが、この人も自分が落石を起こしたとは気が付いてなかった。

もし、おねえちゃんにヒットしてたらシャレにならない怪我をしていただろう。しかも位置関係からしてオレが落石を起こしたと勘違いされそうだ。上の男性が原因なのを”もし”オレが見て無かったら、腑に落ちないながらも責任を認めてしまうかもしれない。
ホントに何もなくて良かったよ。オレ以外は今も何が起こったのか知らないままだなんてズルイなぁ。

気が抜けないなぁ…毛が抜けそう…。





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by moriyart | 2017-11-11 11:27 | 妙義山

その2(妙義山)

鎖場を登り切るといい景色。
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妙義山以外の近くの山もわりとギザギザしている。

高度が紅葉前線とマッチングしたのか、ここら辺の木々が紅葉している。きれいだ。
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『裏妙義』の向こう側に見えるは今も活動を続ける『浅間山』。
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いつか登りたいけど、噴火警戒レベルが2なので行けるのか?

岩と木々の関係がおもしろい。
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さすが『日本三大奇景』のひとつだ。他は大分県の『耶馬渓』と香川県の『寒霞渓』だそうだ。

だいぶ高くなった。
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よく見る山から見下ろす街並みってずいぶん遠くに見えたりするけどここはかなり近く見える。山って裾野がずっと広がっているので裾野が終わった先から街があるので山頂からは遠いのが一般的だ。この山は標高が低いってのもあるんだけど、どこも絶壁な山なので、裾野が狭く、山頂から見える街はとても近く見える。
高いビルから見下ろしたみたいな感じだ。

途中、岩と岩の間のとても狭い所を進む。
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引っかかりそう。『デブでは無理だ、デブでは無理だ…』つぶやきながら進む。

ビビリ岩に到着。
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長い鎖場だ。靴の岩へのフリクションも効くので軽快に登る。
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けっこうな高さだった。
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眼下に『道の駅みょうぎ』が見える。オレの車も見えた。
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これでもか、これでもかと押し寄せる鎖鎖鎖。
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絶壁だわ数十メートルの長さだわで、もう一部の変態鎖マニアにはたまりません。そろそろオレも疲れてきた。”疲労”って言葉がしっくりくる。腕の疲れもそうだが、鎖を握り続ける手のひらが痛くなってきた。

一度大きく下り、登り返すと、さっきオレが景色をながめていた場所に後続のパーティがいた。
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向こうもオレに気が付いて指をさしている人がいる。
手でも振ろうかと思ったけど、スルーされると悲しいのでガマンした。
ちなみに自分が立っている場所は100メートルくらいの完全垂直絶壁。
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超こえぇ。

そしてしばらく進むと…
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8時50分、表妙義最高峰『相馬岳(1,103.8m)』に登頂。
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山頂はそんなに広くない。森林限界超えてないので木が生えている。
男女混合のパーティが休んでいた。
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リーダーと思われるかたに写真を撮ってもらった。
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by moriyart | 2017-11-11 10:48 | 妙義山

妙義山

人間とは一つの刺激に慣れてしまうと次なる刺激を探していき、どんどんエスカレートしていったりもすることがある。

以前、『戸隠山』に登って鎖場とナイフリッジからなるその山に、『もう怖いからこういう山は登らない』と誓ったのだが、”喉元過ぎれば熱さ忘れる”なのか、似たような山を探したりもした。
そして見つけたのが この『妙義山』なのであった。
この山を登るのを10月に照準を合わせていたが、度重なる台風で延期になっていく。各山域での初雪の便りを聞くたびに、もう今年は登れないかもしれないと焦ったりもした。

スケジュールの調整をかけてなんとか11月の連休初日に行けそうになり準備をする。
そんな中、実家の親から電話があって、出てみると、

『山に行くのか!行くなよ、行くなよ、やめろよ!

いつもに増して強めの『行くなよコール』をいただきました。いきなりなんだよ急に…今回ばかりそんなに言われるとちょっと心配になってきたわ。
山へ出発の見送りの時も、いつもより激しく息子くんが泣いた。もうわんわんと…。

みんなどうしたんだよー、なんかコワイじゃんよー

でもまあ、その泣き顔を目に焼き付けて、安全運転、安全山行で行ってきますわ。

向かう先は群馬県。長野県から抜けていくからそんなにはかからないけど、遠いっちゃ遠い。眠たいわけじゃないけど、ぼーっとしながら運転していれば、LINE電話で珍しい人から着信。友達のかーしゅなだった。
オレが山に向かう途中にナゼかいつも かーしゅながLINEで騒ぎだす。オレからなんか変な電波が出てるのだろうか。
話を聞いてると今、500mlのビールを6缶飲んで上機嫌だ。ってか3リットルも呑んだのかよ…。もうオマエがビールの容器そのものじゃんか…。

それから一時間、通話しながら運転して群馬まで向かう。もちろんハンズフリーですよ、ハイ。
『ところでなんで群馬へ向かってん…え?山なんて登ってんの?知らんかったわ』
はい、公言してないから知らないとは思うけど、もう5年経ちますんですのですです…。
退屈な移動時間もバカ話で眠くならずに済んで、ある意味ありがたかった。


深夜に『道の駅みょうぎ』に到着。
きっと寒くなるハズなので、厚着をしてから座席に丸くなって寝た。


5時のアラームで目覚め、支度をして6時前に車を出た。
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目の前には『白雲山』。妙義山の山々の一つだ。
実は妙義山とは、富岡市、安中市、下仁田市の3市にまたがる白雲山、金洞山、金鶏山などを合わせた総称のことであり、厳密に言うと『妙義山』と名指しされる山は存在しない。
とりあえず今からはこの白雲山を目指して登る。

妙義神社の鳥居の前に来た。
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鳥居の前で出発前の最終準備のザックのベルトを締めたりしていたら、すぐ横の土産屋の電気が灯り、カーテンがシャッと開く。
おかあさんが顔をのぞかせて、オレの顔を見て何かを言った後、店の奥に入っていった。少しすると手に紙を持って出てきた。
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妙義山全体のパンフレット兼地図だった。
通行止め区間を教えてくれたり、登山道の状態を教えてくれた。とても丁寧で優しい話し方をするおかあさんだった。客でもない通りすがりの不審人物モドキに あたたかい声をかけてくれるなんてうれしかった。礼を言って地図をもらった。

鳥居の向こうに見える参道。
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上り坂で商店が連なっている。今は早朝なのでどこもやっていないが、帰ってくる頃にはにぎやかになっていそうだ。

神社の中を進む。
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わりと大きくて広い。神社だけを散策するのでも、充分に観光になりそうだ。
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昔ながらの階段をそのままにしているそうで、ゆがみや傾斜もあえてそのままにしているのだとか。

神社横の登山口に来た。
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気を付けていきます。

しばらくは里山の様な土の山。
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土の感触がやわらかい。

木々の間から太陽が顔を出した。
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寒いかと思って上着を着てきたが、暑くなってきたので脱いでしばらく歩いていたけど、それでもまだ暑いので長袖のシャツから半袖にチェンジした。季節柄半袖なんていらないと思ったけど、わざわざ持ってきてよかったよ。

いちばん最初の鎖場出現。
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傾斜は緩いが、結構長い。わりと滑るので鎖に頼って登っていく。

しばらく登ると尾根っぽい所に出た。
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左右に分かれていて、左へ行くと『大の字』らしい。

なにやら岩と鎖が見えてきた。
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なかなかの高さだ。
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でっぱりが少なくて手足をかけるところが乏しいのでやっぱり鎖に頼る。

大岩を登りきると、岩の上に『大の字』があった。
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山のふもとから見た大の字は小さくみえるが、実際はかなり大きかった。

岩の上から真正面に見える街は、富岡市?下仁田町?どっちだろう。
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富岡製糸場見えるかな、下仁田ネギ食べたいな。

後続のパーティが登ってきて狭い岩の上がにぎやかになった。
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もうひとパーティがこっちに向かってくるのが見えたので岩を下り、先へ進んだ。

7時、『奥の院』に到着。
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この洞窟の奥に石仏が祭られてあって、修行者がここで山籠もりしたとか。中に少しだけ入って覗いてみた。薄暗くて苔むしていた。噂によるとここはパワースポットらしい。

その奥の院の真横には30メートルほどの垂直な鎖場がある。
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オレが奥の院の洞窟に入っているうちに後続のカップルが登り始めていたので、登る様子を見上げてながめていた。
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ハーネス付けてる。
ハーネス必須の山なのかと一瞬焦ったが、事前調査では付けてない人も多かったのでたぶん大丈夫でしょう。…たぶん。

ほぼ垂直な30メートルの壁を登ると途中から水平に移動する。絶壁の途中で真横に移動って…なんか想像を絶してて凄い。
2013年にはここで43歳の男性が転落して亡くなっている。こりゃ確かに死ぬわ。
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絶壁の鎖場を登る時、つい壁に対して体を垂直ぎみに登りたくなる。
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こうすると腕の力で体を引っ張り上げることになるので、長い鎖場でかなりの数がある妙義山では腕が疲れきってしまうだろう。さらに最後に鎖場の大ボス『鷹戻し』があるので、大ボスの時に疲れ切ってしまった状態では力尽きて倒されてしまうのは必至だ。

誰かの山行記事で読んだ『できるかぎり足で登る』のを実践してみた。
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体重を足で支える。こうすると確かに腕は楽なんだけど、壁面に足を掛ける場所が無い場合、足首をおもいっきり曲げることになる。足首をガッチリ固定されたトレッキングシューズでは思うような足運びができず、なおかつ靴の中で踵や足の甲が当たってすごく痛い。でもしかたないのでガンバル。

ここは地下足袋が最適なのかもしれないね。






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by moriyart | 2017-11-11 10:37 | 妙義山