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その6(針ノ木岳・蓮華岳)

記 録

活動時間:9時間58分
活動距離:15.51km
高低差:1,399m
累積標高上り/下り
1,782m / 1,780m
カロリー:4333kcal
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反 省

いつかはやると思ってた。流血のケガ。
垂れるほどは出血していないが、その代わりワリと強めに頭を岩に強打した。
幸い 気を失ったりもうろうとするほどではなかったけど、頭を打った瞬間、(やべぇ事になるぞ)と一瞬は遭難を覚悟した。子供のころから『石頭』って言われてたけど、それが良かったのか大事には至らなかった。人に迷惑をかけなくてホンッットに良かった。心の底から安心した。

車に乗ってルームミラーをのぞいて見た。ケガをしてから鏡を見るのは初めてだった。山でスマホで撮影した画面で傷を見た時は擦り傷だったが、数時間経って炎症したんだろう、傷を縁取る様に赤くなっていた。こげ茶色の傷をより一層目立たせているかの様。
これが年頃の女の子なら一週間は部屋に閉じこもり、誰とも顔を合わせないだろう。それくらいハデなのだ。その点オレは男だし、美的に関しては心配無用な顔なので安心だ。
あーブ男でよかった♡
…むなしい。そろそろ誰かに『そんなことないよ、よしよし』って慰めてほしいなぁ。
しゃーない、あとで鏡に向かって言うか。(かなしー)


『正常性バイアス』
御嶽山の噴火の時からよく聞く言葉だ。あのとき立ち上る噴煙を見て『たぶん大丈夫だろう、噴石はここまでこないだろう、死ぬほどではないだろう』そんな風に都合の悪い情報を過小評価したりして逃げ遅れた人がいる…との事だ。『逃げろ!』ではなく『写真写真!』と叫ぶ人までいたんだとか。
今回のオレも『仕事でするケガと変わんない。だって動けるもん。きっと大丈夫だよ』と思った。これが正常性バイアス。
そして『もうすぐ痛みが引くよ。みんなこれくらいは当たり前だよ。余裕っしょ』楽観バイアス。
二つのバイアスに陥ってしまった。
正常性バイアスを知っていながらコレに陥ってしまうのは、もう人間の習性と言うべきか、DNAに刻まれたプログラムなのか。こういうときに複数の人といれば正気に戻してくれる人がいて大事にならないのかもしれない。 パーティってそういう意味もあるんだろうなぁ。(考えすぎかな?うんにゃそんなことない!)

山でトラブルに遭う…というのを一度経験したのだから、この先も必ずあるとは思う。生死に関係する事も起きるかもしれない。その時にソロでもパーティでも自分がどう立ち回ることができるか考えていきたい。今回はある意味いい経験ができたんじゃないかな…と思った。

まあ、重い反省はこのくらいにして…

針ノ木岳と蓮華岳。
この二つを日帰りで登っている人の記録の多い事。
天気さえよければ山頂から見える山々が素晴らしすぎて震えるほどだ。状況によってはマジで感涙しそうなまでだ。
カチッとした趣の針ノ木岳とは対照的にノペッとした蓮華岳。性格が真逆なこの二つの山がセットで大好きになった。特に危ない所も無いし小学生なら余裕で登れるのになんでだろう、他の北アルプスの山よりか知名度が低い気がする。でもバカみたいに混むミーハーな山よりかはいいのかな。なんかさ…この二つの山はいつかもう一度登る気がする。それくらい良い山だった。



オレが山に行かせてもらえる息子くんからの条件がある。
『絶対に死ななずに、傷ひとつ無く帰ってくること(原文ママ)』
ごめんね、約束を破ってしまいました。このことに関しては息子くんに死ぬほど謝りました。
ただ、あれほど強く岩に頭を打ったのに、こんなにも軽症だったのは 息子くんが持たせてくれたてるてる坊主のお守りのおかげなんだと真剣に信じている。最近そういうのに素直に信じられる様になった。

もちろんカミさんもオレの額の///を見て『どうしたの?』と驚き、とても心配してくれた。オレも調子に乗ってはしゃぐ。
『見て見て!傷が3本あるよね、アディダスみたいだよホラ!アディダス!』

『あー…4本あるよ?』

パチもんかーい!////
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針ノ木岳・蓮華岳
おしまい



あれから一週間、傷が次第に治りつつ消えていく。オレの体のスポンサーをアディダスもどきが降りた様だ。次はナイキかな。









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by moriyart | 2018-09-29 16:44 | 針ノ木岳・蓮華岳

その5(針ノ木岳・蓮華岳)

11時『蓮華岳』山頂に到着。2,799 m
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針ノ木岳で写真を撮ってくれた人がここでも『撮りますよ』と言ってくれたのでお願いした。
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針ノ木で撮ってくれた写真に指が写っていたが、当然の様に蓮華岳の写真にも写っていた。

山頂は数人の人が休んでいた。
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時間的にもお昼と言ってもいいのかな。11時だし。火を焚いてラーメンを食べている人がいた。

計画ではオレもここでラーメンを食べる予定だったんだけど、ちょっと食欲が無い。やっぱ心のどこかでケガをしている事の心配をしている様だ。なので静かに景色を見ていた。

ここからも槍ヶ岳が見える。
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見事な尖りっぷりだ。頭を打った岩があんな形をしてなくて良かったなぁ…と、いちいち思い出してはクヨクヨしていた。


『いやぁ、まったく雲が無いよりこれくらいあった方が高さを感じられていいですねぇ』
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なんて誰かの会話を聞いて、(なるほどなぁ)と雲の切れ間からの町並みを見ていた。たぶん大町市なんだろう。

西のなまりのおっちゃんがいろんな人に話しかけている。そのうちの一人との会話の中で、
『今日はヤケに【アサギマダラ】が飛んでるなぁと思いましてね』
『アサギマダラって?』
『蝶でして、この季節は南へ移動するんですよ』
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そんな話を聞いて谷の方を見ていたらひらひらとこっちに向かって飛んでくる蝶が見えた。
『あそこにいますね』
オレもつい声が出てしまった。谷を飛んでいる蝶を指をさした。

よく見ると山の北側の斜面から山頂に向かって飛んでくる蝶があちこちに見える。蓮華岳の山頂を超えて北から南へ行こうとしているようだ。
向かう先は九州や沖縄、遠い所では台湾まで1000kmの旅をするのだとか。

知らなかったなぁ…今日この山でこのおっちゃん達の会話を聞いてなかったら、その蝶の事をまだずっと知らないままだったんだなぁ。蝶に詳しいおっちゃんに今日逢えたことがオレの中での一期一会でもある。
そんなことを思いながらこっちに向かってくる蝶たちを見ていた。
南からの乗越しの強風が吹いているので、蝶が山頂を超える瞬間、強い風に煽られてドえらい距離を戻されてしまっている。それでも果敢に山頂越えをリトライしている。トンボやハチみたいな形なら多少は風に耐えられそうだが、蝶なんて凧みたいなもんなので風の煽りに弱いのは当然だろう。

今飛んでいるこの子たちは何週間後には九州とかに行ってるんだろうね。小さいのに健気で強い。ホントに自然ってすんごいなぁ。

『アサギマダラ』←クリックでGoogleの画像検索に行きます。

さて、感動したところで山を下りますかね。


山を下る時にちょっと見ておきたい場所があった。
それは頭をケガした事故現場だ。
あの時は恥ずかしいのと譲ってくれた人に気を遣わせるのが悪くて早々に立ち去ったけど、どんな場所かしっかり見たかった。

ここだっけ?いやちがう。もうちょっと地形がこうだった…。そんな感じで探しながら下りて行くとその場所を発見!
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なるほどなぁ。
つまずいた岩から頭を打った岩まで3メートルくらい離れている。だからそのまま倒れたとかじゃなくて前に進む勢いが付いた状態でスッ飛んで行ったんだろう。だから手を着いても跳び箱みたいに前へ行ったのかな。

つまずいた岩アップ。
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おーあるある!よくこのヒダヒダタイプのヤツにひっかかんだよオレ。もうね、あるある過ぎてイヤになる。

なるほどなぁ…対策?ねぇわそんなもん…


12時8分、また針ノ木小屋に帰ってきた。
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今到着した人達はここでお昼ごはんにしようと話している。
自分もそうしようかなと思ったが、やっぱり食欲が無いのでそのまま下りた。

途中、枯れた沢を横断している時に沢の流れる音がする。
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おーすげぇ!一見枯れている様に見えるけど、この枯れた岩の下で大量の水が流れている音が聞こえる。とても不思議な感じ。
朝は真っ暗だったから気が付かなかったよ。

あともうちょっとで扇沢ってところの広場でヘリによる荷揚げポイントがあった。
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ここを拠点にあちこちの山小屋へ物資を運んでいるのか。今はヘリが飛び立った後なので、ここに居る人は休憩しながら雑談していた。


扇沢駅の裏まで下りてきた。
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トロリーバスの架線が施設へ駅まで続いている。バスがバッテリー化してしまうとこの架線は撤去されてしまうのだろうか。
あのパンタグラフがカッコいいんだけどね。時代なのかな。ちょっとさみしい。

降車場でカメラを構えた若者がいる。
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なるほど、消えゆくものを記録したいのね。鉄道だと『撮り鉄』っていうけど、トロリーバスだとなんていうんだろう。『撮りバス』?


そして14時31分、『扇沢駅』まで無事に帰ってきた。
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いやぁ、何事も無くて楽しかったよ。

当たり前だが扇沢駅は混雑していた。
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オレみたいな山ノボラーみたいな姿で汗臭い人はいない。みんなブルジョアなオシャレ服だ。ましてや額に///の傷がある人なんて皆無だ。
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観光バスもたくさん停まり、いかに人気の観光地なのかがうかがえる。

せっかくなので駅の中に入ってみた。(え?///のクセに?)
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ちょうどトロリーバスが来たのだろうか、やたら混んでる。
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せまいみやげ物屋で背中にザックを背負ってるオレは相当ないやがらせ野郎だ。
ダムに来たわけも無いし、土産は買わない。(んなら出てけよ)

14時45分、駐車場にケガも無く無事に帰ってきた。
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いやぁ、程よい疲れがいいね。なんかズキズキする場所あるけど。

山からの帰り、やっぱりお腹が空いたので定食屋でご飯を食べた。
カウンターで食べたんだけど、正面の厨房にオレと対峙する調理師のおっちゃん。
おっちゃんはきっと、カウンターでモソモソ白飯をほおばるオレの///を、(なんだアレは…)みたいな目で見ていたに違いない。










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by moriyart | 2018-09-29 16:29 | 針ノ木岳・蓮華岳

その4(針ノ木岳・蓮華岳)

眼下に見えるのは黒部ダムがせき止める『黒部湖』。
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目を凝らすとアルペンルートの一部が見える。
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ダムの堰堤の端っこに『黒部湖駅』があって、斜面の地中をケーブルカーが走り、『黒部平』に繋がる。

『黒部平』からは、間に桁の無いロープウェイが『大観峰』までつながる。
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『大観峰』からは立山の山頂の真下をトロリーバスが走り、室堂平までつながっている。
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雄山に登った時も、剱岳に登った時も、アルペンルートを渡り歩いて、各駅で対岸の針ノ木岳を眺めていたはずなのに、あの時はこの山の事をまったく意識していなかった。いろいろ登ってだんだんといろんな山を思えていくんだねぇ。

対岸にある立山を眺めながら大きなため息。ステキ過ぎる。


山小屋の人の言った通り稜線の風はちょっと強かった。
風の弱まる段になっている岩の低い方に腰を下ろし、ザックから総菜パンを出した。
浅間山で食べた時に、あまりのウマさに感動した『白身魚のタルタルバーガー』だ。また買ってきてしまった。

あの時は味に期待せずに食べて、あまりのウマさにびっくりしたが、今回は味を知っているのでワクワクしながらかぶりついた。

アレ??あの時ほどおいしく感じない。
最初にむさぼりついて、高速にもぐもぐしていたが、あれ?と感じた後、もぐもぐのスピードが次第にゆっくりになっていった。
やっぱり”山で食べた補正”とか”思い出補正”なのかなぁ…。
そう思った後は景色をぼーっとながめながら無表情にもしゃもしゃ食べていた。
半分以上食べたくらいで突然、ウマい!となった。
タルタルソースが後半に偏っていたのだ。なるほど、前半はパンに白身魚のフライをはさんだだけの味無しバーガーだったのか。なーんだ。
コレだよ、このハーモニーだよ!やっぱウマイなぁ…。

いや…でもタルタルが前半の分まで最後に偏ってるからタルタル濃過ぎだなコリャ。はみ出しまくり。まあでもうまいうまい。

パンの袋を片付け、立ち上がって近くにいた人に写真をお願いした。
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おっちゃん、指入ってるよ(ラーメン屋の店員かよ)


山頂から今来た道を見返すと、山小屋を超えた先に見えるのは『蓮華岳』。
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今からそこへ向かいます。

針ノ木小屋まで戻ってきた。
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往路が登り1時間なので下りはもっと速い。あっという間に下りてきた。


小屋前で5分ほど休んでから蓮華岳へ向けて出発。
小屋から先しばらくは やや急な上り坂だった。ちょっとせまめな場所も多く、岩っぽい場所もある。
オレは針ノ木小屋まで登った後、最初に針ノ木岳に向かったが、人によっては蓮華岳を最初に登る人もいた。時間的にその人たちが下りてくる頃であちこちですれ違う。道も狭いのでゆずったりゆずられたり。

ある場所で顔を上げるとオレの為に止まって待っていてくれている夫婦に気が付いた。
『ありがとうございます、こんにちは』
声をかけて横を通り抜けるときに岩に足がつんのめった。そんなとき、逆の足を前に出してダンッ!と踏ん張るが、なんと逆の足も岩に引っかかってしまった。
そうなると前に倒れるのみ。腕立て伏せの様な姿勢で受け身を取るが、飛行機の着陸の様に前方へ勢いがついていた。
ゴッ!
と低く鈍い音がした。受け身を取り切れずに岩に頭を打ってしまった。
『ああっ!大丈夫ですかっ!』
半分取り乱した様なトーンで奥さんが心配してくれた。
起き上がってふっ飛んだ帽子を拾ってすぐ被り、『大丈夫っス!平気っス!ホントホント』と必死で平然を装った。そして『すんませんでした』と振り返らずにその場を立ち去った。(やべー、やっちまったぁ…大丈夫かなぁ…)かなり動揺していた。

夫婦と別れてしばらく歩いて互いが見えなくなったくらいで登山道の脇に入って自分の状態を確かめた。

鏡が無いからどうなっているかわかんない。でも雰囲気的になんでも無いって事は絶対無いのはすんごいわかる。実は今 顔面に血のりがベッタリだったらどうしよう…。恐る恐る帽子を取って額に手をあてがう。
ヒィィイ!ヌルっとしてるぅ!
なんだ、オレの額の脂汗だったわ。びっくりしたぁ。

額に当てた手のひらを剥がして目の前で確認する。そのモーションは完全に小島よしおの『ピ~ヤ!』と同じだ。
あれ?血が付かない。その後も2回連続でピ~ヤをやるが付かない。今度は手のひらをグリグリ擦りつけてからピヤった。

じんわりと付く
どうやら擦り傷の様だ。よかったぁ…切り傷だったら今頃ドクドクだったろう。岩に打ち付けたのは確かだが、帽子が切り傷から守ってくれた様だ。何度かピヤって血の量を確認した。

なにか傷の状態を確認する方法な無いのかな。スマホを取り出し、内向きカメラで映してみる。
ぎぇえええ!けっこうハデだぞコリャ!
血は垂れて無いけど額に斜めに3本の赤茶色の線が付き、血がにじんでいる。こめかみ近くに /// こんな感じ。
いつからアディダスがオレのスポンサーになったんだろう…。いやそんなアホなこと考えてる場合じゃない。
なかなかな傷ですねぇ。オレの知り合いが見たら10人中10人が『どうしたソレ?』って絶対聞くレベル。
 
ザックの天蓋からファーストエイドのポーチを取り出し、絆創膏セットを出した。その中からいちばん大きな正方形の絆創膏を選ぶが、傷の方が広範囲だ。剥離紙を剥がして2本指で持ち、スマホの自撮りの映像で位置決めしようとするが、稜線上を吹いている強い風のせいで絆創膏の縁がまるまってしまう。さながら風でベタベタ張り付くサランラップの様だ。あれイラっとするよね。
傷は生え際を越え、頭皮の中まで達している。そこに絆創膏を被せても坊主頭の髪が持ち上げてしまっている。なんだか幼稚園児が自分で貼った絆創膏みたいでかなりぶしょったい。

ええわ、帽子で押さえちゃえ。
帽子を被ると傷は隠れて何事も無かったかのようになった。さて、これからどうしよう…。

頭を強打したのは確かだ。不気味な鈍い音が響いたし。だけどその音はオレの頭蓋骨に響いただけで案外大したこと無いのかもしれない。その場をグルグル歩いても大して痛くない、コブはできたがとても小さい。力んでみてもクラクラしないし思ったより大丈夫そうだ。


山頂へ行こう


今思えば『正気なのか』と驚いてしまうが、あと30分で到着できそうなので向かってしまった。
(大丈夫、へーきへーき。歩いた感じいつもと変わらないもん)←正常性バイアス
(もうすぐ血も固まって痛みも引くよ。これくらいのケガは思い出だよ)←楽観バイアス

自称『心配性』なオレなので、そういう心理にならないかなと思ったけどまさに2つのバイアスにかかっているようだ。
結果として下山するまでホントに何事も無かったから良かったけど、こういう時は素直に下山するのがいちばん安心なハズだ。


最初のうちは体に感じる変化を神経を尖らせながら歩いていたが、そんなことをするのに飽き、そして景色もいいので知らぬ間に気にしなくなっていた。

西のなまりの話し方をするおっちゃんと追い付いたり抜かれたり。追いつくたびにちょっと立ち話をした。
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今見えているあの小高い場所がピークなのかと、その場所まで行ってみれば その先に見えるさらなるピーク。
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でも蓮華岳の稜線って のっぺり広い。
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こういう稜線もいいね。広々していて気持ちいい。
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またピークに到達。しかしその先にまた出てくるさらなるピーク。
手前のピークが奥のピークを隠し、山頂まで隠している。偽山頂が連続でやってくる感じだ。
いいさ、広くてなだらかで超気持ちいい尾根歩きができるから。

ウソかマコトか傷の痛みがほとんどしなくなった。どうやら脳内麻薬が分泌されている模様。その麻薬の名はケシキ・デ・マヒスルーノ(大嘘)


人の気配と標識が見えた。
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by moriyart | 2018-09-29 16:16 | 針ノ木岳・蓮華岳

その3(針ノ木岳・蓮華岳)

山荘を出発。針ノ木岳へ向けて歩く。
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途中テン場横を通った。
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景色も良くて地盤も平らできっと快適そう。また余裕があったらテント担いで来よう。

高台から小屋を見下ろす。
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なかなかな場所に建っている。風が強い日は大変そう。

天気いいです。
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希望としては針ノ木岳を越えてスバリ岳も越え、種池山荘から扇沢まで下りたいけど、よほど健脚じゃないとキツいかな。今回はあきらめます。
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眼下には雲海が広がっていた。
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どうかあの雲が時間と共に上がってきませんように…。

針ノ木岳とスバリ岳の間の鞍部からなにやら見たことある形の山が。
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剱岳だ。
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なんじゃこの劇的な見え方は。
相変わらず岩々しいっつうか、荒々しいっつうか…。でもカッコイイなあ。

いよいよ山頂が近くに見えてきた。
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ちょっと疲れて来たけど、山頂からの素晴らしい景色を楽しみに頑張って登る。
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山がいっぱい見えてるけど、やっぱり名前がわからない。だれかおせーて詳しい人。
独りってこういう時につまんないかもね。


人の気配がすると思ったら…
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8時55分、『針ノ木岳』山頂に到着2,821m
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山頂からは見えるは『剱岳』
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の、となりの『立山』
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蓮華岳も見え、その山の向こうは広大な雲の大海原。
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そして他にも数えきれないほどの山々。
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となりのスバリ岳からずっとつながって爺ヶ岳、鹿島槍、五竜、唐松、白馬。ほとんど個々別々に登った山ばかりだ。つなげて歩いたのは爺ヶ岳と鹿島槍くらい。
あー!ぜんぶ縦走したいよー!







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by moriyart | 2018-09-29 15:53 | 針ノ木岳・蓮華岳

その2(針ノ木岳・蓮華岳)

登ってきた方向を見ると、雲の上に朝日に当たる山が。
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あれはきっと『爺ヶ岳』だ。
去年の今頃、鹿島槍と一緒に登ったんだよね。あの山もとてもいい山だった。

雪渓があった。
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針ノ木岳といえば『針ノ木大雪渓』が有名だ。白馬大雪渓・剱沢雪渓と共に、日本三大雪渓の一つなんだとか。
7月にこの山に登ろうとしたんだけど、この雪渓を登るには10本爪以上のアイゼンとピッケルで登る事が推奨らしかったので、どっちも持ってないオレは素直にあきらめた記憶がある。
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そんな初心者を跳ね返す針ノ木大雪渓も9月ともなれば大雪渓がプチ雪渓に変わっていた。

ってか、雪渓もスノーブリッジに変わってしまって、逆に歩くのは今の方が超危険だろう。


何度も沢を超えるが、たまにこんな橋もある。
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さすがにこの橋を渡る時には 口が真一文字のちょっと真剣モードになった。

雪渓を歩けないので、雪渓を避ける形で両岸の斜面を歩いて行くが、場所によってはこんなところもあった。
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ちょっとした鎖場だった。


場所に寄ってはスノーブリッジすら崩れ落ち、見るも無残な大雪渓だった。
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見上げると、針ノ木岳やスバリ岳が見える。
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天気が良さそう。景色に期待が持てそうで超ワクワクしてきた。うれしすぎておしっこ漏らすかも。犬かよ。

ついに見えました双耳峰の『鹿島槍』。
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はぁ…いいなぁ…。また行きたいなぁ。
なんて思いながら最後のつづら折りの道を登っていく。

建物が見えると思ったら…
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7時49分、『針ノ木峠』に到着。
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稜線に出た。山頂へはまだ1時間かかるが、景色の良い稜線へ出れたこと、ここに山小屋があることで ちょっとしたひと休みができる。

小屋の前から景色を望む。
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たくさんの山が見えるけど、半分以上名前がわからん。
ただ、この山は一発でわかる。
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やっぱりここからも見えました、『槍ヶ岳』。

登頂前だけど、針ノ木小屋で『針ノ木岳』と『蓮華岳』の山バッジを買った。
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ベンチに腰を下ろしてしばらく休憩。
スマホの電波も届くので、息子くんが持たせてくれたてるてる坊主のお守りと景色を写真に写して家族へ安否確認のラインを送った。
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今ちょうど8時くらい。今日もホントは組長の行事があって、それは地域清掃なんだけど、オレの代わりにカミさんが出てくれてるのでなんだか申し訳なかった。

ま、笑顔で送り出してくれたんならガッツリ楽しまなきゃ送り出してくれた人に悪いってもんよ。


やっぱ外道だわ。



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by moriyart | 2018-09-29 15:37 | 針ノ木岳・蓮華岳

針ノ木岳・蓮華岳

午前1時過ぎ、『扇沢駅』に到着。
3連休のなか日だし明日は晴れ予報だから、無料駐車場は まーず空いてないんだろうなと思って入ってみれば、もう入り口付近まで駐車スペース外に停まっていた。
ま、そりゃね。当然ですよ、ハイ。(もしかしたら一台くらい停められるかも…)なんて淡い淡~い期待はアッサリと崩れ落ちました。

それでも24時間1000円の駐車場はまだ全然余裕があったので、好みの場所に停めた。
『こっちの駐車場は区画線もしっかりしてるし、アスファルトだから安心♡』
そう思って自分を納得させようとするが、無料駐車場に停められなかった敗者という事実は変わらない。

4時前に起きるつもりなので就寝時間が3時間も無い。
寝不足でハードな山行は命にかかわるので、せめて睡眠の質を上げよう。前回の浅間山では車内が寒くて寒くて眠りが浅かった。その経験から、今回は防寒体勢をバッチリにし、いろいろ着込んで座席に丸くなって寝た。


3時55分、スマホのアラームが鳴った。
だりぃ…長距離運転の疲れが取れてない。もうちょっと寝たいけど、今日の山行は4時に出ないと下りてくる頃は夕方になってしまう。
それはあくまで標準コースタイムでの話で、自分はテン泊装備じゃなければコースタイムの70~80%程度で下りて来れる。まあ大丈夫そうっちゃぁ良さそうなんだけど、山に関しては何事も早め早めに行動した方がいいに決まってる。

ちょっとだけワクワク感が少ないのは、浅間山から下りてきてまだ4日しか経ってないからなのか。浅間山の疲れは取れてると思うけどね、まだ気持ちの新鮮さが回復してないのかも。
…にしてもまだ4日しか経ってないのに山に行くのを許可してくるなんてなんとありがたいことか。

はっ!もう呆れられ過ぎて『山で死んで来い』って意味なのか…

真相はわからないが、『行くな』じゃないんだから、大手を振って行かさせていただきますよぉ。
独りきりなのに『よっこらしょ…』と声を出し、座席から起き上がって準備をした。


駐車場はそこそこの台数が停まっているが、雰囲気的にどうも『立山黒部アルペンルート』を通って黒部ダムや室堂へ観光へ行く人達の車の様に感じる。確信は持てないけど、なんとなく車から発する雰囲気がノボラーと観光客と微妙に違うんだな。ホントになんとなく。

最近それがわかるようになった。まったく無意味で役に立たないスキルだけど、数年山に登りまくって得たスキルのうちのひとつだ。



4時23分、駐車場を出発し、扇沢駅まで来た。
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駅の前のベンチにザックが置いてあったので、オレと同じタイミングで登る人もいる様だ。
改札までへの階段には女性が並んで座っていて、仲良く朝ごはんのおにぎりを食べていた。
オレは荷物を下ろし、やっぱり今日も個室へ入った。
さすが、そこらの山の麓の駐車場のトイレとは違う。スーパー観光地アルペンルート様だけあって、トイレは広く清潔でウォシュレットまで完備されていた。観光地さまさまだぁ…。

スッキリしたところで、いざ!出発!
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時間は4時半。
ちょうど今到着した観光バスがある。早いなぁ。トロリーバスの始発って7時半くらいじゃなかったっけ?寝てればいいとは思うんだけど、停車してるバスってなんか寝れないんだよね。動いてるとすぐ寝ちゃうんだけど。やっぱ振動が心地よいのかな。


扇沢駅の向かって左側に『針ノ木岳』への登山口がある。
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現在4時32分、針ノ木岳へ向けて登山道へ突入。
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ヘッデンの灯りを頼りに歩いて行く。
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駐車場にはたくさんの車が停まっているが、この時間に出発したのは どうやらオレだけの様だ。前にも後にも遠くにもヘッデンの動く灯りが見えない。

街灯なんてあるわけないので、完全な闇。
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標高が高く、気温も低いので虫もいないようだ。めちゃくちゃ静寂。静かだが無音とまではいかず、耳を澄ますと空気の動く音と、遠く沢の音が聞こえる。

山深い闇の中に独りきりなんだけど、不思議と怖くない。なぜだろう。毛無山の時も闇の中を歩いたが、あのときは怖くて怖くてしょうがなかった。藪から何か飛び出して来たら時速70キロで走って逃げれそうなほど怖かった。

慣れなのか、なんなのか…。



5時を超えると、なんとなく空が白み始めた。
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足元の岩を見ると、誰かの濡れた靴裏の模様が岩にスタンプされている。自分より前に誰か歩いているようだが、ヘッデンの灯りがまるっきり見えないので30分以上、もしかしたら1時間くらい時間差があるのかもしれない。

白み始めたらぐんぐん明るくなり、薄明るい空に黒い山が切り絵の様に浮き出てきた。
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5時半になるとすっかり明るくなり、ヘッデンの灯りを消した。
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消灯したヘッデンを頭に付けたまま歩いていたが、締め付けてキリキリしてきたので外してズボンのポケットに入れた。

ガレた沢の様なところを何度渡る。大雨の時には水が流れるのかな。
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建物が見えたと思ったら
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5時40分、『大沢小屋』に到着。
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今期の営業は終了して、入り口や窓が降雪に耐えられるようにしっかり塞がれていた。
ここで前を歩いていたおっちゃんに追いついた。入山した時にどれくらい差があったかわからないが、多少なら遠くに動くヘッデンの灯りに気が付きそうだけど、まるっきりわからなかったし…。無燈で歩いていた?いやそれは無理だ。ちょっとだけナゾが残った。

大沢小屋からしばらく歩くと開けた場所へ出た。
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沢沿いを歩いて行くような感じだ。
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この頃から針ノ木岳らしき山と、それと他の山々をつなぐ稜線が見えるようになった。
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木でできた橋を渡る。
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けっこう流量が多い。この豊富な量の水をこの山たちはどこに貯め込んでいるんだろう。不思議でならない。
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by moriyart | 2018-09-29 15:30 | 針ノ木岳・蓮華岳

その6(浅間山)

記 録

活動時間:7時間59分
活動距離:14.18km
高低差:576m
累積標高上り/下り
1,319m / 1,335m
カロリー:3295kcal
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感 想

この有名な山にいつか登ることが可能なのかな なんて思っていた。活火山だし。
荒船山に登ったときも、そこの艫岩展望台から見える浅間山を望みながら、登ってみたいけど近寄れないしなぁ…などと半ばあきらめていた。
それがまさかの3年ぶりの警戒レベル引き下げによって前掛山まで登ることができるようになった。それを知って激しく登頂欲が沸いたのを覚えている。それと同時に、”もし噴火したらどうしよう”と本気で心配していた。大げさな様だけど、ここんところの猛暑や台風、相次ぐ大地震などの天変地異のせいで”まさか”が まさかじゃ無くなる様な気がしてしょうがなかった。

ホントに今、この瞬間に何が起こるかマジでわからない世の中になった。
だったらいちいち怖がらずに この瞬間を楽しもう…と、思い直して家を飛び出したのである。


山に着いたら着いたでクヨクヨしてもしょうがない事を女々しく考えながら登っていたが、外輪山の高台から見渡したカルデラと浅間山の景色があまりにも心にデカく響いて、つまらん考え事がいっぺんに吹き飛んだ。 山の不思議な癒しと強力なパワーを改めて思い知って、山ってすごいなぁ…と感動したのと同時に、やっぱオレが好きな場所は山なんだなぁ…と感じた。

そして火山には火山なりの魅力がある。噴火によってできた地形、崩落によってできた地形。なだらかだったり荒々しかったりで変化に富んでいて非常に魅力的だ。やっぱり危険なモノには危険な魅力が付き物だ。オレにもマダム達がヒィヒィ怖がる危険な魅力というのが欲しいもんだ。

オレ様の火山もボルケーノでイラプションするぜぇ!(これでもアラフィフです…ハズい)


火山といえば、

最近、御嶽山の山頂までの登山道の規制が解除されたのだとか。
噴火警戒レベル自体は一年前にレベル1になっていたのだが、安全が確立されるまでは山頂までの登山道が規制されていた。長野県木曽町が『万全では無いが、安全対策が整ってきた』と、解除に踏み切ったんだそう。
今年は10月の初旬までのわずかな期間しか解除されないが、おそらく来年から長期間の解除になるだろう。無理矢理予定を組めば、今年オレは御嶽山に登ることができそうだけど、やめときます。

ご遺族の方や、地元のかた、この山に思い入れのあるかたに最初に登っていただきたいと思います。
オレみたいなヘラヘラしながらパシャパシャ写真を撮りまくるノボラーはもうちょっと後にした方が良さそうだろうなぁ。早くて来年かな。


大好きな山で亡くなったのはとても無念だと思います。
同じ山ノボラーとして敬意を払い、その時はお線香でも持って登ろうと思う。
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浅間山(前掛山)
おしまい
















by moriyart | 2018-09-27 22:15 | 浅間山

その5(浅間山)

ふと気がつくと青空が広がっていた。
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さっきまでガスガスだったけど雲の切れ間から対岸の山が見えた。
カメラを構えていた人達が晴れ間が出た方向を一生懸命撮影している。

見上げると頭上近くを通過する雲の動きが速い。
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市街地で見ればゆっくり流れている様に見えるとは思うんだけど、高地で見ると近いので速い。時々自分と同じ高さの雲が通過すると雲の中に入り、ガスに包まれて辺りはグレーな世界になる。
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『写真撮ってもらってもいいですか?やっと晴れてきたので取り直したいんです』
ああそうか、オレが山頂に到着したときもガスガスだったから、たしかに晴れバージョンの写真も欲しいかも。その人の写真を撮った後、『オレもええッスか?』とお願いして撮ってもらった。
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浅間山の火口をバックに。ポーズを決めながら思うは、

タルタルバーガーうまかったなぁ。(なぜ今それを思う)



雲が切れた景色を楽しんだ後、下山を開始する。
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山頂へのビクトリーロードを登ってくる人とすれ違う。
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やっぱり△の形の稜線歩きって気持ちいい。


浅間山を下りきり、カルデラの底まで来た。
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今見えている外側の外輪山の稜線まで登り返さなければならない。
そう思うとちょっとだけ『うへぇ感』がする。

外輪山へ繋がる道『草すべり』へ向かっている時に、浅間山荘コースからの登山者とすれ違う。けっこう高齢の二人組のかた達だ。
あちらから話しかけてきたので、いろいろと話した。
会話の中に噴火警戒引き下げによる前掛山へ行ける事の話になり、その流れで、

『浅間山の本当の山頂へは行きましたか?行く人はいましたか?』

ちょっと悪い笑みを浮かべながらオレに聞いてきた。
『あ、山頂へは立ち入り禁止なので行ってないです…てか、向かう人は一人も居ませんでしたよ』
胸の前で両手のパーを左右にクルクルさせて全力否定した。
『そうですか…』
と、ニヤリ笑顔でジイちゃん達は言う。

(…このジイちゃん達、隙あらば行く気だな…悪いジジイ共だ)

まあ本気なのかわからないけど、関わらないようにしよう。
『お気をつけて』と言って別れた。


『草すべり』を登り、外輪山の稜線へ向かう。けっこう急登でかなりキツい。
ここ草すべりにもたくさんのバッタがいて気を抜くと踏み潰してしまいそう。
後半の登山道の斜度はさらに急になり、少し歩いては小休止をしてぼちぼち登っていく。

外輪山の稜線まで上り詰めた。
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エラかったぁ…地味にキツいよ。でも達成感があるね。

ガンバって登って腹が減ったので『トーミの頭』でザックを下ろし、湯を沸かしてラーメンを作った。
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湯を沸かしている時からなんだか獣臭い。獣というより、獣のフンなのか尿なのか。リアルに濃い臭いがするので立ち上がって周りを見回して排泄物があるのか真剣に探した。しかしブツは見つからない。
しかたないのでそのまま調理を続行した。
できあがってラーメンをズルズルすすったが、どうも獣のクソ臭が気になって口からラーメンが垂れている状態で立ち上がって足元を見回す。やっぱり見当たらない。
おかしいなぁ…。首を傾げながらにおいの立ち込めるトーミの頭でラーメンをかき込んだ。
大自然で食いもんを食べることってのは こういう事なんだなぁ。



13時、ビジターセンター駐車場に返って来た。
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活きた火山から生きて還って来れました。

駐車場脇のビジターセンターに寄ってみた。
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ホールには展示物があった。地元の小学生が作った新聞が展示してあった。二階にはカフェと売店があった。

売店で浅間山の山バッジを買った。
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黒斑山のバッジも売っていた。噴火警戒レベル2の時にここへ来た人の為に黒斑山のバッジがあるのかな。なんにしろ浅間山の本体に登れて良かったよ。これも時の運。登ってる時に噴火しちゃうのも運。人生は運だらけだ。トーミの頭はウンだらけだった。


さて、帰りますかね。





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by moriyart | 2018-09-27 22:11 | 浅間山

その4(浅間山)

火口まで500m圏内まで来た。
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ここから先は関係者か、噴火警戒レベル自体が消失しない限りは立ち入りできない。
さすがにそれはありえないので、一般人は素直に前掛山でガマンしましょう。
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右手を見ると『前掛山』山頂がある 内側の外輪山。
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ガスというか、雲が登ってきた。
大きな雲に包まれてしまうと景色が見えなくなってしまう。曇るのはもうちょっとだけ待ってくれぇ!逸る気持ちを抑えられず、速足で歩きだす。

避難シェルターがあった。
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さっきのと同じ鉄製のヤツと、コンクリート製のがある。
火口もかなり近いし、本格的に噴火したらこんなのじゃ防ぎきれないだろう。

シェルターの中。
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まあ許されないんだけど、この中でテントを張れば雨風しのげて快適なキャンプになりそう。雨でもテントの外で煮炊きできるし。『仕方なくビバーク』って名目でさ……ニヤリ。
いやいや、ちょっとだけ心の悪魔が囁いたけど、こんなに火口が近い場所に長時間居るほうがいろんなリスクが高すぎて怖いかな。ここで真夜中に噴火されたらもう笑いながら盛大な花火ショーを見てマグマを浴びるしか無さそうだ。

外輪山の縁を歩いていく。
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前掛山の山頂への道のりが、いよいよ最終段階に入った。
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それはさながら山頂への『ビクトリーロード』の様。
空気も薄いし、疲れて足取りもちょっとだけ重いが、自分の足で登ってこれた者だけが歩いて行けるビクトリーロードの雰囲気をを噛み締めながら進んでいく。

振り返ると後ろにもビクトリーロードを歩く勝者が。
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みんな一歩一歩ゆっくり歩いている。

山頂標識と人の気配がすると思ったら…
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9時37分『前掛山』山頂に到着。2524m
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一般人が登ることができる浅間山の山体のいちばん高い場所はここが限界です。どうしても山頂に行きたければ悪い事をするか、地質学者にでもならないと無理です、ハイ。
近くにいたおっちゃんに撮ってもらった。
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ちょっとガス…というか、雲が出てきて山頂がガスってきました。
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前掛山より向こうにも行けそうな場所もあるけど、当然ながら通行止めです。ロープと立て看板で閉鎖されています。

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山頂から景色を眺めるも、西から次々に登ってくる雲に覆われて スカッと見渡せない。
どうしようかなぁ…なんて思ってると、山頂に残っている人達がザックを下ろし、ゆっくりしだした。
なるほど、のんびり滞在してガスが晴れるのを待つのだろう。ほんじゃ、オレも付き合いますかね。
ザックを下ろし、身軽な格好で ややせまい山頂をウロウロ歩いていた。


山頂標識に手形が描いてあった。
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ミーハーなオレはもちろんその手形に自分の手を重ねた。
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今までこの手形に何百人いや何千人の人達が手を重ねてきたのだろう…なんて思っていたが、あ!そうだ、8月30日以前の3年間は噴火警戒レベル2のせいで誰もここへ来ることができなかったんだ。
そう思えばこの手形に手を合わせる人は最近になって増えたんだろうね。人が来なくてずっと寂しかっただろうなぁ、この手形もさ。

腹も減ったので何か食べよう。
いつもはコンビニのおにぎりなんか食べたりするんだけど、夏の日差しで傷むのが怖くて凍らせたペットボトルと一緒に保冷バッグに入れて運び上げてたんだけど、今回メンドくさくなったので常温でもオーケーな惣菜パンを初めて持ってきてみた。それはセブンイレブンの『白身魚のタルタルバーガー』だった。

そのバーガーは特に”コレだ!”と選んだわけじゃない。なので何となくザックから取り出して何となくガスガスの景色を見ながら何となく食べた。何となく。

目の前の流れる雲をボーっと眺めながら無表情にモシャモシャ食べていたけど、『!』と、急に我に返った。

(なにコレ!うんめぇー!)

景色に意識が行ってたのが、急にこのバーガーに移った。その後はむさぼる様に食べた。もぐもぐしながら(うめーうめー!)と心で叫んでいた。
…まあ、”山で食べたから補正”もあるとは思うけど、山頂で食べる惣菜パンも悪くないな…と思った。今度また食べよう、楽だしね。


三脚に一眼を載せて山頂を狙う人。コンデジでパシャパシャ撮りまくる人、こんなところまでムービーを持ってきた人。いろんな人がいて見ていて飽きない。
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前掛山から浅間山の山頂を眺める。
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山頂をかすめながら雲が通り過ぎるが、火口らしき場所のガスの雰囲気が妙だ。
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どうやら雲に見えるモノとは別に噴煙もあるようだ。
雲は純白だが、それに混じってグレーの煙も見える。グレーのガスは水蒸気なのか煙なのかわからない。火山といえばあのオナラの様な『硫化水素』の臭いがしそうだが、ここでは臭わない。たぶん風向きのせいだろう。火口をかすめる風が火口内の気流を乱すらしく、噴煙が縦に渦巻いている。すごいなぁ…。

そんな浅間山の火口を見ていると、やっぱりこの山が生きている山なんだと再認識した。






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by moriyart | 2018-09-27 21:56 | 浅間山

その3(浅間山)

足元を見ると、やたらとバッタがいる。
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ワリと小さい。空を飛べない種らしい。
なぜか足元に跳ねてきて、歩いていると踏み潰しそうになる。実際、潰れた死骸が登山道に無数にあった。ちょっと自殺願望ありすぎなんじゃないッスかね。

外輪山の最終に近づくにつれ、草や木が減っていき、岩肌が露出してくるようになった。
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それは荒々しく、噴火によって吹き飛んだのか、または崩落した跡なのか、不思議な造形物として鎮座しているかの様。
その姿は北アの花崗岩の岩稜帯の景色とは違い、独特の荒々しさがある。
ダイナミックというか、ヤバめな雰囲気は火山だからこそできる地形なんだと感じた。
やっぱキケンとかヤバいモノにはゾクゾクする良さってあるよね。だから人は危ない火山に近づきたがるのか。


7時46分『仙人岳』に到着。
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気持ちいい稜線歩きももうすぐ終わり。
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せっかくなので最後の『鋸岳』まで行ってからJバンドを下っていこう。
鋸岳までやってきて山頂から来た道を見返すと、ずっと手前に今日初めてオレ以外の登山者を見つけた。

よかったぁ…もしかしたらこの山域にいるのはオレだけかと思ったよ。いやマジで。


Jバンドを下っていく。
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荒々しい岩壁を見上げながら層になっている地形を観察していた。
(Jバンドを歩く→歩くはWALK→J-WALKだ!)

♪キレイな崖してた~んだね♪知らなか~ったよ♪

Jバンドを下りながら『何もいえなくて…崖』を歌っていた。
ウソみたいな話だけど、本当です。だって馬鹿だもん。
朝、槍ヶ鞘までのウジウジしながら登っていたアレはなんだったんだろう…。あのときのモンモンとした気持ちは雲と共にどこかへ行ってしまったみたい。今はこんなにも上機嫌だ。だってバカだもん。
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カルデラの底へ下りた。
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一番低い所まで降りた『底に居る感』がすごいする。浅間山も外輪山も思いっきり見上げるほど高い。
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今、浅間山が噴火したら なすがままなんだろうなぁ…お椀の底にいるみたいなもんだからさ。
ま、そうなったら素直にあきらめますわ。
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『賽の河原』分岐に到着。
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噴火警戒レベル2の時にはここから先へは行けない。
なんか禁断の地へ踏み入れるみたいで、ちょっとだけ…いやかなりワクワクしている。

いざ!突入!

最初は平坦だが、そこを抜けると道に傾斜がつき、いよいよ浅間山を上る。
円錐形の山で火山なので登る雰囲気はちょっと富士山。
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どっちかといえば単調な登山なので、ただひたすら登るだけ。

振り返って眺めれば、さっき登って縦走した外輪山が見える。
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単調な道だが けっこうキツイ。少し歩いては休み、また踏み出す。浅間山の単調な景色に飽きたら振り返って壮大なカルデラを望む。











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by moriyart | 2018-09-27 21:46 | 浅間山